表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と私と竜と白と黒  作者: 雨月 そら
偽りと真実と
36/102

闇に落ちた街2  

 「お前達、こんな所で何やってるんや?ここら辺は、人喰鬼(イーター)が集まりやすいんやぞ?喰われたいんか?」


 銃をホルスターへ仕舞いながら、彼方此方が擦り切れた焦げ茶色のカーボーイのような服装に、首に古びたゴーグルをし、クーアと同じ紺色の瞳を持つ、白髪をポニーテールにした青年が此方へ歩み寄ってきた。


 「そういう、お前は何者だ?」


 シュッツァーは双子を庇うようにギュッと抱きしめながら、警戒心剥き出しで青年に尋ねた。


 「はっ!わいに尋ねる前に、お前が名乗ったらどないや?」


 青年は怯む様子もなく、両手を腰に当てると自分より背の高いシュッツァーを見上げて真っ向から睨みつけている。一重なので、睨んだ時は糸目にも見える。


 「なんだ、お前は!」


 シュッツァーも負けずと眉間に深い皺を寄せて睨み返し、二人は睨み合いながら顔と顔が近づく。


 「ちょ、ちょっ、何やってんのさ」


 カロは見かねて間に割り込むと、二人を両手を使って離した。


 「私は、カロ。あんた、助けてくれたんだろ?」


 シュッツァーの前に立ちながら、カロは青年に向かって尋ねた。


 「そや。...ふーん、まぁええ。わいは、ヴァン。風神(アネモイ)って言う自警団のリーダーやっとる。あーゆー、人喰鬼(イーター)共を退治したりしとる。よろしゅう!」


 「あ、うん、よろしく」


 ヴァンはにかっと八重歯を見せて人当たりのいい笑みで、さっと片手を差し出すとカロの手を取り握手して勢いよく上下に二度振ってから手を離した。

 カロはなすがまま、驚きと戸惑いで立ちすくしている。


 「さて、後ろの兄ちゃんは、名前なんてーの?」


 カロ越しにちらっと視線だけ上げ、シュッツァーを見ているヴァン。シュッツァーは、少し気まずそうな顔をしている。


 「俺は、シュッツァー。さっきはすまなかった。それと、この二人は、こっちがオネスト、こっちがジョリーだ」


 「そか!よろしゅう!」

 

 カロをさっと避けるとシュッツァーへ素早く近づき、ヴァンは片手を出した。

 シュッツァーは双子から離れ、ヴァンの手を取り握手したのだが、二人は力任せに握りあっている。


 (相性、悪いな...)


 そう思いつつも、カロは今度は二人を止めず、黙って見ていた。


 二人は血管を浮かびあがらせながら、硬い笑みをお互いたたえ、我慢大会のように握りあってから、一度上下に振って手を離した。

 それからすぐに優しい笑みになったヴァンは双子へ近づいていき、頭を交互に撫でた。


 「仲良くしてなー」


 「「うん!!よろしく!!」」


 双子も警戒心を解いて、ヴァンとすっかり打ち解け、嬉しそうな顔を浮かべてぴょんぴょん飛び跳ねている。


 「さーてさて、で、おたくさんは?」


 ヴァンは、クーアの方へくるっと向くと尋ねた。


 「あ、僕はクーアと言います。宜しくお願いしますね」


 「へー、クーア?...ふーん。よろしゅう」


 ヴァンはクーアに近づき、握手を交わす。その時のヴァンの顔は少し何かを探るような視線であった。それをカロは、不思議に思って見ていた。


 「さーて、ここにいてもしゃーない。隠れ家行こか〜」


 終始、ヴァンにリードされたまま、カロ達は隠れ家へと向かったのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