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君と私と竜と白と黒  作者: 雨月 そら
偽りと真実と
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解けた絆3

 シルフから流れていた涙は、透明から、赤、黒へと。その涙はシルフを侵食して身体は黒くなると身体から黒いもやが立ち上り空はドス黒い乱層雲となり、やがて黒い雨を降らせ、それを浴びた人々はこと切れた様に動きが止まり、暫くしてから頭を抱えて発狂した奇声を上げたと思えば、バタバタと地面に倒れていく中、数人だけ、立っていたのだという。その者達は、血色が悪く、くすんだ金色の瞳で白目は充血していたと。

 そして、シルフを侵食していた黒はすっかり抜け、美しい艶の良い薄緑色の髪に黄金に輝く猫の様な目の愛くるしい面立ちが顕になったのだが、少年だったはずのシルフは青年まで背が伸びて顔立ちも大人び、浮かぶ笑みは邪悪に、にっと釣り上がっていたのだと。


 ここまでが、ヴァンに聞いた話だった。話すヴァンには覇気がなく、そこには哀愁が漂っていて、聞いているカロは胸が痛んだ。

 それから少し話疲れたのか、休憩を挟んだ後にまた、ヴァンは話し出した。


 「ここにいるわいらは、()()()()()()が殆どや。わいらは大人達にシルフ様と一緒に匿われていたんや。でも、何かの拍子に、シルフ様と一緒に一人の少年が外へ出てもうた。わいらは、そりゃ、戸惑ってどうするんかとなったんや。で、わいが代表して直ぐに追いかけて見に行ったんや。それが、さっき話したことに繋がるんやけども.....今、人喰鬼(イーター)を製造しているんは、そのシルフ様が先導して、あの場で黒い雨を浴びても生き残った人間なんや。......わいが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()がや。... シュッツァーの気持ちもクーアの気持ちも分かるんや、けど、わいらもな、そういう大切な人達の魔の手から命からがら逃げて、迷いながらも決別することを選んで、自警団を結成したんや。フリーク全体が死地の様になった訳やなく、残った土地とそこにいて逃れた人間もおって、救う為にや。...ここにある土地は、生き残ったものを使用しとる。バクサの一族は昔から機械弄りが得意でな、この飛行船もファルケもバクサ達が作ったんや、なぁ?」


 「えぇ〜そのとぉ〜り!僕達は、この世界一の職人と言っていいでしょ〜ね!ね、デニス〜」


 「頭領、何でわてに振るんだぁ?全く、そない振りやめてもろてええやろかぁ?」


 「そりゃ、しっつれいしましたぁ〜」


 そう言って変な格好でおどけるバクサ、それを見てデニスは大袈裟にお手上げのポーズで分厚い口を尖らせる。その光景は、なんだか三流漫才の様なやり取りにも見えるなとカロが思ってると、周りの雰囲気が和らいで、皆が大小様々だが、各々に吹き出す様に笑い出したのだ。勿論、それに釣られたカロも笑ってしまっていた。

 ただ、カロはフルールが一瞬見せた笑顔に違和感を感じていた。何がかは、その時には分からなかったのだが。

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