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卵サラダ

「ん……おはよ、柚月」

「おはよう。今日は早かったな。朝食は作ってないんだが…」

「大丈夫。自分で作る。行ってらっしゃい」


 寝ぼけまなこで柚月を見送って、アンドレアスは冷蔵庫を開けて物色し始めた。とりあえず卵と、昨日お酒を飲んだおつまみの残りのベビーチーズを取り出す。


「焼くの面倒だし茹でよっと」


 小鍋に卵が浸かるくらい水を張って火に掛ける。ベビーチーズは剥いたまま放置だ。

 沸騰したら七分。タイマーが時間を知らせばスプーンで取り出して、流水にさらしながら殻を剥く。そして軽く水気を切って小皿に入れた。昨日買った八枚切り食パンをトースターに入れて、そして冷蔵庫から取り出すのはマヨネーズ。さっき使ったスプーンで卵を潰してマヨネーズと和えていく。


「あ、チーズ」


 指で小さく割ってチーズも混ぜようとしたら、柔らかくなりすぎて割ろうとしても指に張り付いてしまう。指についたチーズを舐めとり、仕方なくそのまま投入してスプーンで小さく別けて混ぜることにした。黄身とマヨネーズにまぶされたせいで白身と同化してる。

 ちょうど良くトーストが焼き上がり、火傷しないように両手に持ち替えながらテーブルまで運ぶ。

 卵サラダかトースト、どちらを先に食べるか迷った挙げ句、先にトーストにかじりつく。きつね色のトーストはサクサクだ。そのままスプーンで卵サラダを掬い口に運ぶ。


「…美味しくないわけないんだよね」


 柚月ならコショウでも振るのかもしれないと思いながらまたトーストにかじりつく。

 食べ終えるとさっと使った食器を洗い、小鍋の湯だけ捨てておいた。


「あー………眠くなっちゃった。ブラッキー、12時に起こして」

「わかった。おやすみ」


 アンドレアスは二度寝した。

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