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下駄箱の幽霊ができるまで

作者: ウォーカー

 ここに、新しくも古くもない、私立中学校がある。

私立の中学校など昨今は珍しくもなく、

通っているのはちょっぴりお金持ちの、制服に身を包んだ子女たち。

この学校には、怪談の類が一切ない。

そのはずだったのだが、ある日を切っ掛けに、怪談ができあがることになる。



 怪談が全くない学校。

在籍する生徒たちにとっては、退屈なことこの上ない。

そもそも、怪談のない学校など存在するのか。

実は怪談はあるのに、先生たちが隠しているのではないか。

そんな希望的願望的予想の下、数人の生徒たちが、

夜の学校で肝試しをすることになった。

「でも、夜の学校になんて入れるの?

 校門はもちろん閉まってるし、

 うちの学校は夜でも警備員がいるはずだよ。」

「そこはそれ、秘密の抜け穴があるのさ。

 まあそこは実際にやってみよう。」

こうして、好奇心の強い男女数人の生徒たちが、

怪談の有無を調べるために、夜の学校に忍び込むことになった。


 ある日の夜、やや遅く。

数人の生徒たちが、学校の周囲に集まっていた。

「みんな、集まったか?」

「うん、これで全員だと思う。」

「みんな、上履きはちゃんと持ってきたか?」

「もちろん。」

「それで、どうやって夜の学校に入るの?」

大きな校門は、夜の闇の中で口を固く閉ざしている。

しかし生徒の一人は、そことは違う、反対側を指さした。

「あっちに行ってみよう。」

校門から離れた場所には、小さな通用口が設置されていた。

日中はほとんど使われることのない、忘れられた通用口。

「この通用口の鍵を、事前に内側から開けておいたのさ。

 ・・・ほら、開いた。」

ギィ、と嫌な音を立て、通用口の扉が開いた。

中は真っ暗な茂みで、本能的に恐怖心を催させる。

「校舎の侵入経路もバッチリだ。ほら、行こうぜ。」

先頭に立った男子生徒が、皆を促した。

こうして生徒たちは、夜の学校に足を踏み入れた。


 夜の学校は月明かりや街明かりを取り込み、ぼんやりと明るかった。

暗闇で何も見えないよりも、薄く見えるほうが恐怖心を呼び起こす。

人気ひとけはないが、時折、

警備員の懐中電灯の明かりが移動しているのがわかった。

「あの光は避けて移動したほうが良いね。」

生徒たちは無許可で夜の学校に侵入している。

余計な面倒はごめんと、警備員から姿を隠して移動していった。


 生徒たちは夜の学校で、怪談の元になりそうな場所を巡っていった。

見つける度にトイレの中に入ってみたが、

もちろん、便器から手が出てきたり、誰かが呼ぶ声が聞こえることもなかった。

体育館や体育倉庫も覗いてみたが、きれいに整頓されていて、

幽霊や怪異の居場所のようには見えなかった。

空き教室を適当に物色してみたが、何の反応もなし。

窓に血糊の手形が現れたり、黒板に文字が書かれていることもなく、

せいぜい、机の中に忘れ物を見つけた程度だった。

次は私立学校らしい高価な室内プールを覗く。

しかしプールの水は抜かれていて、中から妖怪が出てくる余地もない。

更衣室類もきれいに整頓されていた。

今度こそはと音楽室を覗いてみる。

そこには暗闇の中でピアノが不気味に鎮座している。

しかしピアノは鎮座しているだけで、何の音色も奏でない。

「試しに弾いてみようか?」

「警備員に見つかるから止めたほうが良いよ。」

それはそうだと、生徒たちはピアノをいじくるのを止めた。

こうして夜の学校を一通り巡った生徒たちは、

