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16話 取り調べをしてみようか…


 現実逃避。

 素晴らしい響の言葉だ。 ハァ、逃げたい。


 まぁ、そんな事も言っていられないので、分かりそうな人に聞いてみよう。


 俺は【ストレージ】から、魔道具を取り出した。

 この世界では、これは手鏡だと思われるだろうな。 しかし、これはNO手鏡だ。


 まぁ、簡単に言うとスマホな。


 パッパと着信履歴から、狙いの人物に宛てて【テレパス】をかける。

 

 この魔道具は【テレパス】の可視化。


 テレビ電話だね。


 直ぐに、俺の師である、蒼炎の魔女メリス姉さんが、出てくれる。


「あっ、もしもし、メリス姉さん! 聞きたい事があるんだけどさ…」


『なんえ? ワッチが解る事かえ?』


「うーん、なんて言うかね…」


 とりあえず、俺は今起こっている出来事を話した。

 どうやら、俺達『スレイヤーズ』が狙われているらしいと。


『それなら、簡単え…』


「えっ!? マジ? どうすればいい?」


『燃やせばいいえ?』


「うん、そうなるよね… ありがとう… メリス姉さん…」


『困った事があったら、何でも言うえ? 今晩の御飯は、ハンバーグがいいえ?』


「りょ!」


 うん、俺って、メリス姉さんの料理番?弟子のはずなんだけどな…

 おかしいな… 燃やせだって… 


「ソラくんの師匠さんって、凄いね! 燃やせだって!『レア』、『ミディアム』、『ウェルダン』どれにしようか!?」


 嬉しそうな冴恵先輩。もしかしたら、メリス姉さんと同種な人かもね?


 そんな話しをするから、縄でグルグル巻きの山賊御一行さん達、震え上がっちゃってるじゃん?

 特に、日本人の男子生徒。


「俺達、同じ学校の生徒同士、友達だろ? 見逃してくれよ? そうだ! お前らも仲間になろうぜ!」


 小山田くん?が話しかけてきた。

 今度はギリギリ分かった。


 冴恵先輩の振るう刃が…


 魔剣と魔剣のぶつかる音は、リアルな殺気が込められていて、小山田くんは、少し漏らしてる。


 【アクセル】を自分にかけておいてよかったよ…


 それにしても、【アクセル】を使っても、冴恵先輩の剣はギリギリ見えるかどうか…


 今回は、マグレに近いだろう。


「えっと… お、なんとかくん? 君はもう喋らないでね?」


「もう… なーんで? ソラくん? このゴブの仲間になるとかキモ過ぎて…」


「そうだね… 凄い分かる、分かる、だが、少し黙って大人しくしててね?」


 冴恵先輩には、『ポチ』と遊んでもらう事にして、色々と【トゥルー・ワード】を使って、必要な情報を聞き出す。


 先ず、『マーダー・インク』の内通者が、冒険者ギルド、商業ギルド、両ギルドにどれほどいるか? 誰なのか?


 それを聞いても、俺が知っている人はいなかったので、ホッとした。


「瑛太ー!」


「どうした? 我が友?」


「ハロリスを使って『蒼銀の砦』と渡りをつけてくれないかな?」


「おう、なるほどね、いいぞ!」


 瑛太の相棒、鷹のハロリスの足に手紙を巻き付けて飛ばす。

 お利口さんだから、ロダンとかを見つけてくれたら、その手紙を渡してくれるだろうな。




 俺達は、山賊のアジトでのんびりしている。

 お宝でも無いものかと、家探ししたのだがね…


 コイツらぜんぜん金持ってないのさ!


 それでも山賊の端くれか? 恥を知れ!


