闇に落ちた街3
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ヴァンの案内で崖まで辿り着く。
カロは、そっと崖の下を見れば、絶壁。
どう考えても隠れ家ではない。
「ヴァンさん、まさか隠れ家は真下とか...言わないですよね?」
カロは崖を降りる選択肢は考えたくなく、恐る恐るヴァンに聞いた。
「ん?なわけないやろ。道具もなくてどない、下降りるねん。あーそれと、敬語やめてくれへん。嫌やねん」
「あ、あぁ...うん。分かった」
「まぁまぁ、そう不安ならんで。いっちょ、見ててな!!」
ヴァンは、右の手の甲に軽く口付けをすると手の甲がパァーッと萌葱色に光り出して片翼の模様が浮かび上り、光はパンっと弾けて手を包み込む。そして、その手を高々と真上に伸ばし、パチンといい音を立てて指を鳴らす。
「神鳥!!」
高らかにヴァンの声が響き渡ると同時に、
手の光が彗星の様に崖の上空へと流れていき、ぐるぐると勢いよく円を描いて周り始めた。そして、失速し始めるとくるくると緩く上昇して、線香花火のように弾けて消えたそこには、ヴァンの手の甲の模様と同じ翼が両サイド描かれた美しい薄緑色の大型飛行船の姿があった。
「どや!ええ船やろう!!わい達の船や。これ乗って、隠れ家まで行くんやで!さて、あの船までは、これに乗りぃ」
ヴァンは、胸ポケットから機械を取り出すと、パカっとVの字に開き、鳥の様な形になると人が二人乗れるぐらいの大きさになった。それを今いる人数分だけ出した。
ヴァンとカロ、双子、シュッツァーとクーアで別れその機械に乗り込んだ。
「せや、行くでぇ!翼にちゃんと掴まり、落ちるでぇ!飛行!!」
ヴァンの声が高らかに響くと、機械は萌葱色に光り出して、意識を持った様に羽を動かし、飛行船へと飛んでいった。
飛行船に乗り込んだ一行。
舵を取っているのは、スキンヘッドで左目を黒い眼帯、右目は燃える様な赤い瞳を持った筋肉隆々の大男。服装はヴァンと同じ。他の団員も同じ服装であるので、この一団の制服なのかもしれない。ただ、ヴァンは首にゴーグルをしているが、他のものは白いスカーフを巻いているという違うはある。
「やぁやぁ、諸君。よく来てくれたねぇ〜。歓迎するよぉ」
パンパンパンと手を叩きながら、密集する一団の中から、白衣を着たひょろ長い背丈の水中眼鏡の様なゴーグルをした、切長のダークブルーの瞳と同じ髪色でサニーマッシュの髪型をした男が優雅にカロ達の方へと歩み寄ってきた。
「はぁじめまして、僕は、バクサ。以後お見知りおきをぉ〜」
歌を歌っている様な口調でバクサは、優雅にボウアンドスクレープをしてきた。
その行動がミュージカルを見ている様な大袈裟なものだった。
双子は気に入ったらしく楽しそうに自己紹介し、それ以外のカロ達は互いに視線を交わして戸惑いながらも、自己紹介したのだった。
「まぁーた、バクサは、ほんま、けったいやなぁ。そんなんだから、いつも引かれるんやでぇ。まぁ、互いに自己紹介できたから、ええけど。こんなだけど、機械に関しては天才的なんよ。さっき乗ってきたのも、バクサが作り出したものやしな。魔法と機械の組み合わせ技術は、バクサに右に出る者がいないほどやな」
「へぇ、すごいね。他には、どんなものを作っているの?」
「おぉ!!もしや、機械好きですかぁ〜。嬉しいなぁ〜」
「なんや、カロ、意外にわかってんなぁ」
カロの急な話の食いつきに、バクサとヴァンは嬉しそう。三人意気投合し、三人で固まって話をし始めた。
そのカロの目は生き生き爛々としており、何処か小さな子供の様に見えた。
他の者達は、そんなカロは見たことがなく、初めは戸惑ったが、微笑ましそうに見つめていたのだった。
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