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Garden  作者: きょうか
9/45

来店 和装系男性 1

 このたび石屋ガーデンでは塩の店頭取り扱い始めました。取り扱いの種類は色3色、粉状・粒状・塊加工品・塊未加工。会員限定販売と同じラインナップです。粉状の取り扱いがなくなりそうになったのですが、塩入り風呂の為に断固闘いました。ここだけの話、博○の塩より社割がきくのでコスパがいいんです。

 粉状で石の喜ぶ方法2を実行すると1回で廃棄処分行きらしいです。もちろん食べてはいけません。トイレに流してしまうのが綺麗さっぱりなくなって良いでしょう。商品知識が薄かった時点で熱心に売りつけてしまった三浦さんには申し訳なかったので、粒状の岩塩2種類を自腹でプレゼントしました。

粒状の岩塩だと半年くらいの交換で良いそうです。気の持ちようでお取替えください。そして諸注意なのですが、ガーデンで取り扱っている石は全般的に太陽光が苦手で水・塩月の光には強いものです。他のところで買った石は他のところで取り扱いを聞いてください。苦情はお受けしておりません。


チリーン


店内ディスプレイも変わりました。塩棚です。アンティークっぽい食器棚の1番上に500グラムに小分けされた粉岩塩、2段目に同じグラムで粒状岩塩、3段目に四角錘に整えられた岩塩、縦12センチ横6センチ厚さ8ミリの板上岩塩。1番下に未加工ごつごつ岩塩が並びます。食器棚なので開閉式、湿気対策に備長炭はいってます。


「うん。ここは来店時の接客はなし?」

「いらっしゃいませ。申し訳ありません、当店ではアイテム数が膨大なのでお客様の邪魔にならない様、来店時のお声かけはしておりません」


 にっこりと笑ってみるが、来店したのは男性。男性が珍しい客層なうえ、和装。オーナー関係者のにおいがします。


「うん。そうなんだ。でねここパワーストーンショップって聞いてたんだけど塩の塊はあっても石はないよね?」

「はい。当店では石の販売は予約制の対面個別販売をしておりまして、店頭には置いておりません」

「うん。なるほどね、それで利益でてるの?」

「雇っていただいてますので、大丈夫かと思います」


 もう、5年も働いてるし。ぼった・・・高価格の商品もありますから。


「うん。冷やかしにきただけのつもりだったんだけど、主力なはずのもの見ないで帰るのもなんだし、予約していくよ」

「ありがとうございます」


 予約専用椅子に勧めると、和装の変・・・男性は予約兼会員登録用紙に記入をする。オーナーと動きが似ていて、付け焼刃のなんちゃって和装ではない。オーナーとは違うがいい匂いがする気がする。


「うん。書けたよ。君が選んでくれるの?」

「現時点では誰が担当するかはお答えできません。オーナーが月に1度担当を割り振りますので決まりましたら担当からお電話で都合の良い日を相談させていただきます。お写真1枚撮らせていただきます」

「うん。駄目」


 断られるのは結構あるのです、回避のための営業トークを検索していると、お客様は懐からすっと名刺入れを出して1枚差しだしてくる。


「九条貿易、代表取締役社長・・・和泉平良いずみたいら様」

「うん。だからねちょっと写真は撮ってもらいたくないな。志波尚哉は僕のこと知ってるから写真なくても大丈夫」


 オーナーのフルネーム出ました。

 写真を1枚撮るのは予約者と来店者が違わない為、というのもあるのだが。


「ではすみません。手を撮影させていただいても良いですか?」

「うん。手相も見るの?」

「いえ・・その何といいますか・・・」


 オーナー何をみて担当振り分けしてるのか、理由を知らない。


「お客様に限って予約者と来店者が違う、ということはないと思われますが、稀にそういったこともありますので・・・手相は短期間で変わるものでもないので」

「うん。なかなか苦しそうな言い訳だけどぎりぎり合格。志波尚哉(人外の生物)が何を見てるのか僕も気になるところだけどね」

「・・・。写させていただきます」


 この人、なんかヤバイ。怖いわけじゃなくて、なんかヤバイ。



   ◆



 カウンターでせっせと銀を磨く業務が多い俺ですが、バックルームで仕事をするときもあります。その名も洗濯。前日に使った大小のオーガニックコットン、正方形に縫製済みを折りたたみ棚へ戻します。


「大樹、この手相のバカ何か言ってたか?」

「和泉様ですね」

「ソレ」

「冷やかし、って言ってました。和装でした。ご親戚ですか?」

「手相のバカは暇人だなぁ。大樹、和服着てたら全員親戚になるのか?俺はコイツと血縁関係などない」

「そうですか。似た空気感じたんですけど。良い匂いもしましたし」

「似てねーよ。お前香に興味ありそうだな」

「香ですか?」

「うちは焚き染めしてる。最近は匂い袋のほうが多いらしいぞ」

「焚き染めですか・・?」

「調合したお香を燃やして着物にうつす、だな」

「お香なんですか、この匂い」

「匂いだったか、煙だったかそれ系の浄化方法もあったな、確か」

「匂いはやめましょう。好みの問題もありますし」


 火なんて使って火事にでもなったら苦情が発生する。


「塩の時とはえらい違いだな」

「塩入り風呂、最高です」

「・・・。お前の場合血行良くなっただけじゃないか・・・?」

「健康にいい。すばらしいじゃないですか」

「まぁいいわ。手相のバカお前担当」

「マジですか・・・」

「高額商品売りつけて良いぞ」


 悪魔がここにイマス。


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