131 意外な訪問者
自分達だけだとしても女神に抗おうと結託したダビデとソロモン。
場面はヤマト側に移る。
(ダビデ………)
私は家で彼の帰りを待っていた。最近ずっと働き詰めだけどやっぱり無理してるのかな。
本当は私もついて行きたかったのだが、彼に拒否されてしまったので仕方なく留守番をしているというわけだ。
ーーガチャッーー 玄関の方から扉が開く音がした。
帰ってきたのかなと思い、出迎えに行くとそこにはーーー
「え?ソロモンさん?」
ダビデと一緒にソロモンさんも来ていたことに驚いた私だったけど、ダビデは機嫌が良くて心なしかテンションが高いような…?
「いやー、珍しく2人で酒場に飲みに行ってね。盛り上がっちゃって。父上はけっこう飲んでたから念のため送ったわけだよ」
なるほどそういうことか〜。でも酔っているにしてはやけに上機嫌な気がするけど気のせいかな??
「すみません、ソロモンさん…」
「いや、君が気にすることないさ。上がらせてもらうよ」
ソロモンさんはダビデの肩に手を回して彼を寝室まで運んでくれた。
ベッドに横たわらせた後、ソロモンさんが水を持ってきてくれたおかげで酔いもだいぶ覚めてきたらしいダビデが話し始めた。
「……すまなかったな、ソロモン」
「いえいえお構いなく〜」
そんなやり取りをする2人を見て微笑ましく思う私だった。
その後少し話をした後でソロモンさんは帰ろうとしたけど私は引き止める。
「せめてお茶でも飲んでいってください……!」
そう言うと彼は快く承諾してくれたのでテーブルに座ってもらい、私は紅茶を淹れて差し出した。
「ねえ、ヤマトちゃん」
「はい」
「僕も父上と同じで、反対派なんだ。ヤマトちゃんも、だよね?」
「!!は、はい……!」
良かったぁ・・・ソロモンさんもダビデ側だったなんて心強いなぁ〜!
「僕たちは1人じゃない。僕と父上、そして君の3人だよ。だから……共に頑張ろうじゃないか!!」
そう言って力強く手を握ってくれる彼の言葉を聞いていると勇気づけられるようだった。
(3人……ソロモンさんは私が疎外感をずっと感じてることに、気付いてたのかな……)
彼の言葉には私も仲間だと認めてくれる優しさが込められているようでとても嬉しかったし感動も覚えた。
今まで孤独を感じていた私の心の中に光が差し込んだような気分だった……ありがとう……ございます……っ!!!
(ダビデも他のみんなもきっと気付いてない。でも……ソロモンさんだけは気付いてくれてたのかな…優しい人、だな………)
そんな風に思うと何だかくすぐった気持ちになるけど、私は照れ臭くてそれを悟られないよう誤魔化すように言った。
「……あ、あの……ありがとうございます……ぅ……」
(うぅ〜〜なんか顔が熱いよぉ……恥ずかしいぃぃぃ……)
赤くなっているだろう顔を隠すために俯きがちになってしまう……うう……穴があったら入りたい気分だ……
ソロモンさんはなぜかこちらを真剣な眼差しでじっと見つめてきて、また俯いてしまう私だった。
一方ーーー
女神に打診され、彼女についてしまったカインやアダム達は集まって話し合っていたのだった。