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さよなら  作者: ゆり
21/29

21、茜→病院へ

あれから健吾と幸せな一晩を過ごした。

今まで感じた何よりも、心が幸せで満たされた感覚・・・。

二人は朝方、抱き合って眠りについた―――


『やばい!起きろ!』

健吾に体をグラグラ揺らされて目が覚めた。

「??」

『もう12時!』

「嘘?!やだーっ!」

急いで飛び起きた。

ホテルは10時チェックアウトだから延長だし、今日はいろいろお買物したいから早起き予定だったのに・・・。

夢のような一晩の余韻を楽しむ間もなく、二人はドタバタと用意をする。

そしてホテルを出て、二人は渋谷に向かった。


渋谷はカップルやグループで、すごい人の数だ。

健吾と迷子にならないように手を強くにぎる。

『指輪、痛い。』

「ご、ごめん!」

茜の指輪のダイヤが健吾の指に当たってしまった。

茜の薬指には健吾にもらった指輪が輝いている。

そして、健吾の手首には茜が送ったシルバーのブレスレット。 茜がティアラの初給料で、健吾にプレゼントした物だ。

今日、服やアクセサリーを見る予定だった。 しかし昨日話し合い、服は最低限買う事にした。

そして、残ったお金を家具に回すことになった。

二人で住むための家具・・・。

「新婚さんみたいだね。」

『だよな。

てゆーか、四月には新婚さんだから』

健吾は四月に二十歳になる。 あと4ヵ月もすれば、結婚・・・。

子供のママゴトだと言われてしまうかもしれないけど、茜と健吾は本気だ。

まだ16年しか生きてないけど、これから10年先も20年先も健吾以上の男になんて逢えない。

出会うのが少し早かっただけなの。 若くても健吾がいればやっていける。 健吾は茜にとって運命の相手だって確信してる。


それから茜はお目当てのショップで服を買い、健吾も原宿は断念したけど服を買った。

そして二人はインテリアショップを探す。でも、なかなかインテリアショップが見つからない。

「足が痛いかも・・・」

慣れない靴をはいているから靴ずれができてしまった。

休憩するために、近くにあるマックに入る。

タバコを吸い、ジュースを飲む。

「疲れたねー。」

『さすがに三時間も服見るのはキツイ。

茜が二時間くらい見てたけど。 俺、五分で決めたし。

家具、地元で見るか?』

健吾は早く車に戻りたそうにしている。 普段車ばかりで歩く事にあまり慣れない健吾に、女の買い物はキツかったみたいだった。

「そだね。」

ほんとはもう少し見たかったけど、健吾のヘトヘトな顔を見たら勘弁してあげようかなって思う。

そして二人は車に向かい、地元へと帰った。



地元へ着く頃には、すでに日が暮れていた。

「そーいえば、絵里とケンは仲直りしたのかなぁー。」

『どーなんだろうな。

連絡してみろよ。』

あれから絵里から連絡はない。

茜は絵里の携帯に電話をする。

・・・。

圏外とゆうアナウンスが流れる。

少し嫌な予感がした。

絵里の家にも電話をすると、絵里の父親が出た。

『絵里、入院しているんですよ』

父親はそう言った。

頭から血の気が引いていく―――。

健吾に病院の名前を伝え、Uターンをして絵里のもとへ急いだ。


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