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2話 ハッスル! ハッスル!


 オッス! オラ、ゴブリン。5才! 個体名は無い。

 ハッスル! ハッスル!


 そんな事が頭の中に流れてくる。コイツはヤル事しか頭にない。


 ダメだ…


 コイツでいると頭の中… いや、魂がゴブリンと融合して行きそうで怖くなる。


 こんなおバカな奴が俺だなんて… 最悪な気分だ。


 早くこんな身体から出なければ…


 でも、どうせこの身体から離脱するならば…


 俺は、このゴブリンが持っていた短剣を握る。その姿に、俺の股の下にいた女子生徒は悲鳴を上げ震え、助けを呼ぶ。


 他のゴブ達はその声を聞いて、キャッキャッと喜びの鳴き声を上げながら涎を垂らし、女子生徒に釘付けだ。


 俺は短剣をサッと振りかぶる。

 

 おぉ〜 身体が軽い。この身体は短剣の扱い方が解っているのが理解でた。

 恐らくだが、このゴブは短剣術の才能があり、何度も何度も使ってきたのであろう。


 当然だが、俺が振った短剣は女子生徒には向かわず、隣りにいたゴブの首筋を切り裂いた。


 へぇ〜、ゴブの血も赤いんだ…


 それが俺の感想。この身体に入っていると人間らしい感情が薄くなっていくようだ。

 早く出よう。


 でも、その前に、ここにいるゴブ達くらいは殺っておくかな…

 サッサッと短剣を振るっていき、数匹のゴブを狩っていく。皆、驚きの表情で俺を見ている。

 ゴブの表情とか分かる自分が気持ち悪い…


 数匹のゴブを倒している間に、女子生徒には逃げてほしかったのに彼女はポカーンとして動かない…


 まあ、傍から見れば、ゴブ達が仲間割れを起こした様に見えるのだろう。

 だけど、早く動いてくれないと…


「ハヤク、ニゲロ」


 凄いしゃがれ声で話せた。

 女子生徒はハイハイをする様な姿勢で逃げて行く。


 これで、任務完了! いや、実験完了!


 そう思い、このゴブの身体から俺は出た。その瞬間、そのゴブに向かって火球が飛んで来て、俺という魂の核、というか意識が抜けたばかりだからか、ボォーとしているゴブに当たって燃え上がった。


 ゴロゴロと転がり悲鳴上げながらしばらくして絶命したようだ。


 人玉になった俺は、火球が飛んで来た方向を見ると、他のゴブ達とは明らかに違う格好をしたゴブがいた。

 なんというか、シャーマンゴブリンといった所かな?


 空中に指先から光る物質で、魔法陣みたいな物を描き、そこへ何かが注入されて、火球が生まれ生徒の方角へと飛んで行く。


 あー、あれって魔法だよな…


 本当に異世界ってか…


 圧倒的不利な立場に追い込まれた学生達。

 魔法ってば、理不尽でしょ!


 どんどんと逃げ腰になっていく学生達。


 まあ、そんなモノ知った事ないんだけど、そこら辺に転がっている俺の本体に、あんな火球が当たったら俺燃えるよね?

 そしたら俺どうするよ!


 これは、感覚的なもので上手く説明できないのだが、人玉で長い間いるとヤバい。

 直感で分かるとしか言えないのだが…


 誰かの身体に入っていないと、消える。そんな確信がある。不思議な感覚だ。




 別に誰が燃えてもいいが、俺の身体が燃えるのは勘弁して欲しい。

 だから、これからする事は完全に俺の自己満だろう。


 俺はふわふわと、シャーマンゴブリンに近づいて行き、思い切ってシャーマンゴブリンの身体の中へと飛び込む。

 

 うわっ!? なんだ? この抵抗感! さっきのゴブとは違い、抵抗されて追い出されそうになるが、何とか踏みとどまっていると段々と俺は、シャーマンゴブリンに染まっていき、憑依完成!


