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君と私と竜と白と黒  作者: 雨月 そら
廻り始めた運命
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試練1

 ドラゴンナイツこと黑は、AIペットロボットで、会話は勿論できる電気で充電しなければ動かない代物。

 完成させたが、充電している暇はなかった。そもそもこの世界には電気がない。

 なら何で動いてるのかと言えば、ウンディーネ曰く、マナ。

 それにいくら頑丈に出来ていると言っても、あれだけ衝撃的なことがあっても破損しない所や飛べないはずのドラゴンナイツが飛行できる。何か魔法的なものがかかっているのかもしれない。

 まだインターネットに繋ぐ前で、知識をアップデートしていないのに、ロボット特有のぎこちない口調はなく、流暢で妙に人間くさく、生命でも宿ったように感じる。

 そんな黑と向かった先と言えば、近衞隊の修練場。

 ウンディーネのいる建物はイシュカ城と言い、その中にある。何故、そんな所に向かっているかと言えば、近衛隊と会った時に遡る。


 「私は、近衛隊隊長のアテネ・オイフェだ。君は、随分と貧弱そうだな。ウンディーネ様の邪魔にならないように、我々と共に鍛錬するがいい」


 「は?鍛錬??」


 近衛隊上位四者、他者とは服装が少し異なり、深い青色をしたファンタジーの狩人がきているような服装は一緒だが、オフホワイトのフードつきのウンディーネの髪に似た色の花の紋様が右側だけ描かれているナイトケープをその上に羽織っている。

 その中の女性ふたりのうち、背中まで伸びた艶のあるストレートの髪を耳の上辺りを三つ編みにして後ろで結んだ、目力のあるややつり目の美人で、健康的な肌に筋肉質だが無駄のないメリハリのある身体に豊満なら胸を持った女性が、開口一番にそう告げ、カロの元へ颯爽と近寄ってくる。


 「さぁ、親睦も兼ねて、今から軽く行こうじゃないか」


 丁度、同じくらいの背丈で、微笑んでいるが笑ってない目が、カロの目と合う。

 強い目力に圧を感じ、断れない雰囲気に、助けを求めてウンディーネに視線を送る。

 申し訳なさそうな顔をするだけで、助けてくれなさそうな雰囲気。

 本能で恐怖を感じ、冷や汗までかいているカロ。逃げようと後ろに下がろうとするが、素早く片腕を強く握られ、半ば引き摺るような形で、屋外の修練場へ連行された。

 そこから何時間も、スパルタな筋トレ、剣の稽古をやらされたのだ。

 当然、その日は激しい疲労感で、次の日は激しい筋肉痛。

 容赦なくアテネは鍛錬を強いるというのが今日まで続いている。

 数日経っているので、多少は慣れて散歩ぐらい出来るようになったが、逃げたい気持ちで一杯なのである。しかし、アテネから逃げる自信がない。

 渋々修練場に行ったカロは、中央にひとりで、朝だというのに元気に木刀を風を切るかのように鋭く素振りをするアテネを見つけた。

 素振りのぶんっとなる音は伊達ではなく、すごく重い一撃である。

 エルフ達は、優美な見かけとは裏腹、力が物凄く強く、このアテネは群を抜いている。

 カロはもう、脳筋のゴリラにしか見えていなかった。

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