表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/30

第27話 「愚者の前進」

第25話のムタン様の口調を変更しました。流石にそのまんますぎたと思うので。

本筋は全く変わっていないので、気になる方は一読ください。

ご迷惑をおかけして申し訳ありません。


 未だに加護の件が尾を引き、まともな精神状態ではないが今日は土曜日。なので道場に行かなければならない。気持ちとしては図書館に行き、一刻も早くムーちゃんについての手掛りを得たい所だけど。

 ちなみに、夢にムーちゃんは出てこなかった。


「兄貴ー。今日はどうするんですか?」


「今日は仕事は休みだ。土曜日と日曜日を休日って事にしてる。

 俺は道場に行くから、サルも好きにしてくれ。というか、行かないとあのじじいに真っ二つにされる」


 最初はヴォルクのついでの様な扱いだった俺だが、次第に体術の見込みがあると思われたようで、今では俺も目を掛けられている。指導は相変わらず適当に感じるが。


「そうだったんすか! 元帝国最強が相手じゃ、行かないわけにいかないっすよね。

 じゃあ俺っちが兄貴の代わりに、図書館でムタン様について調べて来るっすよ!」


 ッッ!! ……サル……お前は……お前は、なんていい奴なんだ! ありがてぇ、ありがてぇ! お前は舎弟の鏡だっ!


「そうか、ありがとう! ……少ないが、これを」


 そう言って俺はがま口から四角い銀貨を数枚取り出し、そっとサルに握らせた。俺を思うサルの気持ちも嬉しかったし、何より図書館は無料ではないのだから。


 握らされた物がお金だと気付いたサルはハッとした表情でこちらを見てきた。


「あ、兄貴ぃ……!」


「……うむ!」


 俺達は互いの熱い思いを乗せた視線をぶつけ合い、ぐっと握手を交わした。男同士の新たな絆が生まれた気がする。






「おはようございます、師匠! 今日もよろしくお願いします!」


 サルと別れて道場へと来た俺は、じじいに向かって元気に挨拶をした。落ち込んでいる様子を見せたら何をされるか分かったものではない為、いつも以上に気合を入れたつもりだ。


「……来おったか、エルザム。うむ、じゃあさっそく型を見せてみぃ」


 一瞬鋭い目を見せたじじいは、俺に日頃の成果を見せるように促した。

 その言葉に従い構えをとった俺は、深く呼吸をして心を落ち着ける。思い描くのはじじいの動きだ。流れるような足運びに一撃一撃の鋭さ。それらをしっかりとイメージして俺は一歩踏み出した。


「……ハッ! ハッ! ダッ! ハァッ! ダ」

「やめい、やめい!!」


「す、すいません! 何かまずかったですか?」


「ふん……エルザム。おぬし、何かあったな? 乱れた心が動きに現れておるわい」


「げっ! ど、どうしてそれを……」


「馬鹿者がぁ! その程度分からいでかっ! 挨拶の時からおかしかったわい。かっかっかっ!」


 どうやら初めから見透かされていたようだ。それ程不自然だったつもりは無いのだが、玄人にしか気付けない何かがあったのだろう。

 そんなじじいは腕を組んでドッシリと佇みながら、俺が口を開くのを顎で促してくる。何となくニヤついている気がするのが腹立たしい。きっと面白い話が聞けると思っているに違いない。


 そんなじじいに逆らうのも無駄と考えた俺は、仕方なしにボソボソっと喋りだした。いや、憤りを吐き出したいという思いや、なにか解決策を知っているかもしれないという期待があったのかもしれない。


「はぁ…………えーっと、実はですね……先日ムタン様が夢に現れたんですが、そこで俺を旦那にすると言」


「エルザム、腕の良い治癒士を紹介しよう。帝都にいるわしの古い友人が精神分野の専門家で……」


「ちょっと! ちょっと、ちょっと!!

 大丈夫ですからっ! 頭おかしくなった訳じゃないですって! ちゃんと最後まで話を聞いてくださいよっ!」


 冗談なのか本気なのか分からない口調で治療院行きを勧めてきたじじい。何時に無く優しい表情にイラっとさせられる。確かに正気を疑う様な事を言っているが、もう少しちゃんと聞いて欲しいものだ。


「まあええわい。聞いてやろう」


「あ、ありがとうございます。そしてですね、その夢の中でムタン様は俺を旦那にするからって加護を授けて下さったんです。

 ……で、そこまでは良かったんですが、その加護が問題でして……」


「ほぉ、加護か。とりあえず、真偽は置いておくとして、しかし加護の何が問題なのじゃ? ムタン様の加護の話はわしも聞いたことが無いから詳しくは分からんが、加護とは我々に素晴らしい効果を齎してくれるはずじゃろ?」


