約束
目を開けた黑。辺りは闇に包まれていた。
これは夢だとすぐに分かる。
ザザ────
砂嵐のように目の前の景色が揺らぐ。
ジジ ジジ
壊れたテレビの様に景色が乱れた。
パッと映写機から映画が流れる様に何かの映像が鮮明に映る。
背の高い男が一人。長い前髪が、邪魔をして顔はよく見えない。
差し出している片方の掌の上には、黒い塊が見える。
漆黒色の機械の竜
──どうする?
黑は映像の中の男を、じっと黙って見つめていた。
答える必要などない。これは、ただの過去の記憶。
──なら、必ずピリアを救え。何としても、だ。それが、お前にとっても必要な事なのだから
男は掌の上の竜を渡す仕草をする。
──それが、お前が守ろうとした、それの為でもある
ザザザ────ザーザー
映像はまた砂嵐の様に乱れ、テレビの電源を切った様にプツンっと消えた。
「......救え、か」
自分に囁く様に、ぽつりと黑は呟いた。
一筋の光線が黑の目に前を通り、次々と通って行く。
やがてここを包み込む様に、幾重にも、幾重にも。
辺りはすっかり明るくなった。
波を打つように、徐々に、徐々に、何処かの景色が広がっていく。
陽が燦々と降り注ぐ、小高い丘。寄り添う様に絡み伸びた木々の木陰に一人の青年が横たわっている。
カロ
気持ちよさそうに、ぐっすりと眠っている。
元気そうだと、黑は顔を綻ばせた。
風が合図するように吹き始め、陽がゆっくりと陰り始めた。夜が訪れるのだろう。
黑は片手を伸ばし、カロを起こす様に頭を優しく撫でた。
実際には、撫でる振り。
ここは現実ではないのだから。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
次回は、愉快な狼獣人達です。
引き続きよろしくお願いします!
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