最終話→さよなら
四月に入り、みんないろいろな道へ進んでいった。
絵里は三年生になり、進路を少し考え始めた。
最近は毎日早く帰宅して、母と料理をしたり家事を手伝っている。
咲坂家には笑い声が絶えなかった。
茜は健吾との結婚を機に、健吾の母と同居をする事にした。
そして健吾は小さなバーを開店させる事になった。
二人は引っ越しや開店の用意で毎日忙しい。
その合間をぬって、茜たちは四月の半ばに小さな結婚式を挙げる。
ケンはまだ新入社員でミスばかりだが、毎日一生懸命働いている。
そして明たちは少年院で更正するため、頑張っている。
みんなそれぞれ、自分の道を探していく。
絵里はケンの最後の言葉を遮った事を少し後悔している。 でも、これでよかったんだとも思う。
ケンもそう―――。
絵里と離れて東京へ向かった事。
間違った選択だったかもしれないとゆう気持ちがないといえば、嘘になる。
人は何かを得たい時、代わりに何かを捨てなきゃいけない時もある。
でもその選択でどちらかを選んだなら、最後まで頑張っていかなきゃいけない。
捨てたモノやあきらめたモノたちが大きいなら、その分必死に何かを掴まないといけないと思う。
ケンと絵里が運命の相手ならまた巡り合うだろう。
そして違うなら、また別の誰かと出会う。
さよならは別れであり、また新しい出会いでもあるから・・・。
そして二年後、絵里とケンはまた巡り合う事になる―――。
end
続編《蝶になって》に続く
長かったけど、読んでくれてありがとうございました! 次は絵里を主人公にした続編を読んでください!