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味噌煮込みうどん


「あ」


 唐突に頭に思い浮かんだそれがつい食べたくなってネットで調べてみれば、それは大手通信販売サイトに普通に売っていた。柚月に頼んでそれを二つ買って貰う。しかも運良く明日に配達出来るらしい。

 明日は休みだ。アンドレアスの昼食が決まった瞬間だった。



「あ~これだ」


 配達物を受け取りさっそく段ボールを開ける。中に入っているのは見覚えのあるパッケージの五食入りインスタント麺が二つ。ラーメンではない。味噌煮込みうどんだ。

 さっそく一つを開封し、袋麺の裏を見て小鍋に水を張り火に掛ける。さっさと湯が沸くよう火は強く。

 その間に卵を一つ取りだし、どんぶりと取り分け皿を用意して取り分け皿とスプーンを先にテーブルに置く。


「レイ、湯が沸いたぞ」

「ん。4分計って2分経ったら教えて」


 火を弱め、麺を投入する。粉末スープと付属の七味だけ取り出して外袋は捨てる。ほぐす必要は無いので椅子に座って放置だ。


「そう言えばお前がたまに食べていたな」

「あー…そうだっけ?でもよく食べてたしそうかも」


 少ししてブラッキーが2分経過したのを告げれば、粉末スープを入れて軽くかき混ぜ、卵を割り入れる。そして2分経って良い感じに白身が固まったのを見て、火を止め、慎重にどんぶりに移し後で洗うときのために鍋に水を張っておいた。

 どんぶりをテーブルに運び、取り皿と箸とスプーンを並べて手を合わせる。



「…いただきます」


 取り皿に麺とスープ、そして慎重に卵を取り出す。そしてふうふうと少し冷まして(アンドレアスは猫舌なのだ)、そっとスープを啜った。濃厚な味噌の味。八丁味噌だったような気もする。とりあえず美味しい。

 箸で摘まんだうどんは太めだ。外側は味が染みてふにゃふにゃになってて、しかしその内側にはコシが残っている。

 うどんとスープを取り皿にわけて、卵を崩さないように啜り、またうどんとスープを取り皿に入れて啜る。備え付けの七味を掛けると青のりや山椒が香って更に食欲をそそった。

 うどんが半分になれば大本命の卵を割る。濃厚そうな黄身がどろりと溢れていく。

 麺を黄身に絡めて啜ると自然と笑みが溢れる。見た目通り濃厚な黄身が七味を入れた刺激を緩和させていた。スープが染みた白身も美味しい。

 麺を全て啜り、取り皿に残った黄身をスープで溶かして飲む。スープ単体では味が濃いが、こうすると良い案配になった。


「ごちそうさまでした」


 インスタント麺とは思えないほどの満足感。久し振りの故郷の味ということもあってアンドレアスはご機嫌なままベッドにダイブする。


「今度から定期的に買ってもらおう…」


 ふわぁとあくびをして、アンドレアスは昼寝を始めた。

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