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いつの日か君の隣で  作者: 要
交錯する想い
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   幕間 〜 佐々木優愛

 海沿いの道は気持ちがいい。

 お気に入りの白いフレームのマウンテンバイクで颯爽と風を切り、学校への道のりを進む。

 朝が好き。

 晃や勇斗には「朝からうるさい」って言われるけど、辛気臭い顔をしているよりもずっと良いと思う。

 幼馴染のふたりの顔を思い浮かべて、私はひとり微笑んだ。

 小さい頃から色々な悪戯をして大人たちを困らせた。傍から見たら『悪友』という言葉が当てはまるのだろう。

 それでも私達はそれなりにまっすぐ育ってきた。

 これからもきっと、私達の関係は変わらず続いていくのだろう。

 春特有の強い風が海側から吹き抜けて、丘を駆け上がっていった。

 丘の上には晃の家がある。

 今日もアイツは高校生にして主婦をしていることだろう。私にはとても真似できない。同じ高校生として、本当に尊敬する。

 本人には恥ずかしくて、とてもじゃないけど言えないけどね。

 テトラポットにぶつかった波が、飛沫を上げて弾けた。細かい飛沫が風に乗り、顔にかかった。

「たまには夕飯でも作ってやろうか。」

 私はひとり呟いて、丘に向かう坂道の手前で自転車を降りた。

 もう少しすれば、晃が自転車でこの坂を降りてくる時間だ。別に時間を合わせているわけではないが、お互い遅刻ギリギリに登校するので、一緒になることが多い。

 ついでに言うと、もう少し遅い時間であれば自転車を鬼こぎずる勇斗の姿を見ることができるだろう。

 今日は・・・いないか。

 そうだ。昨日みたいに瑞希ちゃんと歩きで登校しているって事もあり得るんだった。

 もう行こう。

 別に待ち合わせをしている訳じゃないし。

 そう思ってペダルに足をかけた時、坂の上から自転車の走る音が聞こえてきた。

 この独特な少し擦れているような音は、晃の自転車の音だ。

 私は坂の上に視線を送る。

「ちょっと、怖いって。もっとゆっくり走って。」

「大丈夫だよ。急がないと遅刻しちゃうし。」

 瑞希・・・ちゃん?

 晃の自転車の後ろにいるのは、ハブステップに乗った先日隣に引っ越してきた女の子だ。

「危ないってば、もっとゆっくり!」

 ふたりは私になんか気づかずに、目の前を通過していった。

 後には不自然なほどの静けさと、なんとも言えないやり切れない気持ちだけが残った。


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