共同戦線4
イシュカ城へはカロとクーアとバクサだけで、ヴァンが飛行船に乗る時出した鳥の様な形をしたココールと呼ばれる機械に乗って降りた。
フリークの民はいつでも応戦できる様に配置に付き、ヴァンは身体を休める為に今はベットの中。狼獣人の三者も船に待機していた。
ジョリーとオネストは異国に興味津々で行きたがたが、何が起こるか分からないのだからとシュッツアーに諌められ渋々残った形だ。
「あら〜、二者共、よく戻って来たわ〜。お疲れ様!...え?何、その...奇抜な人...」
武装したニフリートが城の前まで出迎え、カロとクーアの顔色を交互に確認しながら労いの言葉を掛けたのだが、後ろにいたバクサを見るなり胡散臭そうな目でジロジロ見だした。
それもそのはず、バクサはフリークの民代表で行くなら正装しないとと着替えた格好は、真っ白なタキシードに細長い白のシルクハットに似つかわしいいつもの水中眼鏡みたいなゴーグルをしているし、何故か紳士と言ったらステッキと言って、大きな魔法石がヘッドに付いてキラキラ光る派手なステッキ状の魔宝具を両手で持ち、少し仰け反り気味に立っている。本人は、威厳を出したいのだ。
「...え?あぁ...ニフリート、この人はバクサさん。フリークの自警団、風神の...あの飛行船とかのマシーン責任者の人なんだよ」
何も言わない後のバクサをクーアはチラ見し、その振る舞いに若干引き気味ながら紹介し、飛行船を指差した。
「ご紹介にあずかりましたぁ〜!僕は、バクサ・バトー!フリーク、いやぁ〜、この世界一と言っても過言ではない、腕利き機械職人なんですよぉ〜。お見知りおきを、近衛隊副隊長、ニフリート、殿」
後ろにいたバクサは前のカロとクーアの間をすすっと割って入ってニフリートの正面に立つとそう言って、シルクハットを脱ぐと胸元に持って行き軽く会釈をしてからもう片方の片手を差し出す。相変わらずの、ミュージカル口調は変わらない。
「あら、私の事...知っててくれてありがとう...ふぅ〜ん...貴方が...話に聞いてた...そう......そうそう、貴方に要があるのよ。この子達を部屋に案内したら、会議室で今後の打ち合わせしたいの。後で顔、貸してくれるかしら?」
珍しく押され気味で少し引き攣った様な顔のニフリートは、出された手に一度は躊躇した。だが、バクサの余裕のある笑みが鼻について手を出すとぎゅっと強めに握り返して、強気な感じで微笑む。
「...もちろんさぁ!僕でよければ、何処へでもぉ〜」
バクサは陽気に握手したままブンブン上下に振って、不気味に口角を釣り上げた笑みを返した。
ニフリートとバクサは歪み合ってる訳ではないが対抗意識を持ってお互いを見つめると、はははと急に笑い出し、最後に互いにぎゅっと強めに力を込めて握手してから手を離した。
そして何事もなかった様にニフリートは城の中へ案内し、他の者はその二人に呆気を取られて無言で着いていった。




