99 英雄神、再登場(英雄モード)
ルシファーの野望を阻止することができた聖書転生者達。
ソロモンさんも、ソロモン72柱の悪魔達と和解できて、悪魔達はまたそれぞれ散り散りになって自由に活動するようになったらしい。
あれから一週間くらい経っただろうかーー 私達は平和な日常を送っていた。
だけど、戦いの最後に現れた自分を神だと名乗る女のことは不穏でならないな……と感じていたけど……それは口に出さず胸に秘めておいた。
そんなある日のこと。
「よお、親友!そっちで騒動があったそうだな。俺も知ってたら駆けつけてたんだがな、何も知らなかったから許せ。だがお前達だけで解決できたんだからさすが俺の親友だ」
現れたのは見覚えのある、身長2m超えの逞しい赤い髪の美男。
ヘラクレスさん!!相変わらずの巨体と威圧感で私達を見下ろす彼は今日も眩しいくらいに輝いていた。
今日はいつもの眠そうな猫っぽいヘラクレスさんとは違って英雄モードらしい。
相変わらずギャップがすごいなーと思う私なのだ。
いやもう慣れっこだけどね・・・ははは・・・ もうツッコミ入れる気も起きないや・・・だって相手は超大物だしね・・・はぁ・・・
「ヘラクレス殿。今日はあの奥方は一緒ではないのか?」
ああ、あの超絶美人のへべさんのことか。
ダビデはへべさんに見惚れてたもんな…やっぱりソロモンさんが言ってたように人妻が好みなのかな……
何でもやもやするんだろ……やだ!
「ああ、今日は俺1人だ。ところでお前達、この世界の絶対神のことは知ってるか?」
えっ?まさかこのタイミングで?
まさかあの例の女性がこの世界の絶対神ーー?
「いや、この世界にも神がいるとは噂で聞いているが、詳しくは私達も知らないが……」
ヘラクレスさんはこの世界の絶対神は「ミュトス」という神だと教えてくれた。
光着もミュトスだけが作ることができるらしくいくらでも作ってくれる親切な神様だということみたい。
そしてどうやらミュトスはこの世界の創造主でもあり管理者でもあるとのこと。
どうもこの前現れた女性とは違うようで・・・
「この世界には他にも神々がいたらしい。だが多くは力を失ったり存在を忘れられているようだ」
人々から忘れられた神ーー
あの神と名乗った女性も関係あるってことなのだろうか……。