#1『不幸な者』
フォルダを見返していたら昔書いたものを発見したのである分だけ出します。
更新する気はあまりありません。気が向いたら。あと人気出たら。
厨二病とロマンを全面に出したい作品なので、イタいのが嫌な方はブラウザバック推奨です。
突然だが俺、高峰翔はとてつもなく不幸である。
何も無いところで転びそうになるのは当たり前、悪い時は突然、それも登校中にいきなりトラックが俺に向かって飛んでくるようなことも日常茶飯事ではないが時々たまにある。
しかも運転手はいつも無事なのでたちが悪い。
別に死ねと言ってるわけでは無いのだが。
自分で言うのもなんだが親の遺伝による美形だけが唯一の幸運と言ってもいい。まあ父は男の娘と呼ばれる部類なのでとても中性的ではあるが。
髪は母似の黒いサラサラヘアーで目は父似の真っ黒な瞳。とにかく黒である。ルックスにステータスを極振りしたような見た目だ。
今日も今日とて不幸に見舞われる。
「だけどこれはないんじゃないかなぁ」
俺はそう一人呟く。
俺は絶賛塔の上にいた。歩いてた歩道は高すぎてもう見えない。
ことの発端は5分前まで遡る……
ついさっきだろって?気にするな。
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Before:5min
俺は夜の道を一人で歩いていた。理由は特に無い。散歩のついでにコンビニに寄っていこうかと思っただけである。
コンビニは家を出て10分位の所にある。駅は家から近いのだがコンビニは結構遠いのだ。
1人で暗い夜道を黙々と歩いていく。
この時俺は楽観視していた。己の不幸さを忘れたことは無かったが、夜ということもあってなにも起こらないだろうと思った。
夜の方が危ないだろって?トラックが少ないじゃないか!
そんな俺に警告する様に地響きがなる。
このとき引き返していたら未来は違っていただろうか。
いや変わらないだろう。だって俺とてつもなく不幸だったし。
いきなり地面が揺れる。非常事態には慣れていたので転ばなかったが。
警戒して気配を探る。だが無駄である。だって今回は未知なファンタジー現象なのだから。そして地下から突如出現するなにか。
何が地面から出現したかって?下から生えてきたのだよ、塔が。塔が!
ね?意味不明でしょ?
まるでエレベーターに乗っているかのようにどんどん上に登っていく。
俺はすぐに冷静になり一応ポケットに入れてきた小型サバイバルナイフを取り出す。
何事も準備して置くのが一流なのだ!
だが少し取り乱し帽子を落としてしまった……結構気に入ってたのに残念だ。
まぁそれはいいとして───
何故取り出したか?なぜなら俺は似たようなシチュエーションを知っているのだ。
ラノベのローファンタジーの『現実にダンジョンが出てくるとか理不尽すぎん!!?』という作品だ。
きっとステータスなどもあるのだろう。とすると魔物がいるかも知れない。
そう。この魔物が問題なのだ。知性はなくただ暴れ、生物を襲う化け物。
まあまだいると確定していないのだが。
だが、この状況はあまりにも異常だ。
ファンタジー程ではなくとも、非日常的な何かが現れてくれるのではと想像し、少し少年心が刺激される。
まぁそういう化け物とかが、いたら居たで困るのだが。
てか地震ながいな───
《ワールドアナウンス:[惑星名:地球]のLvが最大値に達しましたこれより進化を開始します》
《ワールドアナウンス:完了しました》
《ワールドアナウンス:全生物にステータスを付与……完了しました》
《ワールドアナウンス:ステータスボードにランキングシステムを追加……完了しました》
その瞬間大きく世界がさらに大きく揺れる。どこからともなく塔や洞窟が出現する。かろうじて見える東京駅は漫画で見た迷宮の入り口のようなものになっている。と頭では冷静に状況の確認を行っているが心は
(は!?え?マジでなに!?怖いんだけど!!)
とめちゃくちゃ動揺している。
ふぅ、すぅ。落ち着け俺。ステイクールだ。
よし整理しよう。
1.地球は進化した!!!
2.ダンジョンが現れた!!!
3.ステータスが追加された!!!
4.ランキングシステムが追加された!!!
フムフム、マジで意味分からん。
まあ最後のはまだ分からないから置いといて、1はまぁすべての原因だよね。何で進化したのかは知らないけど。
2と3は1によって引き起こされて……進化するとステータスとダンジョンができるのか?ボクにはチョットワカラナイネ。
まぁ進化したのはいいとして(よくない)俺が立っている塔はダンジョンなのか?それろも別の………………うーん分からん☆
こういうのは考えるのは無駄って相場が決まっているからね。
じゃあ周りの確認だね。ただの部屋みたい。
最初は外が見えたのにいつの間にか部屋になってたよ。
安全っぽいからいいけども。他は扉があるね。
そして机と何冊かの本
あとは……下に剣みたいなものが転がってる。一応拾っとくかっっ!!??
剣に触った瞬間消えた!?あぁわかった。アイテムボックスみたいなのがあるんだろ。これはステータス見なきゃだめな案件だな。
とにかく一応ここら辺は安全っぽいかな?何も無いしね。
ただ食料はどうするかな。
食べるものないんだよね。
願ったら出てきたりとか…しないね。
いきなり塔の上にいて食料も情報も何もかも不足していると…
今までも不幸だったけど
「だけどこれはないんじゃないかなぁ」
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これが5分前から現在に至るまでの出来事である。
いやー夢じゃないよね。つねったら痛いし。
しかもさっき変なの踏み潰したんだよ。
扉をちょっと開けたところにいたジェルみたいでプルプルプニプニのやつ。
真ん中のアメみたいなの割ったら消えたのだ。
金色だったのが気がかりだが。
おそらくあれはラノベ定番のスライムであろう。
もしかしたらアメみたいなのは核だったのかも。
スライムは魔物だよね。うん。潰したときに女の人の声が聞こえたけど気にしない。
«経験値を獲得しました»
«Lv1→Lv10にレベルアップしました»
«スキル【先駆者】を獲得しました»
«スキルポイントを100p獲得しました»
とか言ってた。重要なことだよね。間違いなく。
「うーん、ステータス見るかぁ」
あっ!マズイ!!
明らかに独り言が多くなってる!これはまさか、ラノベ主人公達が多く発症するという独り言症候群か!?!!?
という茶番と現実逃避は置いといてステータスを確認しよう。
「開け我が神紋、全てを記す叡智の結晶よ!我に応じ化現せよ、ステータスオーープン!!」
………中二病のなり損ないスタイルでは無理か。ダサいって?それしか思いつかなかったんだよ!
さて気を取り直して───
「ステータス」
───………!?開かないの!?これでいけると思ったんだけど。
あっ!
閃いた。
もしやファンタジーの定番で超王道な鑑定様みたいなのがいるのか?
いや、居るだろ。居なかったらクソゲー以外の何物でもないし
待てよ、さっきスキルポイントを獲得しましたっていてただろ、もしかして鑑定取れるんちゃうか?
「鑑定を取得します!」
«100pを消費してスキル【鑑定】を取得しました»
主人公以外はシリアスです。たぶんね。