「なぁ、おまえらさ… 山賊、向いてないんじゃないか?」


 俺の零す言葉に、知らん男子生徒が話す。小山田くんは必死に喋らないようにしてるね。

 偉い、偉い、


「俺達だって向いているなんて、思ってないよ… 気付いたら、もう抜けられなくなっちゃっててさ…」


「そうなんだ… ご愁傷様」


「お前は、いいよな… チート持ちでよ…」


 うん? お前って、俺の事かい? チート?


「ハァ、まだ、そんな事言う奴がいるんだ… この世界にチートはないよ?」


「何言ってるんだよ!? お前らがチートを持ってて、俺らが持ってないから… 今、こうなってるんだろう?」


 あー、なるほどね、そうやって現実逃避したくなるよね。


 俺もさっきまでそうだったから、人の事言えないけど、コイツら… やっぱり好きになれないな…

 そんな事思っていると瑛太が庇ってくれる。


「ソラの事が、チートに見えるのか? 目が悪いか、頭が悪いか、性格が悪いか、運が悪いか…」


「恐らくは、その全部でしょうね… 僕はね、皆と一緒で、最初は魔力なんて感じられなかったしね、でも、今は【ヒール】を使える」


 性徒会長の言葉に、男子生徒Bが反論する。


「ほら、それがチートじゃんかよ…?」


「この世界に【ヒール】を使える人間が何人いると思っているのかい? その人達みんなチート?」


「そうだよ! ソラくんが、キミたちゴブと違う所なんて、頑張り屋で、頭が良くて、顔が人間っぽい所くらいしか変わらないよ!!」


 冴恵先輩が、俺を褒めてくれた!

 うん? 褒めてくれているよね?


「才能のある奴は、いつも俺達みたいなのを努力していないとか言うだろ?」


 うん? 誰かコイツらに努力不足とか誰か言ったっけ?


「うーん、もういいや、キミたち、犯罪奴隷落ち決定ね!」


 いきなりの、俺の犯罪奴隷落ち宣言に、皆一斉に反抗してくるが、何を言ってもグルグル巻きなので怖くない。




 わぁわぁ騒がしい、山賊アジトに『蒼銀の砦』の皆さんが、来てくれた。


「おう! 先輩様が来てやったぞ! 1日に2回も、おまえの顔を見なきゃならんなんて、今日は厄日だな… 俺は当分おまえの顔は見たくなかったんだがな? ソラ?」


「うん! うん! 来てやったぞーー!!」


 デポンは元気でよろしい。ス短剣は、デポンの物になったらしく、あれから会うのは久しぶりだが、とても嬉しそうに扱ってもらえるのは、製作者としても嬉しい。


 ロダンに至っては、なんだかんだ、呼べば来てくれる、面倒見のいい奴だ。




 これまでの経緯を、なるべく詳しく話す。


「なるほどな… 『マーダー・インク』か… おまえら、まともに依頼もこなせねぇのかよ?」


「いやいや、俺ってまだ見習いの初依頼だからな?」


 『蒼銀の砦』の皆さんからも、ジト目で見られる。

 不服なり。


「この洞窟が何回、山賊のアジトになってるか知ってか?」


 ロダンの言葉に首を傾げる。


「俺の知ってる限りじゃ、10回以上だな!」


「マジか!?」


 驚きの事実、何? 山賊って、みんな同じ思考回路とかで、同じアジトに辿り着くのか?


「要するに、ここにアジトがあるって知ってるんだよ、いや、面倒臭いから、いつも同じアジトにしているんだろうな」


 はぁ? めんどいから、いつも同じアジトにしてる?


「・・・」


「あっ、山賊を派遣しているのか? おまえら?」


 俺は『マーダー・インク』一味の、ここでは1番態度でかい男に聞く。


「あー、そうゆうこった、俺達が嵌めた奴らをここに送って、山賊させてシノギをもらっていくって寸法だ! ルーキーのバカな冒険者ほど、すぐに騙されるのさ!」 


 なるほどね… 『マーダー・インク』恐らく、意味は殺人派遣会社とかな感じかな?


