決意3
「これは、アンさんがうちのご先祖様へ渡した赤雪石のティアドロップ型のネックレス。クーアは、青雪石の方を持ってるやろ?」
「...うん...これでしょ?」
クーアはそう言って、首に下げていたネックレスを首から外してヴァンと同じ様に持つと、ヴァンの方へと近づけた。
すると、石同士が共鳴して淡い光を放ち、雪の結晶のようなものが石の中に出現した。それは、雪が降っている様に見えて綺麗だとカロは感じた。
「そや、これはフリークの民の風習で、男は結婚する女、つまり嫁さんに赤雪石のティアドロップ型のネックレスを贈る。青雪石のティアドロップ型のネックレスは男がする婚姻石や。そんで、フリークの民は、運命の相手しか結婚せーへん。この石は特別で、運命の相手が見つかると雪の結晶が降る。つまり、アンさんとうちのご先祖様は運命の相手同士で、結婚してたってことや。つまり、わいとクーアは、親族っちゅうわけや。だ、か、ら、わいは、アンさんと連絡を取り合ってたちゅーこと。これは、むかーしからずーっとやってきたことや」
赤雪石のティアドロップ型のネックレスを大事そうに首に掛け直したヴァンは、戸惑いを隠せないクーアを腕を組んでじっと見つめる。
「あんさん、ほんまなーんも知らされてないんやな〜。まぁ〜少ない一族の中でも、星の雫の力が弱いーいうんは耳にしてるねん。それでか?そーいうん、知りたないってんで避けてきたんか?」
「な!僕は...そんな...逃げてはない...ちゃんと向き合う様に」
「今は、言い争いしてる場合じゃないでしょ?」
会話の雲行きが悪くなって、咄嗟にカロは会話に割り込んだ。カロの感では、ヴァンはわざと喧嘩を吹っかけるような感じがして、何を企んでいるのか今の段階では分からないからというのもあった。
「......せやな。で、どう答えるつもりなん?戦うんか?」
カロは言葉に詰まり、一度暫く目閉じた。考えをまとめ終わると目をゆっくりと開いてヴァンに視線を定める。
「きっと、仕組まれてる、そうなんだろう?なら、私達は今は協力するしか道はない...なら、共にやるしかないんじゃないかと思う」
「ほぉ〜...思うてたわりには、頭切れるんやなぁ〜。そやな、もう決行の日は決まっとんねん。遅かれ早かれ巻き込まれる。ただ、一緒に行動するか、敵を自分達で処理して自力でなんとか進むかどっちかや。起こったら、もうどーにもならん。わいらと一緒に戦ういうんなら、助けてやることもできる。そんだけや」
カロは押し黙ってしまった仲間に視線を一通り送り、答えは出たなと思った。今は戻ることができない状態なら、より有利な道を選ぶしかないのだ。それはみな、分かっている様だった。