 なんとか憑依できたけど、これ以上理性の強い生物には憑依できる自信がない。

 恐らく人間とかには憑依するのは難しいと思うが、後で瑛太とかで実験してみるか。

 

 とりあえず、今は、俺の身体の保護を前提に、この戦況を好転にさせる、楽しい魔法の実験を始めようか。


 魔法実験実証1、 シャーマンゴブリンの記憶を探る。


 どうやら、魔法とは魔力で描いた魔法陣を発動させる事によって事象を起こす技術。と、いうのがこのシャーマンゴブリンの認識。


 魔法実験考察1、 なるほど、なるほど、魔法陣とは世界を変える事象を起こす方程式に似た設計図に近いかも。


 ここには、魔力量を描き。 こっちは、何の属性かを記入する。


 色々な事柄を描いていき、魔法陣を完成させ、魔力をそこに流していく。

 身体の中にある魔力を感じる事が出来る才能を持った個体が、このシャーマンゴブリンなのであろう。


 たぶん、人玉になった時に見えるポワポワした綺麗な物は、この世界に溢れる魔力だったのかな。


 この世界は美しい。


 俺は、正直者だから2度言おう!


 この世界は美しい。


 なんと、実験のしがいがある世界か。


 魔法実験実証2、 さあ、燃えろ! 世界の理を変換して!


【ファイアーボール】


 その言葉と共に、火球がゴブ達へと向かっていく。


 俺は砲台となり、次々にゴブ達を焼き殺していき、気づくと残りのゴブ達は、散り散りに逃亡していた。


 残ったのは俺… シャーマンゴブリンだけ。


 皆の視線がまた痛い。俺が1歩近づくと、皆1歩下がる。

 当然だよな… 俺ってゴブだもんな…


 さて、どうしたものか、これ以上の視線に耐えられそうにはないので、うん、とりあえず死んでおくか。


 俺は自分の身体に向かって歩いていく。途中で何処かのゴブが落とした短剣を拾い、転がっている自分の身体の傍らに置いたら、シャーマンゴブリンの身体から飛び抜ける。


 どうやら憑依を止めて出ていくと、その個体はしばらく呆けているらしい。

 その間に、俺は自分の身体に戻り、伸びをして身体をほぐす。


 まだ呆けているシャーマンゴブリンを前にして、のんびり伸びをしている俺に瑛太から呼び声が聞こえた。


「おーい、空!」


「うん?」


「目が覚めたか! 全く… 寝坊助だな…」


「あぁ、おはよ? とりあえず実験完了だ!」


 俺はそう言いながら、短剣を拾い、シャーマンゴブリンの喉仏を裂いた…


 血が吹き出るのをただ見ていると、ドサッとシャーマンゴブリンが大地へと突っ伏し動かなくなる。




 俺は手に持つ短剣をクルクルっと回転させ、持ち替え、シャーマンゴブリンの胸の辺りを切り裂き、短剣の先で心臓に張り付いていた石をポイっと取り出し手に取る。


 綺麗な薄紫色のその石は、シャーマンゴブリンの記憶だと魔石と言うらしい。

 どうやら魔物は魔石を食べると強くなるのだという。


 人間が食べたらどうなるんだろ?

 瑛太に食わすかな?


 あれ? 俺って… 短剣なんて扱った事なんてないんですけど…

 あぁ、最初に憑依したゴブが短剣の扱い方が上手かったな…

 憑依した相手の才能をトレースできたって事だろうか?


 そうだとしたら、この人玉になる技術?才能?スキル?呼び方は分からないが、使えるかもな…


 短剣を使える様になったって事は…

 魔法もいけるかも??


 自分の身体の中に何か、血液でも臓器でも無いものがある。

 不思議だな。少し前まではこのまるで命の輝きの様なエネルギーが自分の中にあったのなんて分からなかったのに。

 少しづつ魔力を身体に廻らしていく。

 シャーマンゴブリンのお陰で、魔力を感じ操作出来るようになってしまった。

 【ファイアーボール】撃てたりして…


 そんな事を考えながら、俺は倒れているゴブ達の胸を捌き、魔石をどんどん取り出していた。


「な、何やってるんだ? おまえ?」


 恐る恐る、瑛太が可哀想な奴を見る目で、俺に聞いてくる。他の生徒も同じ目だな。


 うん、そうだよね… どう見ても俺、サイコパス!