「素晴らしい……ですか。確かにムタン様は素晴らしく可愛かったです。あれ程美しい女性は見たことが無い。誰もが見惚れるでしょう。俺だって一目で惚れちゃいました。

 ……しかし…………しかしあまりに理不尽だ! 自分勝手で、不条理に過ぎる!」


「おぬし! 神様をそのように言うとは何事か。罰が当たるぞ!」


「既に当たってるようなもんですよっ! 見てて下さい。これを見れば加護を得たというのも信じてもらえるでしょうから!」


 あまりやりたくは無いが、じじいに信じてもらう為にも実際に見せようと思う。というか、話してたら気が晴れるどころか、段々と悲観的になりヤケクソ気味になってきたのだ。

 俺は道場をキョロキョロと見渡し、ある女性を探した。この道場に通っているのはほぼ男性だが、少なからず女性もおり、その中に道場のマドンナ的な存在がいるのだ。イブちゃん、19歳。独身である。俺は剣術を習っていないし、通う回数も少ないから話した事もないけど、ヴォルクは随分と可愛がられているらしい。

 一通り見渡すと、奥の方でヒルマンさんと打ち合っているイブちゃんを見つけることが出来た。後ろで一本に束ねられた長い尻尾のような黒髪は、身軽に動き回る彼女の後ろを忠実に追い、その軌跡を美しく描いている。


 あ、いたいた。ここから距離はあるけど、んなもん関係ねーだろ。…………よし、やるか!


 だったら別にイブちゃんを探す必要はないと思うが、ノリが重要なこの場面で当人が見えるというのは大きなプラス材料となる。

 そして意を決した俺は、恐怖を打ち消す為に腹の底からテンションを上げ、遠くにいるイブちゃんに向かってズバッと指差した。


「君、かわうぃぃいいイイイイデデデデデデデデデェーッッ!!」


「エ、エルザムッ!?」




 数十秒に渡るお仕置きをくらった俺は、膝に手をつき息も絶え絶えとなっている。辛うじて倒れなかったが、それは慣れたからなのか、単に意地からなのか。そんな俺は、今道場中の門下生達の視線に晒されていた。叫び声が道場に響き渡り、その発生源にはビリビリと電撃をくらっている男がいたのだから当たり前だろう。


「ハァ……ハァ……こ、こういう事なんですよ……ハァ……ハァ……」


「……すまん。どういうことじゃ?」


「……………………え?」


 いや、そりゃそうだ。冷静になって考えればじじいが理解できなくて当然である。突然目の前の男が電撃をくらって痺れただけなのだから。

 自棄になっていたのか、三回もお仕置きをくらって脳に不具合が生じていたのかは分からないが、「エルザム、あなた疲れてるのよ」と言われてもおかしくはない。


「そ、そうですよね。分からないですよね。一から説明しますと……」


 ……


 ……


 ……


「なるほどのぉ……まさかそのような加護があるとは……」


 門下生達から注目されていたため場所を移してもらった俺は、昨日の出来事を一通り説明した。

 俺の体を心配しつつも愉快そうに聞いていたじじいは、実際に電撃をくらう俺を目にした事で一応納得したようである。


「うむ。それでお主は、一目惚れする程に可愛いムタン様に会う為に、その居場所を知る神様を探したいと。

 もしくはその辺の女子に手を出したいが為に、加護を消す方法を探したいと、いう訳じゃな」


「うっ…………そ、その通りです」


「かっかっか! なんともまあ俗な理由じゃが……エルザムらしいの」


「面目ありません……」


「なぁに、男なぞ皆そんなもんじゃ。このわしとてモテたくて剣を手に取ったのじゃからなぁ。かっかっか!」


 このじじいもそんなくだらない理由で剣を学び始めたとは……初耳だ。しかし才能があったとはいえ、それで最強と呼ばれるまでになるんだから、エロが絡んだ男ってやつは本当に凄いね。

