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君と私と竜と白と黒  作者: 雨月 そら
竜の嘆き
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救出4

 ニフリートの手の甲が光り、両手には青く光るナイフが握られ舞う様にハイリゲに斬り掛かる。ハイリゲは斬撃の影響で動きが鈍く立ち上がったばかりでふらふらしてやっと避けれているが、ニフリートは遠慮などせずにそのまま喉元へ。


 「爆破(エクリクシス)!」


 ナイフに光り輝く水が纏い、クロスして振り下ろすとその水が破裂して大量の粒子が物凄い勢いで斜めに降り注いでギロチンの刃の様にハイリゲに襲い掛かる。

 ハイリゲはチッと舌打ちして、咄嗟に両腕を上げ前腕でその刃を受ける。途中まで食い込むがハイリゲが力を込めるとその刃はパキンと割れて散り散りになり、そこから大量の黒い血が流れるとガクンと片膝を地面に付いて両腕も支えられずにだらんと垂れた。

 それでも顔を上げ憎々しげにニフリートを睨み付けるハイリゲは狂った様に吼え、目が血の様に真っ赤に染まり身体中から黒いモヤが吹き出て太い鋼の様な弦になってニフリートを襲う。

 ニフリートは素早く後方に跳ねる様に飛び退きながら、両手のナイフで軽やかに舞う様に弦を弾いていく。隙をみてナイフの両柄尻をくっ付け一本の両刃に変形させ、ハイリゲの心臓目掛け目一杯の力で投げ付ければ、飛んでくる鋼を真っ二つに割いて、勢いはそのままにハイリゲの心臓へ命中する。

 ニフリートはナイフと一緒に勢いを付けて飛び出して、両腕を顔の前でクロスし庇いながら距離を詰める。命中したナイフの柄を掴むと深く更に刺してから、L字に折って取り上げるとくるっと持ち手を切り替る。


 「強化(ブースト)!!」


 刃が青く光り輝いて、片手を添えて押し出す様に横一線にハイリゲの首に斬り付ける。

 青い一光線が綺麗に引かれ、ハイリゲの首を深く切り裂くが首を切り落とすまでには至らない。


 「...クソがぁぁ!!俺は、全て失って、全て捧げたんだ!!」


 「知ったことじゃないわよ」


 その場でくるっと軽快に力強く回たニフリートは、更にグッと力を入れて綺麗に回し蹴りを決めた。

 あっけなく、ハイリゲの頭部は吹っ飛ぶ。


 「あんたがどうとか、興味ないのよ...私は、私の大切な人を守れればそれでいいの」


 ハイリゲの身体が砂山の様に崩れ落ちて行くのを見つめながら、そう冷たく言い放ったニフリートだが、どことなく哀れんだ目を向けていた。

 ハイリゲが跡形もなく消えるのはあっという間でそれを眺めていたニフリートは、急にパンっと手を叩いてくるっと回ると黑の方へ向く。

 ハイリゲが蘇らせた黒いテナークスはハイリゲが消滅すれば一緒に消え、黑とゲミュートと心だけがそこに立っていた。


 「お疲れ様、ニフリート。次は、ヴァンを助けに行こう」


 「ちょっと...人遣い荒いわねぇ...なんで私の周りはこんななのかしら...はぁ」


 ニフリートはため息を吐きながら、テクテク歩いてアテネに近づくと、手を差し伸べる。


 「アテネねぇ様、いつまでも寝っ転がってないで行くわよ」


 「怪我人に、その態度はどうかと思うが?」


 アテネが手を取りながらあっさり立ち上がるのを、じーっとニフリートは見ている。


 「...うん、全然大丈夫そうね。さー、黑、次行って頂戴!」


 黑は二者(ふたり)の気取らないやり取りを微笑ましく見つめながら小さく頷くと、掌を地面に付ける。手が光り出すと、地面にはウロボロスの絵柄が光り描かれて、次の瞬間此処にいる全員を眩い光りが包み込んで消えた。

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