 派遣なら、ちゃんとした奴らを派遣すればいいのにな… って、ちゃんとしてない奴だから派遣されるのか。


 そんな奴らに目を付けられた、俺達『スレイヤーズ』名前からして、『マーダー・インク』の子会社っぽいな…


 本当に、子会社っぽい事させる為に、俺達を狙っているのかもね。


「まー、俺達もな… あの『マーダー・インク』とは、何回もやり合ってるんだがな… ヤバくなると、すぐトップが代わるんだよ… そして、また1から捜査し直しってなる」


 ロダンは悔しそうに、言う。

 ちゃんとしているな… トップまで派遣って、上の上に、辿り着くのってほぼ無理?


 城壁都市パルマ支部の雇われ店長をいくら追い詰めた所で、全くもって『マーダー・インク』には効果がないって事だね。


 裏社会の人達って怖いな。


「それで、俺達はどうすればいいかな?」


 もう、分からない物は、素直に、先達に聞くのが1番。


「そうだな… 今回はおまえら『スレイヤーズ』がいるからな… いけるか!?」


 ロダンは少しだけ考えながら、これからの事を教えてくれた。


 この一味だった男が【トゥルー・ワード】で話した、『マーダー・インク』がこの街で作り上げた、内通者を一網打尽作戦。


 それは、それは、随分と冒険者の中にも内通者がいるっぽい。


 結構ショックを受けている『蒼銀の砦』の面々。


 賭け事や、女、金貸し、恐喝、賄賂、あらゆる手を使い、使えそうな者達を、内通者に仕立てあげていく。

 

 そして、その内通者からの情報を使い、儲ける。

 危なくなったら、すぐ切り捨て、新しい者達を派遣する。


 上手くできてる、ちゃんとした組織。


 ただの高校生だった、見習い冒険者には手が余りに余りすぎる。


「おい、ソラ!」


「うん?」


「『マーダー・インク』から、情報を取ってこい! なるべく多く有益な情報をだ!」


「いやー、そうしたいのやまやまなんだけどさ… 俺ら今、山賊討伐依頼中!」


「おまえらの依頼って、そいつ等ポイして終わりの依頼なのか? そう思うなら強制はしねぇけどな」 


 嫌な言い方するな… 

 今まで、煮え湯を飲まされ続けてきたんだろうね。


 PTメンバーの顔を見渡すと、みんな結構ヤル気満々なんだよね?

 この3〜4ヶ月で、立派にこの世界に適応出来たようだね。


 俺が勝手に立てたこの世界での目標、安全第一、生活環境を整え、強くなり、地球への帰還方法の探求。


 先ず、コイツらを放置すると、安全第一が崩れる。


 脅されたりしていたら、生活環境も崩れる。


 手下にされ、変な依頼、命令を受けさせられたら、強くなれない。


 俺達『スレイヤーズ』を欲する理由が、ただ使えそうなルーキーだからならいいが、もし、この異世界転移に関わったorその情報を持っている可能性。

 それがあるとしたら、情報を得る事、それ俺達の為!


「OK… かな? 俺達が『マーダー・インク』の情報、集めようか… あー、そう言えばさ、冒険者見習い寮にいる子達を、どこか安全な所に移せないかな?」


「それは、止めておいた方がいいな… 奴らが警戒するだろ? おまえの女でもいるのか?」


「いや、全く、ほぼ喋った事もないし関わりないかな?」


「それなら、ほっとけよ? おまえ、そんなに命を背負い込める程、強えのか?」


「いや、ロダンと引き分けられる力しかないから… 弱いな… 俺…」


「おい! 俺と引き分けってすげーからな!? 俺、特級冒険者な!? そういや、おまえすげー魔法使えるだろ? 燃やしちゃえば?」


 おまえもか? 燃やせ、燃やせ、どんだけ放火魔よ?


 あー、でも、うん、悪くないかもね。

 悪い事、思いついちゃったよ。

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