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君と私と竜と白と黒  作者: 雨月 そら
竜の嘆き
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地の竜の追憶1

 ノームは好奇心が特に強く、自分が知らないものや出来事を知る事が何よりも幸福であった。

 ただ、シルフ程の行動力がなく、知識の海という場所が世界樹(ユグドラシル)にはあって、そこに沈む知識の本(ソフィア・レコード)を読むだけで満足であった。


 いつも四大精霊(エレメンタル)は、光が射すと生まれた場所に集まって、昨日あった出来事をシルフが語り、他の三者(さんにん)がそれを聞いて、一日そこにいる事もあれば別々の事もあり自由に過ごしていた。


 ノームは、知識の海に潜り穏やかな羊水の様な海に揺られながらその日その日、違う知識の本(ソフィア・レコード)を読んでいた。

 泡が浮上してくるみたいに地底に沈んでしまった知識の本(ソフィア・レコード)が浮かんできて、それを手に取って抱きしめると、その中の内容が目を閉じると映像となって浮かんできた。

 それは、元々ノームが目があまり良くない代わりに、物に触れると読み取れる能力が備わっていたからである。

 だからノームが見ているものは、誰かが見ていたものであった。

 だから、ノーム自信が行動力がないのは大人しい性格というのもあるが、目のせいでもあるし、本人は知る由もなかったが役目が大きく関わってもいた。


 シルフがピリアを見つけきて、そこに皆で居座るまでは知識の海が居心地が良くてお気に入りの場所だったはずが、ピリアを見つけた途端にピリアとスルトに興味が移ってしまった。

 その時にはスルトの側にいるだけで心が安らぎ心地よく、(ドラゴン)も興味深かったが、何よりもピリアのその地が何故か気になって気になって仕方なかった。


 何故、岩山と大河しかないのか。

 (ドラゴン)はどこからマナを得ているのか。


 それが気になって気になってと思いは膨らむが、此処から眺めているだけでは知りようがなく、いつしかこの地に行ってみたいと願う様になった。


 ただ、ピリアに降り立ってしまえば二度と戻って来れない事は知識の海で読んだ知識の本(ソフィア・レコード)で知っていたし、一者(ひとり)で行く勇気も、此処の居心地良さを手放ていいと思える程の情熱はなかった。


 そんな日々が続いて、いつしかスルトとシルフを残して、ノームの外見は身長は然程伸びなかったが青年へと成長した。もちろん、他の二者(ふたり)も外見は違えど、ウンディーネはスクルドに似た様に美しく、サラマンダーはより逞しく成長した。何かきっかけになったのか、そうではないのかはノームには分からなかったが、三者(さんにん)に兆候が現れたのは確かだった。


 そして、スクルドが現れたのはそれから少し経った後であった。


 スクルドにピリア行きを勧められたのは見透かされた様でもあったが、背を押された様でもあり、ピリアへ降り立つ為に自分を正当化できる理由を得られノームは今までになく心が躍っていた。

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