110 聖書転生者達、アダムから重婚禁止令を発動される!?
聖書転生者仲間達のリーダー役を任された始祖アダム。
そんな彼は思うところがあったらしく、あるメンバー達を集め出した。
それはダビデ、ソロモンさん、ヤコブだった。
そして彼らはアダムの前に座らされーー
彼から説教を受ける羽目になったのだった!?
「ヤコブ、ダビデ、ソロモン。そなたらは生前、複数の妻を持っていたそうだな……?」
いつものアダムと違い威厳たっぷりで逆らえない雰囲気に気圧されてる3人。
さすがは始祖様といったところか……?
「そ、それは……」
「確かにそうですが……」
「……はい」
3人とも素直に認めることにしたようだった。
「で、ですが…主は一夫多妻を禁止しておりませんでしたし…それに私は王だったので、子供を多く持ち国を強固にするために複数の妻を迎え入れただけで邪な気持ちでは……」
あくまで政治的理由によるものだと弁明するダビデだったが……
「ふん!政治がどうであろうと関係あるまい!神が禁じていないからといって好き勝手していいわけがないだろう!?」
珍しく語気を強めて叱責するアダムに圧倒される3人だった。
(うわぁ〜やっぱり始祖様は怒らせると怖いなぁ〜)
「主は、私とイブのように一夫一妻を本来は定めていた。そなた達も知っているだろうがレメクという男がその定めを堂々と破りそして一夫多妻が人類に横行した結果、世界は乱れた! それがどれだけ愚かなことかわかるか!?」
(うぐっ……そう言われると何も言い返せない……)
正論すぎてぐうの音も出ない様子のダビデ達。
「よって、今後は重婚禁止令を出すことに決めた!」
始祖の威厳をもって強制する姿勢を見せる彼に反論する者はいなかった……
「わかりました。私はそれで結構です」
あっさりと従ったのは……何とソロモンさん!?
え?でもソロモンさんって生前は奥さんと側室が1000人いたって聞いてるけど。
彼こそ一番抵抗しそうじゃないか? そう思ってたんだけど意外だったなあ〜?
「私はこの人生では生前にできなかったこと…1人の愛する人と添い遂げたいと思っていますので」
おお〜!なんか素敵だなソロモンさん。そういうの憧れちゃうかも♪
「私も本来は1人の女だけを愛したい男です。異論はありません」
続いてヤコブが同意の意を示す。
残るはダビデだけど……
ダビデって確かに王様だったから仕方ないし時代の価値観もあっただろうけど…
私としてはちょっと嫉妬しちゃうようなハーレムを築いてしまったわけだよね。
やっぱり一夫多妻の方が良いのかな………
そう私が不安に感じているとーー
「私も、それが主の望みであれば従いたい所存でございます」
とすんなり受け入れたのだ!
(良かったあ…。てことはダビデも…1人の人だけ愛するってこと…?)
思わず嬉し涙が出そうになるほどホッとしたよ……!
それに何だかドキドキしてきた。何でだろ?
「うむ、わかってもらえて何よりだ……!」
3人に納得してもらえたからかアダムも満足そうに頷いている様子であった。
こうしてアダムの命令により、聖書転生者達は「重婚禁止令」を遵守することになったのであるーー!