偽りが崩れる時3
黑は真剣な眼差しのニフリートを、静かに真っ向から見据える。
「...目的。勿論、この世界を救うってことが目的だよ。ただ、状況があまり良くないってだけ。...今の私では、救うことなんてできないし、一人だけではどうにもできない」
「...そう。でも、なんであなたは人間姿からその機械仕掛けの竜になったのよ。クロは最初いなかったわよね?だいたい、漆黒の竜は、どこへ消えたの?」
「...私は...」
そう言いかけた黑は、口籠もった。
「交換条件覚えてる?それとも、それもまた言えないルール?」
「...そうではないけど。少し説明が、ややっこしいと思っただけ」
ふっと口角を上げて、自身ありげな顔したニフリート。
「あらあら、私が理解できないとでも?馬鹿にしないで。これでも、副隊長で頭も切れるのよ」
ニフリートの言葉は、今までのアテネとのやりとりのことを思い出すと疑わしかったが、生憎、黑は機械だから表情には出ない。
「...そう、ならいいけど。...そうだね...まず、漆黒の竜はカロだよ。私達はこの世界に来た時に呪いが掛かってしまった。カロは漆黒の竜に変身してしまった。けど、スピカがカロの呪いを抑えることで、今の人間の姿になった。...私は、呪いを抑える為にここではない世界の、この機械の竜に憑依した」
「...呪い...ねぇ。まぁ、いいわ。呪いは、確かにあるものね。呪いは、お婆婆の得意分野だったし、呪いの解除も得意だものね。...そうだわ、なんでお婆婆に解除してもらわなかったの?」
「...アンには無理だよ。世界からの呪いを解くのは」
「...そう、そんなに強いものなのね。...じゃー、ロキって何者?」
「ロキは、我々と同じ、神族族。五芒星の一人。破壊を司り、不要になった世界を破壊へと導く役目を担った者」
ニフリートは黑の話を聞くや否や、険しい顔付きになる。
「...ちょ、ちょっと、本当にこの世界は終わってしまうの?」
ニフリートの声は少し震えていた。
「...通常、世界にロキが現れた時点でそうだが、今回はそうじゃない。確定は、していない。...ただ、このままではそうなる可能性が高いけど、ここは、世界の中でも特別な世界だから、私達は救いに来た。ただ、予想外のことが起きてしまったが」
「そう、そういうこと......で、何をしたら救えるわけ?私にも、手伝えることは、あるのかしら?」
ニフリートはカロとは違い、自負しただけあって、理解力があると関心する黑。
「そうだね...まずは警備の強化。それと、ミニエーラへ使者を送って武器と防具を調達するといい。ミニエーラでは、準備は整っている。それと、戦力にならない年寄り、女、子供はミニエーラへ非難させた方がいい」
ふんふんと顎に片手を添え、少し斜め上を見つめながらニフリートは、納得したように小さめに頷くと、黑へ視線を戻す。
「準備は整っているわけね。助かるわ」
ニフリートは、ちらっとアンを見る。
「お婆婆をこのまま床に寝かしておけないから、寝具を持ってくるわ。その序でに、色々と動くわ。その間、お婆婆のこと、頼めるかしら?」
「勿論」
「じゃー、善は急げね。行ってくるわ」
そう言っニフリートは立ち上がると、早々にこの場を立ち去っていった。