何の怪奇現象に出くわすこともなく、がっかりと肩を落としていた。

そうして次にたどり着いたのは、校門へ近い下駄箱だった。


 学校の出入り口には、同じような下駄箱が高層ビル群のように立っていた。

薄暗く人気ひとけのない学校では、そんな整った光景も異常に感じさせる。

スッと、下駄箱群の間を、黒い影が横切った。

「誰か、今そこを通った?」

「何のこと?」

気のせいだろうか。

下駄箱の間を縫って、誰かがいたような気がした。

「下駄箱の幽霊か。怪奇現象としては弱いなぁ。

 下駄箱には靴しかないし。」

「靴が幽霊に化ける理由もないものね。」

下駄箱で見た黒い影の真偽はともかく、怪談の元としては心もとない。

不満を感じた生徒たちは、下駄箱から移動していった。

今更もう一度校舎の上に上がるのも疲れるだけ。

結局、夜の学校に忍び込んだ数人の生徒たちは、

下駄箱からそのまま通用口に向かい、学校の外に出てしまった。

「今日はこれで解散だね。」

「みんな無事だったのは、よかったのか悪かったのか。」

「無事なのは喜ばしいことだけどね。」

そうして、集まった数人の生徒たちは、各々の家路についた。


 異変が起こったのは、その次の日の放課後だった。

「わたしの靴がない!」

一人の生徒が、下駄箱で騒ぎ始めた。

すぐに先生に事情が説明された。

どうやら、学校にいる間に、下駄箱の靴が失くなってしまったらしい。

誰かのいたずらか、はたまた靴を入れる場所を間違えたのか。

先生たちは調べてみたが、そのどちらの痕跡も見つけられなかった。

この学校は私立中学校。

皆、勉強熱心で、くだらないいたずらをする生徒も少ない。

きっと靴は野良猫にでも持っていかれたのだろう。

その時はそういう結論になった。

だがしかし、次の日もまた、下駄箱から靴が一足消えた。

二日間続けての靴の紛失に、先生たちは対策を考えることになった。

そして、生徒たちにも対策するようにと警告をした。

しかし、靴を教室に置いておいては床が汚れてしまうだけ。

原因がわからない限り、生徒たちは靴を下駄箱に置くしかなかった。

するとまた次の日、靴が一足失くなっていたのだった。

これは確実におかしい。

先生たちは職員会議を行うことになった。

その間、生徒たちは無防備に待ちぼうけ。

かと思いきや、コソコソと集まっている生徒たちがいた。

それは、数日前、夜の学校に忍び込んだ生徒たち。

彼らだけが知っている事実。

この靴が失くなるという現象は、

自分たちが学校に忍び込んでから起こるようになった。

「これってさ、わたしたちが原因?」

「原因ってどういうこと?俺たちの中の誰かが盗んだとか?」

「そういう意味じゃないよ。

 これこそ、学校の怪談じゃない?」

「靴が失くなる怪談か。怪談としては弱いけど、

 でも、実際に僕らが忍び込んでから靴が失くなってるわけだし、

 何らかの関係はありそうだ。

 幽霊にしろ妖怪にしろ、何のために靴を盗んでるのかはわからないけど。」

「わたしたちで原因を調べてみるべきじゃない?」

「うーん。」

「靴が消える怪談、調べてみようよ。」

生徒たちは怪談を求めていたとは言え、

全員が本物の怪奇現象に相対するような度胸は持ち合わせていない。

ぐずる何人かの生徒を引っ張る形で、件の数人の生徒たちは、

靴が消える怪談の正体を調べるために、また夜の学校に忍び込むことにした。


 あの日と同じように、夜の学校の前に数人の生徒たちが集まった。

「なあ、本当に行くのか?」

以前とは違い、一部の生徒は乗り気ではない。

「いまさら後には引けないでしょう?

