表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したら聖書の登場人物がいる世界だった  作者: B-pro@神話創作してます
新たな聖書転生者達
108/211

105 聖書転生者達に共通することとは?

聖書の神ヤハウェについて仮説を説いたソロモンさん。


彼らが信仰する一神教。そして他の国にある多神教は矛盾するかのようで共存可能だと彼は語ったのだ。


これにはみんな驚きの表情を見せていたけど、さらにソロモンさんは続ける。



「そして、ヤマトちゃんを除く僕たちは、我々にとって未来の記録書である『聖書』に登場する人物というのが共通している。さらに僕達にはある共通点があることに気付いた」


聖書転生者達の共通点ーー?



「私達は生きた時代が違うというのに、同時期にこの世界に召喚された。それも元の世界で一度死んでいるというのに・・・。無差為に選ばれ召喚されたわけではないということか?」




ダビデが問いを投げかけると、ソロモンさんはゆっくりと首を縦に振った。



「僕達の共通点・・・それは生前に『罪の意識』を持っているということだ。それが転生する際に何らかの影響を与えてる可能性があるのではないかと思うのだけどーーどうかな?」


その問いかけにダビデ達は考え込んでしまった。



「私は生前、人妻に目が眩み姦淫の罪を犯した。それだけに留まらずその罪を隠蔽するため相手の夫を死に追いやった。確かに罪の意識を一生引きずったままだった……」


そう言ったダビデに続いて聖書転生者達は次々と、生前感じていた罪を告白していった。


以下がその内容だ。


アダム:

禁断の実を食べて人類の原罪を作ってしまった



イサク:

2人の息子の内、兄の方を特に愛し、それが要因で妻の策略に引っかかり兄弟に確執を作ってしまった



ヤコブ:

策略により親戚の姉妹を娶る羽目になったが妹のラケルを偏愛し、姉妹で歪み合わせさらに愛妻ラケルを悩ませてしまった。

また息子の1人を偏愛し兄弟間の確執を起こした。



ソロモン:

神に愛されていたのに、1000人の妻を抱え外国人の妻達に夢中になって偶像崇拝に走り、そのせいでイスラエルは分裂する羽目になった



カイン:

神への捧げ物を弟アベルだけが受け取ってもらえたことに嫉妬して、アベルを殺害した



ユダ:

敬愛していたキリストを裏切り、そのせいでキリストは処刑されてしまった


罪を告白した彼らはしばらく沈黙に包まれていたーーー



(罪の意識……私は聖書の登場人物じゃないから関係ないかもだけど……性同一性障害に引け目は感じてる…)


みんな、生前の自分の罪のことを思っているんだろう。


誰も言葉を発せずそれはそれは深い沈黙で、彼らの罪の意識や悔いている思いがどれだけ重いのか痛いほど伝わってきたんだ・・・。


そんな空気の中ソロモンさんがまた口を開いたので耳を傾けたのだけれどーーー


「やはり罪の意識を持っていること…それも強い罪の意識がある者がこの異世界に召喚されたようだね。そしてそれは、僕たちをこの世界に招いた者の何かしらの意図によって起こった出来事なのだろう」

「聖書の登場人物かつ、強い罪の意識を持ったまま亡くなった者たちが召喚された…か。一体どんな魂胆なんだろうな」


ダビデは腕を組んで考え込むようにして言った。



「それはまだわからない。何にせよ僕達はこの世界に来てしまった。この世界でこれからどう生きていくか。それを考えないとならないだろうね」


ソロモンさんはそう言い切った。


彼らは元の世界ですでに亡くなっている。元の世界に戻ることはできないんだよね。


でも私は・・・?

私は……元の世界で死んでない。それなら戻れるのかも。


でも戻れば、また男の体になってしまう。また性同一性障害の呪縛を抱えて生きていかなきゃいけない。


でも元の世界には家族がいる。大切な家族が。


(私はどうしたらいいんだろう)



聖書転生者達と違い私だけが答えが出せず迷っていることに、また疎外感を感じるのだった・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