 逆にエロを封じられた俺は一体どうなってしまうのか。あ、なんだかまた落ち込んできたな…………。


「それでじゃが……どちらにせよ、何か手がかりはあったのか?」


「いえ、昨日図書館で探してきましたが、大したものは見つかりませんでした…………」


「……じゃろうな。神様に直接繋がるような情報が、易々とそのへんに転がっておるわけもあるまいて。

 ましてや加護を消したいなどとは誰も考えんじゃろうから、あろうはずもない」


「ですよね……」


「ふむ。そこでじゃ。実はのぉ……ムタン様では無いが、他の神様に関する情報なら…………当てが無いことも……無い」


 じじいは目を瞑り勿体ぶった口調でとんでもない事を言い出した。その歯切れの悪い口ぶりには不安を覚えるが、藁にでも縋りたい俺としては喰いつかない訳にはいかない。


「ほ、本当ですか!?」


「わしの頼みを聞いてくれたら、この情報を教えてやろう」


「聞きます! 聞きます! 俺に出来ることなら何でも仰って下さいっ! 師匠!!」


 後光が差す程じじいが輝いて見えた俺は、恥も外聞も無くその足元へと縋りつき、頭を下げまくった。


「わかった! わかったから、さっさと立たんかぁ! 全く、情けないのぉ……。

 ……まあええわい。それで頼みというのはじゃの……わしの知人の…………娘の子守りじゃ」


「はい! 任せて下さい! 子守りの一つや二つ………………子守り? む、娘?」


「うむ。まあ、子守りと言ったが実際には護衛兼教育じゃ。相手はモットー・フォン・ブラウンシュガー公爵の娘、エリシアじゃ」


「はぁ!? 公爵って凄い偉い人じゃないですか! 俺なんか場違い過ぎですよ!! 意味が分かり」

「あぁ?」

「……ます。い、いやぁ、なんだか無性に子守りたくなってきましたよ! そろそろ子守りの美味しい季節ですからねぇ。

 師匠! 斯様な素晴らしきお役目を頂き、このエルザム・ラインフォード、光栄の極み!

 つきましては、より詳しいお話を……」


 あまりの大物の出現で逃げ腰になり、断りを入れようとしていた俺は、クソジジイの老人とは思えない鋭い眼光と圧倒的な殺気に押し黙り、この件を謙ってまで承諾してしまった。自分でも情けないと思う程の小物っぷりである。




「……と、いう事じゃ」


「なるほど、お話は分かりました。しかし、相手が女性というのは今の俺にとっては危険すぎると思うのですが……」


「おお、それならば安心せい。言い忘れておったが、エリシアはまだ9歳じゃからの。

 むしろそれでムタン様からお仕置きをくらう様なら、そのまま死んでしまえ。それが世のためじゃ。かっかっか!」


 冗談じゃない。幼女に手を出し、神の裁きをくらって死亡、なんて格好悪いにも程がある。俺にそういった趣味は無いはずだが、それでも細心の注意を払わねば。まだまだボーダーラインは不完全なのだから。


「流石にそんな理由で死ぬのは御免ですね。

 ところで師匠、当てというのは?」


「うむ。【知識の塔】を知っておるか? ……やはり知らんのか。冒険者の片隅にも置けん奴じゃな。

 ……まあええわい。この塔はの、雲を突き抜ける程の高さを誇り、地上からその天辺を見ることは出来ん。飛竜で空から行こうにも不思議な力に阻まれて近づけんらしい。そしてこの塔の頂上には、知識の神マーロー様がいるのではないかと昔から言われておる。未だ頂上に辿り着いた者がおらんから、想像の域を出ないがの。

 わしも若い頃に挑んだものじゃ。単身だったというのもあるが40階かそこらが限界じゃったな」


 なんと! そんなものがあったとは。しかし、踏破者がいないってのは問題だな。そして知識の塔だから知識の神って事なのかな? ちょっと怪しいけど、行ってみる価値はありそうだ。






 その後、腑抜けた根性を叩き直すと張り切ったじじいに日が暮れるまで扱かれた俺は、ヘロヘロになりながらもヴォルクと共に自室へと戻った。

 帰ってきた俺達はそれぞれシャワーを浴びて汗を流し、今は部屋でのんびりとサルの帰りを待っている。もうそろそろ帰ってくるはずなのだ。


「いやぁー疲れた! あのクソジジイは加減を知らないから困る。何事もほどほどが一番なんだよ。なあヴォルク?」


「偶にはいいんじゃないですか? 一生懸命に頑張るのは良い事だと思いますよ。兄さんはいつも適当なんですから。

 それに師匠もすごく楽しそうにしてましたし」


 確かに楽しそうにはしていた。今日初めて組み手を行ったのだが、俺に攻撃をしてもオートガードにより寸前で止められるため、怪我の心配が無いと、じじいは嬉々として本気で殴りかかってきたのだ。その迫力は凄まじく、当たらないと分かっていても何度も死を覚悟させられた。今日一日の心臓の暴れっぷりだけで、数年は寿命が縮んだのではないだろうか。


「クソジジイは楽しかったかもしれないけど、俺は何度死ぬと思ったか。ここだけの話、少しちびったぞ」


「アハハハハハ! 兄さんもですか。僕だって何度ちびらされたか分かりませんよー」


「ただいまーっす!」


 お互いのちびりトークに、股間を押さえながらヴォルクが笑っていると、サルが勢い良くドアを開けて部屋に入ってきた。この明るい声の調子とドアを開ける力強さは、何か手がかりを得たのかもしれない。


