表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

村のトイレ

しばらくは毎日12時投稿となります。


ある程度ストックがたまったら、日に2回の更新にしたいと思っています。

完全書下ろしで他のサイトには一切掲載しておりません。


ゆる~く楽しんでみていただければ幸いです。

「お父さんたちはまだしばらくかかりそう?」

軽く挨拶と技術説明を終えた僕は家に戻りたくてうずうずしていた。


「ああ、とりあえずスライムを減らしてから戻るかな、お昼ご飯までにはもどるよ。」

「そういえばカイルの洗礼が『陶芸』なら何かいい案がでるんじゃねえか?」

ドルツさんから不意に引き止められて少しびっくりした。


「そうだな。カイルちょっとこっちにおいで。」

シリウス叔父さんから案内されてゴミ捨て場の方に回り込む。


この共同トイレはいわゆる『スライム式』というもので、臭いはしないのだがスライムが増える。

つまり定期的に間引きしないとスライムがあふれ出しちゃうのだ。


ゴミ捨て場横にある扉を開けて階段を降りるといわゆるスライム層という部分につくと

シリウス叔父さんが鉄の棒で次々とスライムを殲滅していった。

いつもはゴミ捨て場やトイレを利用しているがスライム層に降りてきたのは初めてだ。

僕の右側ではドルツさんもスライムをガシガシ倒している。

ドルツさんが持つと大きな武器用ハンマーが小さく見える。


「いや~だいぶこのトイレも老朽化してきたから、殲滅の周期が短くなってきたな~」

ドルツさんがスライムを駆逐しながらシリウス叔父さんと話している。


「ほらカイル、そこら辺の壁をよく見てごらん。まだ少し棘が残っているはずだ。」

シリウス叔父さんに言われたあたりを見ると、

壁と天井に長さが肘から手のひらぐらいの棘が出ている。

さらに近づいてよく見るとそれは陶器でできていた。


ドルツさんが詳しく説明してくれた内容としては、

もともとこの共同トイレはこの村を作り始めたころにダリルさんが作成したものらしい。


スライムはその性質上時間をかければ何でも溶かす。

糞尿しかり、ゴミはもちろん。木も鉄も溶かす。

そんななか、一番溶かされにくいものが『土』。つまり陶器らしい。


「まぁスライムも土ばかり溶かしていたら、自分自身で落とし穴に落ちるようなもんだわな。」

ドルツさんが豪快に笑いながらスライムジョークを話してくる。


ある程度増えすぎたスライムは壁や天井にあるこの棘で核を傷つけられて自滅する。

ように設計されているらしい。

とはいってもずっと溶かされないわけではない。

溶かされにくいだけであって時間と共に折れたりとかされたりして棘が無くなっていき、

結局はこうして手動で数を減らさなければならなくなる。


「まぁすぐには無理だろうけど、いつかカイルの『陶芸』が成長したら、

 このスライム層の修復を頼むことになるかもしれない。」

シリウス叔父さんがにっこりと僕にほほ笑みながら語り掛けてくれた。


とりあえず、当面は月に1度の殲滅作業を行いながら運営していくことに決まったらしい。

他の案としては鉄で棘を再現する方法もあったようだが、

材料費もかさむことと多分半年くらいしか効果が持続しないこともあり、『手動』に決まった。


シリウス叔父さんが天井の棘を1本外して僕に見せてくれた。

大人が力を入れれば折れるほどの強度だけど、スライムにとってはこれすら脅威になるのだろう。


陶器ってこんな使い方もあるのか~と自分の洗礼の可能性を見た気がした。


3分の1ほどのスライムを残して殲滅を終えたあと、ドルツさんと別れて、

シリウス叔父さんと家に戻った。





※ すっご~く大切なお知らせ ※


「面白いかもしれない。だぶん」

「続きが少し気になる。たぶん」

「応援してもいいかも。たぶん」


と思ったら下にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして、応援していただけると嬉しいです。


ブックマークもいただけたら作者のやる気につながります。


どうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