 それにわたしたちが眠れる幽霊を起こしちゃったかもしれないんだよ。」

責任があるかないかと問われれば、あると答えることになる。

なぜなら、靴が失くなる現象は、

自分たちが怪談探しをした後から起こり始めたから。

そうして渋々、生徒たちはまたあらかじめ開けておいた通用口から中に入った。


 学校の中はこの間と同じく、薄暗く静まり返っていた。

靴が失くなったことへの対応なのか、警備員の懐中電灯の数が多い気がした。

下手に動けば、自分たちが捕まって、靴の盗難犯にされてしまうかもしれない。

生徒たちは慎重に夜の学校の中を移動していった。

今度は音楽室や教室に行く必要はない。

事件現場の下駄箱に向かって一直線に移動していった。

途中には何の気配もない。

そのはずなのに、何らかの気配を感じる。

見ると、下駄箱に黒い影が立っているのが見えた。

「あれっ・・・!幽霊か!?」

「しっ!静かに!」

生徒たちは気配を察知されないように、下駄箱の黒い影から離れて監視した。

下駄箱の黒い影は小柄だがガッチリしていて、子供ではありえない。

それだけでもう、学校としては十分に異常事態と言える。

黒い影は今、靴を手に持っている。

水で洗ったのか、靴は濡れてしまっている。

そして、水を湛えた鍋に靴を浸した。

どうやら、下駄箱の先にある、水道の蛇口から水を取ってきたようだ。

「あるいは、あれが幽霊なのかも・・・」

怖がる生徒の口を塞ぎ、事態の推移を見る。

黒い影は下駄箱を通り抜け、昇降口の脇の小さな扉に入っていった。

「あの扉って何だっけ?」

「多分、地下倉庫かなにかだと思う。」

「幽霊が地下倉庫に入ったってこと!?」

「それか何者かがね。」

「とにかく、このままにはしておけない。行ってみよう。」

生徒たちは地下倉庫への入口を開け、なるべく静かに階段を下っていった。


 地下倉庫への狭い階段を、生徒たちが押し合いへし合い下っていく。

気になったのだが、妙に湿気を感じる。蒸し暑い。

今の季節には感じられないほどの蒸し暑さだ。

それに、薄ぼんやりと明るさを感じる。

幽霊?揺れる明るさは火を連想させる。

そうして黒い影の正体は現れた。

黒い影は、坊主頭の小男だった。幽霊ではない。

その小男が、鍋を作って具を頬張っているところだった。

「もぐもぐ・・・。むっ!?そこにいるのは誰だ!」

生徒たちは身を隠しながらその光景を見ていたが、

小男の勘は鋭く、あっという間に見つかってしまった。

小男は刃物を取り出して生徒たちを脅し、一列に並ばせた。

「なるほど、お前らはこの学校の生徒か。

 警備員は誤魔化せたのに、まさか子供に見つかるとはな。」

くくくっと小男は笑った。

相手は刃物を持っている。

生徒たちは恐れながらも勇気を奮い立たせて尋ねた。

「あ、あなたは誰?ここで何をしているの?」

すると小男は、ニヤリと嫌な笑い方をした。

「俺か?まあ名乗るほどの者じゃない。

 闇の仕事をしてるんだが、最近ちょっと警察に目をつけられてな。

 数日前、この学校の通用口が開いてたんで、隠れ家にさせてもらった。」

数日前と言われて、生徒たちはギクリとした。

夜の学校の肝試し。

あの時に開けておいた通用口を、この小男も通っていたのだ。

つまりこの強盗だか何かをしている小男が学校に忍び込んだのは、

あの時の自分たちの行いのせいだったのだ。

生徒たちは自分たちの迂闊な行動に唇を噛んだ。

そうは言っても後の祭り。

今は小男に刃物を向けられ無力な存在。

次はどんな目に遭うのかもわからない。

それでもなんとか話を逸らそうと、生徒たちは尋ねた。

「あなたはここで何をしているの?」

「俺か?今は夕飯の最中さ。

 幸い、この学校では水道や燃料には困らなかったんでな。

 ただ・・・」

「何を食べているの?お鍋?」

「それだ!この学校には食い物がなくてな。

 大っぴらに探しに出るわけにもいかず、学校の中から食料を探したわけだ。」

「学校にある食料・・・?」

それを聞いて、生徒たちは最近の現象を思い出した。

靴が盗まれる事件。

「そうか!あんたは、靴を食べてたのか!」

「どういうこと?」

状況のわからない生徒が横から尋ねる。

「うちの学校の制服の靴は本皮の革靴だ。

 本皮で作られた靴は、食べることができるんだよ。

 昔、船で難破した人が、それで飢えをしのいだって話がある。」

