126 女神の策略
「!!セナムーン……!」
姿を現した彼女を睨みつけるダビデと他のみんな達。
「うふふ♡みんないい子にしててくれて嬉しいわ〜♪」
意に介さない態度のまま笑う彼女を見て、私は恐怖を感じていた。
(怖い……)
彼女が何を考えているのかわからないから余計に恐ろしいのだ。
彼女の目的とは一体何なのだろうか……? 私が考え込んでいる間にも話は進んでいく。
「貴様、何の用だ?」
アダムは警戒した様子で尋ねるが、彼女は特に気にすることなく答える。
「あらぁ、そんなに身構えないでちょうだいよ〜」
ニコニコと笑う姿は一見無害に見えるのだが、その笑顔の裏に隠された真意が全く読めないので不気味さの方が勝っていた。
「あなた達、変わらずあなた達の神に信仰を捧げているようね。あなた達の信仰心の珠、どれも無垢で美しいわぁ……♡」
うっとりとした表情で言うセナムーンに対し、嫌悪感を覚える私達。
そんな中、ソロモンさんは冷静に問いかけた。
「それで、用件は何だい?」
ソロモンさんの問いかけに、セナムーンは笑いながら答えた。
「うふふっ、今日はね。あなた達にとびっきりのご褒美を用意してることを伝えに来たの」
「ご褒美……?」
胡散臭そうに聞き返すダビデ達に対し、彼女は嬉しそうに頷く。
「このご褒美のことを知れば……あなた達は私の元につくことを喜んで選ぶはずよ♡あなた達が私に逆らう打開策を練ってることくらいお見通しなんだから……」
「………」
やっぱり知ってたんだ…。
図星だったのか黙り込んでしまう彼らだったが、それでも諦めずに反抗的な態度を崩さなかった。
しかしそんな彼らの様子を見てもなお余裕そうな笑みを浮かべる彼女には何か企みがあるような気がしてならなかったのである。
「……まあいいでしょう」
と言ってため息をつく仕草を見せた後、ゆっくりと話し始めた。
その内容というのがーーあまりにも衝撃的なものだったのだーー……
「あなた達が我が眷属として私のものになる褒美としてーーーあなた達が望む人物1名をこの世界に転生させてあげるわ♡」
「なっ……!?」
彼女のその言葉にーーー
聖書転生者達は大きく動揺してしまっていた・・・。