 でもね、このゴブの中にある魔石って売れるんじゃね?定番っしょ?

 この説明… できるだろうか…


「狩ったら、採取… 命大切… お金大事…」


「何故カタコト? 何人ですか? おまえは…」


「ああ! なるほどね! その取っている石が… えっと… ゲームとかにある魔石で、後で売れるかもしれないって事?」


 瑛太と話していたら、急に冴恵先輩が話しかけてきた。


「・・・」


 コク、コク、


 無言で頷く俺… これが俺のコミュニケーション能力の上限だった。それを認識できただけでも進歩だよ。


「それなら… 私も手伝おう!」


 元気に採取作業の手伝いを申し出る天使な冴恵先輩に、他の連中が止めに入ってくれた。

 まあ、俺も隣りに冴恵先輩がいて血まみれで作業とか、何か目覚めちゃいそうで怖かったし止めてくれてOKだ。


「何やってるの! 冴恵! 汚いって… 病気とかになるかもよ!? とりあえずこの子に任せよ!」


「えっ… でも…」


 3年の人達に引きずられて行く冴恵先輩。

 うん、あの人になら後でお金を貸してあげてもいいかもな…

 次点で瑛太にも貸してやろうか。


 俺の短剣術がなかなかに良い仕事をしてくれ、約70体分の魔石と腰布に括られていた袋に入っていた、この世界の硬貨と見られるお金をゲットできた。


 合計、銀貨と見られる物が25枚、銅貨と見られる物が87枚、意外とゴブ達って金持ち?


 このお金が日本円換算で幾らになるのか、楽しみだ!

 それにしても、誰一人採取を行った者がいなかった… これからどうするつもりなのだろうか? この人達。


 ここが異世界と前提に行動するならば、コイツらと一緒に行動をするのはヤバいかもな…


 俺は先程、憑依したシャーマンゴブリンの記憶を思い出す。


 指先に魔力を集め、空中に魔法陣を描いていく。


 楽しい実験の時間だよ!


 魔法実験考察3、身体の中にある魔力を操作し、シャーマンゴブリンと同じ魔法陣を描ければ、同等の魔法を発動させる事ができるのではないか?


 魔法実験実証3、 どんどんと魔力が魔法陣へと流れ込みこれ以上は注入できないのが解った。


 さあ、出来るかな?


 【クリエイト・ウォーター】


 これは最低ランクの生活魔法と言われる物だと、シャーマンゴブリンの記憶が教えてくれる。

 彼が扱える魔法は、【ファイアーボール】と【クリエイト・ウォーター】の2つだけ。


 それにしても、地球から来た科学を知っている身だからだろうか…

 この魔法陣は無駄が満載の気がするな…


 H2O()を作るのに、ぶっちゃけ色々やり過ぎ…

 魔力を水素と酸素に変換させるだけじゃダメなの?

 少し水銀入れたりしてたら、逆に身体に悪そうだし魔力コスト悪いだろ…


 うーん… 分からない… もしかしたら、この世界の水の定義はこういう物なのかもしれんしね。


 でも… うーん、気に入らない!

 ここを、ちょちょいっと変えて、あっちも描き変えてと、【クリエイト・ウォーター】


 純粋な水素2つの酸素1つのH2Oの完成だ。

 混じりっけ無しだから、淡白な味かな?


 コブの血で汚れた手を洗い、喉を潤す。


 魔法実験考察4、 あれ? 魔力を水素と酸素に変換させるより、大気中の水素と酸素を集めるだけでH2Oになるのでは?


