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第2章:召喚された社畜

第2章:召喚された社畜


「……とりあえず、落ち着こう。うん、これは夢だ。間違いなく過労による幻覚だ。」


澪は呆然としながらも、石造りの荘厳な部屋をぐるりと見渡した。


天井は高く、ステンドグラスから差し込む月明かりが、不思議な文様を床に映し出している。


異世界テンプレすぎて、逆に現実感があるのが腹立たしい。


「夢だとしてもブラックな導入すぎん?」


「おぉ、そなたが……漆黒の才を持つ者……」


老人は杖をつきながら、澪の前に歩み寄った。


「私はジル=バレット。この世界、ユグドラシアにおいて“大賢者”と呼ばれておる。」


「賢者? じゃあ質問です! なぜよりによってこんな時間に私を召喚したんですか!?」


「召喚術には、そなたの世界でいう“プレミアムタイム”が必要でな……」


「深夜残業の時間帯ってこと!?ああもう、異世界でもサービス残業からのスタート!?」


ジルによれば、この世界は現在、魔王軍によって統治されており、各地の王国・自治都市までもが魔王の“効率至上主義”を押し付けられているらしい。


【1日16時間労働、週7勤務、報酬は“やりがい”と“忠誠心”】


「地獄かよ。現代日本と何が違うのか真面目に分からないんですが。」


しかし、澪が召喚されたのには理由があるという。


彼女が持つ“漆黒の才”は、この世界に失われた禁忌の魔術「黒魔法」に適性を持つ証。


全てを無に帰す破壊力と、理不尽に打ち勝つ効率性――まさに、時代が求めた最強魔術。


「私に何をさせたいわけ?」


「魔王を倒し、この世界を“働きやすい世界”に導いてほしいのだ。」


澪は少し黙ってから言った。


「……仕事変わっただけで、またブラック上司とブラック業務なんじゃないの、これ。」


それでも、心のどこかがざわついていた。


異世界でも、働く人たちが苦しんでいる――その現実を聞いて、澪の中に“燃える何か”が芽生え始めていた。


(いいよ。やってやろうじゃない。ブラック相手なら、私の社畜スキルが火を吹くわ)


「……分かった。私に黒魔法を教えて。労働改革、してやる。」


こうして、“ブラックマジシャン黒川澪”の異世界プロジェクトが本格始動する――!

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