22 セッ〇スしたら?
「え、秘密…ですか?」
こちらを見つめてくるソロモンさんの眼差しはとても鋭くて真剣そのもので、嘘なんてつけない雰囲気を纏っていた。
「んー。秘密っていうとアレか。何か悩んでることがありそうだね。僕、相談者の仕事ここでしてるからさ、話してごらんよ」
悩み事までお見通しなのかこの人は……?
さすがソロモン王だな。詳しく知らないけど。
「ほら、僕達って別の世界から来てる同士だし、君は父上の仲間だしね。だから仲良くなりたいなって思ったんだ」
なるほど、そういうことだったのか。
せっかくの機会なので思い切って相談してみることにした。
「へえ。元の世界では男だったのになぜか女の体に転生したと。それは災難だね」
私の話を聞いた後、ソロモンさんが言う。
「うーん…でも、君って中性的なんだね。あんまり男って感じしないし。そこまで違和感ないっていうか」
思わずドキっとした。
私…僕の「もう1つの秘密」を見抜いているのかもしれないと思ったからだ。
いや、さすがにないか…。
「女の体だったら、自分で興奮したりしないの?」
おい、いきなり下世話な質問してくるな!
「じ、自分の体なんて興奮できないですよ」
「あははっそれもそっか!けど複雑な問題だねぇ…男だったのに女になるって」
ソロモンさんは顎に手を当てて考え込む仕草をする。
「そうなんです…自分の体に慣れないっていうか……」
男の体で生きてきたんだから当然だ。
「それもそうだよね…うーむ。あ、そうだ。女の体を受け入れるんだったらこの方法が早いんじゃないか。ねえ、聞きたい?」
急に身を乗り出してきた彼に気圧されながらも頷く。
一体どんな解決策なんだろう? 期待を込めて彼の言葉を待った。
「セックスしたらいいんじゃない」
はい?今なんと?聞き間違いかな?
ぽかんと口を開けたまま硬直してしまう私。
慌てて反論する。
「そ、そんなことできるわけないじゃないですか!」
「君、前の世界で経験ないの?」
ソロモンさんは平然と聞いてきた。
図星だったので言葉に詰まってしまうが、なんとか声を絞り出すようにして答える。
「そ、それにそういうことする相手もいないし」
「ああ。父上に頼んでみたら?」
は?父上ってダビデのこと?
「ダビデは私が元の世界では男だと理解してくれて私を女扱いしないでくれてるんです。それに仲間だし…」
「ふーん、そうなんだ。じゃあ僕が立候補しちゃおうかな〜」
はあ!?何言ってんのこの人!?
まさか本気じゃないよね!?