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君と私と竜と白と黒  作者: 雨月 そら
廻り始めた運命
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プロローグ

 家と仕事を行ったり来たりと変哲もない毎日を送っていた彼。唯一の趣味と言えば、竜型AIペットロボット、ドラゴンナイツの組立。一からプログラムやらなんやら組み上げる人もいるらしいが、流石にそこまでの能力はない。

 30年くらい前だったか、ペット型AIロボットが流行り、赤ん坊サイズから進化して掌サイズまで縮小化し、今は竜型が流行りだ。

 日本の竜の蛇のように胴体が長い物もいれば、西洋の竜のゲームや洋画ファンタジー映画に出てくるような物もいる。

 彼は、洋画のとあるファンタジーもの映画を小さい頃に観てから、西洋の竜が好きでそっちの形だ。

 ドラゴンナイツと言う名前は製品名で、元々は監視カメラの進化系として開発されたらしい。家を守る竜は、騎士のようだということで、その名前が付いたとか。何故、竜の形なのかは、開発者の遊び心で、騎士ならナイトじゃない?という軽いノリで、当初は複数台売りしたかったらしくナイツにしたと、TV特集の開発秘話でやっていた。

 そのTVを見て欲しくなり、当初はばか高くて買えなかったが、売れなくてペットロボットとしてシフトチェンジしてからは、2〜3年一生懸命、給料を貯めれば買えるぐらいの値段になったのを機に、2年間は生活を切り詰めて買ったという訳だ。

 彼は学があるわけでもなく、高校卒業後は親元を離れて壁の薄い少々ボロいアパートで一人暮らしながら、とある製造工場の製造ラインで肉体労働をしているのだが、そんなに給料が良い訳でもなく、一人暮らしもあり、相当の努力の賜物だ。


 今日も仕事から帰ってクタクタになりながらも、明日は休みで、あと少しで完成というところまできていたドラゴンナイツ。説明書を片手に組立を進めようと勤しんでいた。

 夜中、0時丁度に完成し、キリがいいなと、彼はぼんやり思いつつも、込み上げる歓喜に震えながら、漆黒のドラゴンナイツを両手で掲げた瞬間、


 バァァァーンン!!


 一瞬だったのだろうが、目が痛くなるほどの強く眩く、外が光った。

 周りが光で包み込まれ、爆発した時の暴風で、窓のガラスが木っ端微塵に砕かれ、彼は巻き込まれて吹っ飛ばされた。不思議なことに、スローモーションで、部屋と砕けたガラスが回転して見えていた。


 痛い、苦しい、とかはなく、ただ、漠然として、彼の意識だけ、真っ白く消えていった。

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