表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と私と竜と白と黒  作者: 雨月 そら
偽りと真実と
44/102

決意1

 ひとしきり笑った後、ヴァンと目が合った。ヴァンからはすっと笑みが消え、真剣な眼差しを向けてくる。


 「でな、わいらはもう時間がないんや。このままいけば、原動力がのーなって、この飛行船は落ちてまう。わいらが住める場所は、今のフリークの地にはほとんど無い。だから、この戦いに終止符を打つ為に力が少しでも必要なんや。...それに、キュアノスにも関係ない話でもないしな」


 ヴァンはそう言って、クーアに視線を移した。すると、クーアの眉が寄った。


 「それは、どういう意味?」


 「そない怖い顔、すなや。...どうも、持ち直したはずのウンディーネさんの力が徐々に弱まってるらしいんや。そこを一気に攻め込んで、エルフ狩りをしようとしてるんかもしれんな。狼獣人(ルプス)には劣るとはいえ、エルフの中には、星の雫(エンハンブレ)を使える一族がおるんやろ?」


 クーアはヴァンの星の雫(エンハンブレ)という言葉を聞いた瞬間、鋭い視線をヴァンに向けた。


 「何故、それを知っているの?それを知っているのはエルフ以外には、守役(ガーディ)族長(パティア)くらいのはず」


 「わいは、族長(パティア)やからな」


 そう言って、ヴァンは右手にはめていたグローブを取ると右親指にしている宝石のエメラルドの様に輝く石が嵌められた指輪を見せた。


 「サムリング...」


 ヴァンの指輪を見た瞬間、目を見開き、クーアはボソッとそう呟いた。


 「キュアノス、ミニエーラ、フリーク、ポエニクスの()()()()として作られたという指輪や。いつしか、その国の族長(パティア)が身に付ける習わしになった指輪やな。今は、フリーク以外の国には()()指輪でもあるんやけど、なぁ?これで、理解してもろたやろか?」


 クーアは指輪をじっと見つめていた。釣られた形で、カロも指輪を見た。じーっと見つめると石の中に緑色の炎がまるで生きて波打っている様に見えた。


 「命石(アルマ)...本物なら主の魔法で輝くはず」


 指輪からヴァンに視線を移したクーアは、催促する様な目をしている。


 「...命源の雫(アミナス)


 ヴァンはクーアの視線を受けると、静かに呪文を唱えた。すると、ヴァンの指輪は小さいが星が瞬く様に光り輝いた。


 「...本物...みたいだね。...存在してたんだ」


 「せや、確かにここにな。今は、四国はバラバラやけど、繋がってたんや。まぁ、()では繋がってるんやけどな、ポエニクス以外は。なぁ、シュッツァー?」


 「え?」


 シュッツァーの名前が出た途端、クーアは驚いた様にシュッツァーを見る。カロは声に出さなかったものの、クーアと同じ驚きでシュッツァーを見た。シュッツァーといえば、顔色はいつも通り。


 「昔からの知り合いの様に話しかけるな。俺は、お前とは初対面だ」


 「そやけど、裏で繋がってんのは知ってたやろ?族長(パティア)なんやから」


 シュッツァーが族長(パティア)だというのを今まで知らなかったカロは、驚きを隠せないままシュッツァーを見た。


 「まあ、知ってはいたが、他国とのやり取りはノーム様がやっていたからな。俺はあくまでも、()だがな」


 仮を強調するシュッツァーを、カロは何かあるのだろうかと思いつつ、見つめていたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