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異世界転生したら聖書の登場人物がいる世界だった  作者: B-pro@神話創作してます
白と黒の反転
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173 衝撃の事実発覚

その日私達は再びみんなで集まることになっていた。アベルさんの歓迎会の時に集まったばかりだけど、何でも重要な話がしたいということだった。一体なんだろうと思いつつ待ち合わせ場所に行くとみんなが集まっていた。



すでに派閥同士で交流をオープンにしてるから気まずさもなく和やかな雰囲気の中話しているようだ。そんな光景を見て微笑ましく思っていたその時のことだった。


「皆の者、集まってくれて感謝するぞ」


そこに現れたのはリーダーであるアダムだった。彼が来てからはその場が少し緊張した空気に包まれたのがわかる。何しろ今回の集まりを開いた張本人なのだから緊張するのも当然だと思う。私達も例外ではなく姿勢を正している状態だ。



「さて、今回皆に集まってもらったのには理由があってだな・・・。先日我々が手を取り合うことになったことは既に周知のことと思うが、そこでだ。ここにいる全員に私の口から直接伝えたいことがあるのだ。聞いてくれるか?」


そう言ってアダムはこちらを真っ直ぐに見据えてきて言った。彼の真剣な様子からも今から話す内容がとても大切なことだということがわかるわけで……全員の視線が彼に向いている中、それでもなお言葉を続けるのだった。



「我々をこの世界に呼んだ、この世界の神だったセナムーン……彼女はこの世界の魂を管理している存在だ。そして…それは我々の魂も含めてだ」

「「「!!??」」」


イサクとヤコブ以外の聖書転生者、そして私を含めた全員が驚きのあまり言葉を失っている様子だった。



いやまあ無理ないよね??いきなりこんなこと言われたら誰だってそうなるでしょ!!何が言いたいかって言うと頭がついていかないというかなんというか……そんな感じなわけで……。



「……どういうことですか?」

一番最初に我を取り戻したのは冷静沈着そうなソロモンさんだった。

私とソロモンさんは、アベルさんからチラっと聞いて知ってたもんね。でもどういうことかはよくわからなかったから、いざ言われるとやっぱり動揺してしまう。


「言葉通りの意味だ。セナムーンは単に我々の主人であり支配者というわけではない。我々の魂を管理ーーつまり維持するのが彼女の役割なのだよ」


そう言った後アダムはさらに続けた。


「そもそもなぜ我々はこの世界で生きていると思うかね?それも前世の記憶を持ったまま生まれ変わるなど普通はありえまい。これは本来あり得ないことなのだ。しかし可能にした存在がいるからこそこのような状況になっているわけだな」

「ちょっと待ってください。その話は本当なんですか?にわかに信じがたいのですが……」



戸惑いながら反論したのはダビデだったがその表情は少し強張っているように見えた。もちろん私も内心穏やかではなかったのだけど、その一方で冷静に物事を見れている自分もいるような気がしたんだ。



「嘘などついておらぬ。そしてここからが重要だーーーセナムーンは我々の魂を管理して維持している…それは我々の命は彼女の手の中にあると言い換えられることだろう。よって今後彼女に逆らうことはできないということだ。彼女が望むなら喜んで従う必要があるということだよ」

「そんなこと信じられるわけがありませんよ!仮に本当だとするのならあまりにも理不尽すぎます!」


声を荒げたのはダビデだったけれど気持ちはわかるような気がする。そんな彼に反論するように声を挙げたのはヤコブだった。



「始祖さまは、対抗派に回った君達をいつも気にかけていた。だが君達は聞く耳も持たず自分達こそ正義だと信じて疑わなかった。始祖さまは君達の命をも守るためにセナムーンに従い、そして君達が聞く耳を持てるまで様子を見守っていたというわけだよ。決して強制されたわけではない!!」



普段は温厚なヤコブが声を荒らげていること自体が珍しいと感じると同時にそれだけ必死だということがよくわかった。

思わず沈黙してしまう私達。


それってつまり……私達は自分達こそ正しいと信じ込んでいたけど、実はアダムは私達が知らないところで私達を守ってくれていたってこと?

対抗派に回った私達は危険分子だとセナムーンに見なされる可能性もある。だけどアダムが立ち回りそれを防いでいたということなのだろうか……?



「ですが…アダム殿はこの世界で再会したい人物を1名転生させるという条件だからあの女神についたのではないですか?」


ソロモンさんがそう疑問を投げかけるとヤコブがそれに答える。



「始祖さまはすでに事実を知っていた。確かに我々は望む人物を1名転生させる条件に惹かれたが、始祖さまはその条件を提示される前から協力することを決めていたのだ。それが我々の命を存続させる唯一の方法だったからだ……!」


つまり、セナムーンさんが条件を提示してきた時・・・アダムだけは従うしかないとすでにわかっていた。

つまり、私達が推測していた「アダムはイブさんをこの世界に取り戻すことに固執している」という情報は間違っていたということになるのかな……?


「カイン。ユダ」


アダムは唐突に2人の名前を呼び、彼らは反応する。


「はい、なんでしょう?」

「そなた達はダビデ達対抗派に回っていたのであろう?」

「!!!」

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