「おお、サル! どうだった? 何か分かったか?」


「ダメっす! ずっと探してたんすけど、これといった情報は無かったっすねぇ」


「そうか……。まあ、いいさ。俺はクソジジイから有力な情報を手に入れたからな!」


「本当っすか!?」

「本当ですか?」


「ああ。その代わりにちょっと面倒な仕事を引き受けることになったんだけど……まあそれは置いておこう。

 んで、情報なんだが……知識の塔って所の頂上に神様がいるらしい。今まで辿り着いた人がいないから、あくまで噂の範疇らしいけどね」


「あ! そういえばそんな話もあったかもしれないっすねぇ」


「えぇっ!? 知ってたのかよ!」


「あ、いやいやいやいや! 確かに知識の塔の事は知ってたっすけど、兄貴の言ってた通り誰も頂上まで行った事が無いっすから、その話には色々な説があるんすよ。

 財宝があるっていう説があれば、伝説の武器があるっていう話もありますし、他にも飲むだけで強くなれる水やら、腹が膨れる豆やら、それこそ数え切れない程に! そんな中に神様がいるって話が埋もれててもおかしくはないっていう事っす!」


 なるほどねぇ……。なんか忘れてたのを誤魔化してる感はあるが、まあしょうがないか。全ては憶測というか、人々の願望が噂になってるんだろうし。


「サルさんは行った事があるんですか?」


「俺っちも話に聞いた事があるだけっすね。なんせ隣の国にあるんすから。行くだけで一苦労っすよ。

 で、行くんすか、兄貴?」


「うん。まあ、そのつもりだ」


「はい! はいはい! 僕も行ってみたいです!」


「兄貴、勿論俺っちも付いて行くっすよ! この三人でかかればもう攻略したも同然っす!

 さっそく明日から準備しましょう!」


 俺の言葉に真っ先に反応したのはヴォルクだ。元気に手を上げ同行する意を示してきた。ちょっと聞いただけでも危険な気がするのだが、こういうのに憧れる年頃なのだろう。自慢の銀灰色の瞳をキラキラと輝かせている。

 何故かサルも張り切りだし、肩をグルグル回すというベタな表現でやる気をアピールしていた。その反面、表情は緩んでだらしない顔になっている。既に攻略した気になっているのか、何やら青写真を描いているようだ。


「待て待て、早まるな。さっきちょっと言っただろ。面倒な仕事を引き受けることになったって」


「そういえば言ってたっすね。なんなんすか、その仕事ってのは?」


「それなんだけど……年明けから3ヶ月程、とある貴族のご令嬢の護衛兼教育をすることになった。

 元々はあのクソジジイに来た話だったんだが、面倒だからって知識の塔の情報と引き換えに俺に押し付けてきたんだよ。

 先方は、ブレイブス殿の信用ある者ならば代理であろうと構わない! とかなんとか言ってるらしくてさ。

 とはいえ、俺を送るなんて有り得ないだろ? 何考えてんだか、あのじじいは……」


「うーん……兄さんは面倒見がいいから、意外と務まるんじゃないですかね?」


「確かにそうっすね。貴族ってのが引っかかりますが、兄貴ならなんとかなるっすよ!」


 他人事だと思って気楽に言ってくれる。相手は公爵だぞ公爵。物理的に殺される事は有り得ないが、社会的に抹殺されることは充分有り得るんだ。勘弁して欲しいよ。


「はぁ……まあいい。今更何を言おうが手遅れだからね。

 という事で、俺は約1ヶ月後の12月頭位にこの街を出発して、例の貴族様の所に行く予定なんでヨロシク」


「ええ! 僕は置いていかれるんですか!?」


 ヴォルクは先程まで輝かせていた瞳を、今度は潤ませ、不安で一杯といった表情で訴えてきた。そんな捨てられた子犬のような顔はやめてもらいたい。


「ぐ……ま、まあ俺は魔法でいつでも帰ってこれるんだから、ヴォルクは今まで通りのスタイルで生活しててくれ。それにサルもいるし。

 そうだ! 丁度いいからサルにはクランに入ってもらおう。どうよ?」


「いいんすか!? 兄貴ぃ!!

 ……あ……でも…………俺っちは兄貴のように凄い魔法は使えないし、ヴォルクの兄貴のように強くも無いっす。こんな役立たずじゃ……」


 椅子に座って話を聞いていたサルは俺の言葉に驚いて立ち上がり、嬉しそうな顔を見せたが、すぐに暗い表情で俯いてしまった。


「何言ってんだよ。お前のその口は俺達には無い大きな武器だろうが。ちょっとうるさいけどさ。

 なあヴォルク?」


「そうですよ! サルさんの話は面白いですし、冒険者の先輩としても頼りになります! 是非僕達のクラン、尾を噛む蛇に入ってください!」


 ヴォルクの言葉を聞き、再び顔を上げたサルは余程嬉しかったのか、目に涙を浮かべよろよろとヴォルクに近づいて行った。


「……ヴォ……ヴォ…………ヴォニキぃーー!!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