15 不穏になる2人
この異世界で、感動の再会を果たしたダビデと、彼の息子だというソロモンさん。
彼らは抱き合って再会を喜び合ってたんだけどーー
何と、ダビデとソロモンさんは唇を重ね合わせ、キスをしていたのだ!!
いや待って!?何やってんの!?男同士だよね!?ていうか親子だし!!
(うぎゃああああ!!??)
もうやだこの人達!!なんで人前でこんなことができるわけ!?羞恥心とかないんですかねぇ!?
(っていうかこれどういう状況!?誰か説明してよおおおお!!)
心の中で絶叫するも、誰にも届くことはないわけで……
一方、私の気も知らないで二人は平然としているし……もうなんなんだこの人たちーッ!!
唇を離した彼らは、抱擁を止め、親しげに会話を始めた。
「ところで父上。その子は?もしかして側室?」
ソロモンさんは私の方を見て言った。
は?側室って、愛人のこと?
失礼だなー。ていうか妻や恋人じゃないんかい。
「おい、失礼だろう。この子は私の仲間だ。そういう関係ではない」
「ふーん。あ…そうだ!あいつら!」
突然何かを思い出したかのように叫ぶソロモンさんに驚く私。
(悪魔達は…!?)
思い出したように誰かを探してるけど、目的の人はいないようだ。
(あー…父上に気を取られて見失った)
「ソロモン。お前、こんな所で何をしようとしてたんだ?」
「ああ。実はね。生前、僕は悪魔達を配下にしてたんだ。それで、この世界にも悪魔が来てるから、こっちでも支配できるか実験しようとしてたとこ」
「何……!?」
ダビデの表情が変わる。
それはこれまで見たことがないほど厳しい表情だった。
「お前、悪魔を支配しようとしていたのか」
「そうだよ」
悪びれもせず答えるソロモンさん。その表情からは罪悪感など微塵も感じられない。むしろ嬉々としているように見えるくらいだ。
「悪魔と手を組むなんて我々の信仰に反することだ。主に背くことは許されない」
「主…。また主か………」
主という言葉を聞いた途端、ソロモンさんの顔から笑みが消えた。
2人の間に険悪な空気が流れる。
あ、あれ?もしかしてこれってやばい感じ??
親子の感動の再会が、一瞬で修羅場になっちゃった……!
男同士でキスをしてますが、BLではありません・・・