表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と私と竜と白と黒  作者: 雨月 そら
竜の嘆き
89/102

水の竜の追憶1

 ウンディーにとって、スクルドは優しい母の様な存在で、生まれたその時から尊敬してやまなかった。

 ある種の刷り込み効果が、他の四大精霊(エレメンタル)よりも強く現れたのかもしれない。

 それは時を重ねていけば行くほどに、会えない時間が多くなればなる程に恋しくて、ある種の恋愛感情にも似た感じでもあった。

 だから成長していく過程で、ウンディーネはスクルドに似た様な外見になっていった。

 スクルドに会えない日々は、スクルドを想像し、スクルドが自分達が種の状態であった時に語った事を思い出しては反芻していた。

 ただその事を、他の四大精霊(エレメンタル)には知られない様に隠して、他の四大精霊(エレメンタル)と一緒にいる時はスクルドの事をできるだけ考えない様に努めていた。


 ピリアを見つけた時も、ピリアよりもスクルドの実の子であるスルトに会えた事の方が嬉しかったし、何よりも、スクルドにより近いシンモラに興味を持った。

 他の四大精霊(エレメンタル)はいつしか白龍(パイロン)に夢中になったのに、自分だけはシンモラが気になって仕方なかった。その違いに、ウンディーネは悪い事ではないのに、皆と違うのがなんだか怖くてその気持ちを隠した。


 その想いを抱えながら長い時を経て、スクルドが急に姿を現した。誕生したあの時からずっと会っておらず、念願叶っての再会となってウンディーネは歓喜に震えた。

 そしてスクルドから直々にピリアへ行く事を言い渡されたのだと使命感を燃やし、降り立った。


 (ドラゴン)と契約して真っ先に、誰よりも先にシンモラに会いにいった。シンモラはスクルドの結界の中で側まで近寄れなかったが、清らかで小さな星が幾つも煌めいている様な美しく澄んだブルーの円形の水の中で穏やかに眠っていた。


 その姿を今までよりも間近で見れた瞬間、押さえていた感情が溢れ出し号泣した。


 そして、必ずや自分の手で守り抜いてみせると、その時心に固く誓ったのであった。


 ウンディーネはそれから直様、他の四大精霊(エレメンタル)へ戻りシンモラがいる場所を隠した。そこはこの世界の中で一番水が豊富な場所であったから、できたら事でもあった。


 この世界に来て、(ドラゴン)の器を手に入れた他の四大精霊(エレメンタル)は、この世界に興味深々で、この器で自由気ままに飛べる事に歓喜し、


 本来のシンモラを守る


 という事を失念している様に見えた。

 ただそれは、ウンディーネがシンモラを隠してわざと気を逸らしたからで仕方ない事でもあった。


 そうしたのは、ウンディーネはずーっと長い間シンモラを見続けていた事により、いつしかシンモラは自分の子だと錯覚しそうになる程に想いを寄せてしまったからだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