決意2
「仮でも何でも、お前さんが今は族長なんは変わらんやろ?それにノームさんから聞いてるはずや、いくらわいらに交流がのーてもな」
「俺は仮で、族長といってもフリークの中の事を仕切っているだけだ。よその事は、情勢がどうかぐらいしか知らん。ノーム様は、それでいいと言っていたしな」
ヴァンは、少し怪訝そうな顔した。
「...そうか。前の族長であるルフタさんを立てている、ってわけか?」
ぐっとシュッツァーの眉間の皺が寄り、奥歯を噛んで堪えるようなそんな顔をして、鋭い視線がヴァンに向けられていた。
「ところで、星の雫って何んなんだ?」
カロは、雰囲気を和ませる様に、わざと話題を変え、明るい調子で話しに割り込んだ。
「おぉ、そうか、カロは知らんのやな。星の雫ゆううんはな、治癒魔法に特化してる者やな。エルフの中で髪が白いのが特徴やな。クーアは染めてるよーやけど、毛先が白いやろ?本来の色はこの色やな?クーア」
「...そう...だけど」
「そう、不思議がることは、ない。知り過ぎてるんは、クーアとわいは、親戚みたいなもんやからや。アンさんとは実際に会う機会はなかったんやけど、アンさんの伝鷹とは、よーやり取りしてたんや」
「ちょっと待って、親戚ってどういうこと?」
「ん?アンさんから聞いてないんか...」
ヴァンは思案顔で片手を顎に添えて少し上を向くが、暫くして、クーアに視線を戻す。
「わいのご先祖さんとアンさんは、夫婦やったんや。諸事情で、二人の間にできた双子をそれぞれ、女の子の方をアンさんが、男の子の方を旦那はんが育てることになってな、旦那はんと一緒にフリークに戻ったんや。その男の子ゆーんが、わいのご先祖様やな」
クーアは驚きを隠せないで、目を見開いたままヴァンを見返している。暫しの沈黙。
「......それは、本当...なの?」
ヴァンはその言葉を聞くと、顎に添えていた手ともう片方の手を首の後に回した。服に中で見えなかったが、ネックレスしていた様でそれを首から外し、片方の親指と人差し指
で銀色のチェーンを摘んでぶら下げると、クーアに見せる様に前に出す。
「これに見覚えないか?」
クーアはヴァンからネックレスに視線を落とすと食い入る様に見つめだした。
その時、ふとカロは、クーアのしているネックレスと色違いみたいだなと思った。