 魔法実験実証4、 魔法陣を魔力変換から集積に変えれたと思う。

 水素と酸素が集まり、勝手に水が空中からチョロチョロと垂れてきた。


 魔法実験確証4、 ただ水素分子と酸素分子を集めただけなので、【クリエイト・ウォーター】の魔力量は従来型の1/10にはなったと思うが、環境に依存している可能性がある。

 例えば砂漠でこの進化型【クリエイト・ウォーター】を使ったら十分な水量を確保出来るかは要実験。


 ふぅ〜、と、実験が終わり、手を洗い終えた俺は、我に返ると、また周りからの視線だ。

 今日は一々、他人に見つめられる日だ…


「で、空!」


「うん?」


「おまえは… いつから魔法使いになったんだ? 30才まで純潔を守った者だけがなれる職業だったと思うが?」


「なるほど、なるほど、我が友、瑛太よ… 確かに、俺はこのままいけば、30才になるまでに彼女を作れる可能性は… 少ない… くぅ、自分で言うとHPがこんなに削られるとは…」


 泣き崩れる俺に、何故か周りの視線が少し優しくなった気がする?

 いや、ただ単に引かれてるのかな…


「まあ、まあ、君たち、少し話しをしようじゃないか?」


 いきなり話しかけてきた人物は、ここまで全くというほど目立った行動をしてこなかった我が高校の生徒会長、名前は… 成田(なりた)清正(きよまさ)だったかな?


「話しもいいですけど… 場所、移動しませんか? できれば、ここより風上に…」


「あぁー、なるほど、そうだね! すぐ移動しよう」


 この生徒会長… 頭の回転が早い人そうだ。

 今、この場所は戦場とまでは言わないが、戦いの跡が凄惨なまでに残っている。


 ここが異世界ではなくても、こんな森林と平原にいたら、臭いで獣が寄ってくるはずだ。

 獣ならまだしも、またゴブリンみたいな魔物系が来たらしんどい…


 俺と、瑛太、成田生徒会長、そして近くに冴恵先輩が歩いている。


 まあ、他の人達もこちらを気にしていそうだけどね… 歩きながら生徒会長が話し始めた。


「いや〜、それにしても、君たちはいいね! ちゃんと出来てる!」


「何が出来ているんすか?」


 俺が出来た事なんて… あっ! 魔法使えるようになったな。

 異世界転移、出来てる?


「さっきの魔法はどうやったんだい? 僕でも使えると思うかい?」


 生徒会長の言葉に、少し考え答える。


「たぶん使えますよ…」


 俺は、今まで行っていた魔法実験の内容を、特に隠し事をせずに話した。




 場所を移動しながら、生徒会長達は魔法を使おうと、あれこれ奮戦している。


 客観的に見ていると、なんと滑稽な奴らなのか。

 俺もこんな風に見えていたのかな? 今度からは気をつけよう…


「そっか… うーん、歩きながらだからかな? 僕には魔力を感じられないな…」


 生徒会長が根を上げる。


「私は身体の中に何かあるのは解るよ!」


 そう答えるのは、冴恵先輩。俺の話を聞きながら歩いて集中もままならないのに、自分で魔力に気づいていた。

 才能… ってやつなのかな?


 俺はシャーマンゴブリンのお陰でなんとか、魔力操作が出来るようになったというのに…


 この人は、鼻歌を歌いながらただ息をするように、感じて出来てしまっているのだ。


 凄い人だと思っていたけれど、結局、戦った場所から離れ拓けた所にくるまでに、魔力を感じる事が出来たのは、冴恵先輩だけであった。


 うーん、魔力って誰にでもあるものではないのかな?


