147 食事会当日
(食事会…?一体なぜ……)
アダムから告げられた、決別してしまった聖書転生者の派閥による食事会という予想外の展開に戸惑いを隠せないカインとユダ。
だが怪しまれるわけにいかないので平常心を装うしかない。その後アダムと軽く雑談を交わし彼は帰っていった。
カインとユダは顔を見合わせ、ユダの異能である念話で脳内会話を始める。
《おい…何なんだこの展開…?》
《さあ……。それよりイサク殿の説得だが…今日は出直した方がいいかもしれないね》
《そうだな……》
そうして2人は一旦この場を離れることにしたのだった。
《目的が何かわからないが、僕達は表面上はアダム様達の側についていることになっている。その体裁を装わなくてはならない》
《ああ、そんなことくらいわかってるぜ?》
《心配だな………》
《ん?何がだ?》
《君だよ。うっかり漏らしてしまわないか心配でね》
《なっ……!馬鹿にすんなよ!それくらい弁えてるっての!》
そんなやり取りをしながら2人はその場を後にするのだった。
そして数日後ーーー
主人公のヤマト視点に移る。
私達対抗派の面々は、アダム達に招かれて食事会に参加することになっていた。
場所は、王宮の一室を借りて行われるようだ。
ダビデやソロモンさんは王宮と縁を持ってるけどアダム達って伝手があったっけ?そう疑問に思ってたけど、女神派の彼らは奉仕活動をいろいろしてるらしくて国に感謝されて支援も受けてるらしい。
なるほどそういうことだったのか……納得です!
今回、突然の食事会の誘いに私達は戸惑いを隠せなかった。一体なぜ・・・?
だから食事会の前に、またみんなで念話を使って話し合いをしたんだけどーー
とにかく慎重に、こちらの思惑を悟られないように無難に過ごそうという結論になった。
ユダさんとカインさんが裏ではこちら側だって今ここでバレるわけにはいかないもんね。
***
「みんな、よく来てくれたな!」
「ようこそおいでくださいました」
アダム達はすでに部屋の中にいて出迎えてくれた。
部屋は広く豪華な造りになっていた。テーブルクロスがかかったテーブルの上には既に料理が並んでいるのが見えた。
どれも美味しそうで食欲をそそられる。さすが王宮の料理人が作っただけあるなぁ〜と思いながら席に着こうとした私達だったけどーー
やはりただの食事会では終わらないのだった……。