9、茜→絵里へ
絵里へ
茜を探してティアラまで来てくれた事、健吾の状況を知る為に動いてくれた事、すごく嬉しかったんだぁ。
健吾を好きになっていくにつれ、ケンへの気持ちが薄れていった。 そして、絵里への恨みも薄れていったよ。
・・・てゆーより、もしかしたら絵里を恨む事で自分の苦しさを紛らわせていたのかもしれない。 優のことや失恋の苦しさから逃げていた。
絵里とケンが付き合わなくても、ケンは絵里が好きだったから振られてたよね。 そして、同じように苦しんで、クラブでヤケになっていろんな人と寝たりしてた気がするの。
それを認めたくなかった。 絵里のせいにしたかったの。
茜の気持ちを知っていたくせにって思ったけど、同じ人を好きになる事があったって仕方ないのもわかってたの。
優たちの事がなければ、きっと絵里は茜にすぐ話したと思う。
『ごめんね。ケンと付き合った』って感じで・・・
茜があんな事になったから、絵里は茜をこれ以上傷つけたくなくて言えなくて、悪く言えばコソコソしちゃったんだよね。
絵里はずっと茜の事を考えてくれた。
優たちにされた事を話した時、親以外で泣いてくれたのも絵里だった。
他の友達は茜がクスリを始めたら周りから消えたけど、絵里は毎日茜を心配するメールをくれた。
やっぱり絵里は大切な友達だったよ。
絵里・・・
絵里の大切さや絵里が悪くない事に気付くの遅いし、気付いても気付かないフリをしててごめんね。
意地っ張りだからずっと許せなかった。
茜こそ、ほんとにごめんね・・・。