「うん、要するに、君と冴恵は、この集団での主力になる可能性がある存在になる」


 うわぁ… なんか変な話しの流れになっていきそ…


「僕はね! 内申書を上げる為だけに、生徒会長になったんだ」


「「はい?」」


 聞いていた皆は、耳を疑う。


「いや、だから、僕は、特に学校を良くしようとか、皆を導こうとか考えていないってことさ」


 何とち狂ってるの? この人…


「ここって、99%異世界だろ? 内申書ってもう関係ないからね…」


「もしかしたら、地球に帰れる方法が見つかるかもしれませんよ?」


「そうだね もし、帰れる方法があったとして、それには技術も時間もお金も掛かると思わないかい?」


「まー、そうでしょうね… 出来たとしても数年で帰れるなんて楽観視はできないですよね…」


「ああ、僕も同意見だよ。だからさ! 君たちはいい!」


 周りで俺達の話しを聞いてる者達から文句を言う声がずっと聞こえているが、俺に言われても何も解決できる手段がないので、完全に無視を通そう。


「いいとか言われてもですね… えっと… 生徒会長は生徒会長をしないで、俺に何か利益をもたらしてくれる存在なんですか?」


 確かに頭の回転はいいし、不純な動機で生徒会長に当選できるほどの人物だ。

 まあ、今さっきの内申書の為、発言で人望はだだ下がりだろうけど。


「君に利益か… そうだな… まずは、街か村に辿り着けたら君の為に一肌脱ごうではないか!」


「・・・」


 この人… どうやって街だか村だかに入るつもりなんだろう?

 こんな魔物みたいな生物が彷徨いている世界だ、街や村で守ってもらえる為には、お金を払う必要があるはずだろう。


 入領税みたいな物か、住人税みたいな物がないと街を維持するのが大変だろうし、税が掛かる可能性大。


 もしかしたら、宗教関係の街があって神様のお陰で安全とか言って入領税を徴収されない場合もあるかも…

 いや… 宗教が金を取らないなんてありえるだろうか?

 変な宗教がある場所には行きたくないな…


 まあ、少し考えただけで、お金がかかるのは分かっているだろうけど…


 あっ、最悪は、人がいない世界だったら俺達は詰むな。

 まあ、でも、それは大丈夫だろう。

 あの魔法陣をみれば文明があるか、あった、が正解なはず!


 そう思うと、生徒会長の話しなど、耳に入ってこない…

 俺はその場に座り、


「瑛太!」


「なんだ? あっ、またか?」


「おう! よろしく頼んだ!」


 俺はそう言い残し、自分の身体を離脱した。


 人玉になった俺は、グングン高度を上げていく。


 地球では、身長170cmの人が普通に立って目で見える地平線までの距離は4〜5km。


 この世界の大きさは、地球と同じ大きさの星と仮定してみると… って、水平線が曲線になっているよ!


 ここが球体の世界の証拠かな。


 よかったよ、世界の端が滝になってるとかじゃなくて。

 とりあえず、見える高さが倍になったからといっても、地平線までの距離も倍になる訳ではない…


 計算は省くが、高度500m程の所まで上がると森林を背に右側の方向、約30数km行った所に城壁都市がポツンと見えた。


 人がいる事に一安心と、様々な違いからの紛争になる不安。 8:2で不安の勝ちだよな…


 安全に、生活基盤を築き上げる事を目標にしてみるかな…

 安全第一、命大事にだな。


 身体に戻った俺が、テクテク城壁都市の方向へと歩き始めると、何故か他の122人が後についてくるのさ… 


 何故さ? 何で俺が先導してるの?


「なぁ、時に瑛太さんよ…」


「なんだ? 友達見習いの空さんよ…」


「おう… 友から見習いにランクダウンしているのは気の所為かい?」


「なーに、ちょっとした嫉妬と羨望で、友情という名の階級を見直し中なのさ!」


「えっ!? 友情に階級なんてあったのか!? 初めて聞いたぞ… まっ、見習いなら上々だな」


「ちっ! 楽観主義者め! おまえ、俺がいなくなったら友達いなくなるんだから、ちゃんと魔法教えろよ!」


「なんかさ… 友達志望者が121人程ゾロゾロ着いてくるんだけど…」


「良いお友達が出来るのを祈ってるよ… むしり取られたり頑張ってね!」


 瑛太は爽やかなウインクをしている。むしり取られるの前提かよ…


「ところで、友達見習いよ、今はどこに向かっているんだ?」


「うん? どこって街… かな?」


 俺の街宣言に、周りで歓声が上がるのだった。


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