「あっ、それわたしも聞いたことがある。」

生徒たちの会話に、小男は笑った。

「そうだよ、その通り。

 学校にある食料と言えば、靴ぐらいしか見当たらなかったんだよ。

 この学校の制服の靴が本皮で助かった。

 まあ、味は望むべくもないがな。

 そうやって俺は、夜はここに籠もって隠れて、

 昼間にこっそり革靴を盗んで、食料にしていたんだ。

 この辺りから警察が減るのを待つまでな。」

小男は茹でた革靴を齧り、硬そうに噛んで飲み込んだ。

生徒たちが精一杯の虚勢を張る。

「そ、そんなことで逃げ切れると思う?」

「俺たちがここでのことを先生に話せば終わりだぞ。」

すると、小男の目からスッと温度が消えた。

「それは困る。

 だからお前たちにはここで死んでもらう。

 ・・・と言いたいところだが、それでは大事おおごとになりすぎる。

 だから、こうする。

 まずはお前たち全員の名札か生徒手帳を寄越せ。」

小男は生徒たちから名札と生徒手帳を奪っていく。

「これがあれば、俺はいつでもお前たちを襲いに行ける。

 だから、取引だ。

 手を出されたくなければ、俺のことは口外するな。

 どうせいつまでもここにいるわけじゃない。

 暫くの間だけでいい。

 そうしたら、俺もお前たちには手を出さないでいてやる。

 どうだ?」

一も二も無い。生徒たちには実力的にも交渉材料がないのだ。

先生に伝えれば、この小男は捕まるだろう。

しかしその前にちょっとでも隙があれば、誰かが傷つけられる。

学校にいる生徒たち全員が人質のようなものだ。

学校に生徒がいる間には動けない。

しかし先生もまた、基本的に学校に生徒がいる間にしかいない。

学校に子供がいない、大人だけがいる時間はない。

警備員に知らせても、捕まる前にこの男は誰かを傷つけに行くだろう。

そのために名札と生徒手帳を奪ったのだから。

生徒たちは歯を食いしばって、小男の要求を飲むしかなかった。


 学校の靴が失くなる現象は、忍び込んだ泥棒の仕業だった。

すぐにでもそれを先生に知らせたいが、そんなことをすれば、

小男が捕まるまでの間に生徒を傷つけかねない。

どうすればいいのだろう。このまま逃がしたくはない。

そうして生徒たちは考えた。

「どうすれば、あの男のことをみんなに知らせられると思う?」

「こっそり先生に電話をするとか。」

「それじゃどっちみち先生が動いたところを見つかるよ。

 そうしたら近くにいる生徒が危ない。」

「夜に動いてもらうとか。」

「それじゃ男に逃げられちゃう。

 あの男、隠れるのは得意なんだから。

 男が逃げる先は、僕たちの中の誰かの場所だろう。

 住所はもう知られているんだ。」

なんとかしてあの小男が隠れにくい昼間に、

先生に小男を捕まえてもらえないものか。

頭を突き合わせた生徒たちは、ある方法に気が付いた。

「そうだ!怪談だ!」

「どういうこと?」

「学校に怪談を流すんだよ!

 下駄箱に怪異が出て、靴を食べてるって。

 そうすれば、生徒たちは学校にいる間でも、下駄箱に近付かなくなるはず。」

「それでも登下校には使わざるを得ないでしょう?」

「僕たちが使った通用口を使えばいい。狭いけど、通れないことはない。」

「そうして下駄箱を使う生徒たちが減ったところで、先生に頼むんだ。」

「先に先生に相談しておこうか?」

「怪談なんて先生に信じてもらえるものかな。

 でも生徒が下駄箱に近寄らなくなれば、原因を調べようとするかも。

 そうすれば近くにある昇降口の地下倉庫にも行ける。」

「まず、生徒たちに靴を食べる怪異の怪談を話す。

 それを信じた生徒たちが少しでも下駄箱を使わなくなれば、

 生徒たちの安全はいくらかでも確保できる。

 その後、先生は生徒が下駄箱を使わなくなった原因を調べようとするだろう。

 そこで僕たちが、地下倉庫のあいつのことを、それとなく伝えるんだ。」

「よし、その順番でいこう!」

そうして生徒たちは、行動を開始した。


 それから何日も経たないうちに、その学校にはある噂が流れた。

下駄箱の幽霊の怪談。

下駄箱には飢えた幽霊がいて、生徒を食べようと狙っている。

生徒が見つからない場合は、靴を食べてしまうという。

だから生徒たちは、下駄箱に近づかない方がいい。

怪談などというものに慣れていない生徒の間で、

下駄箱の幽霊の怪談は、あっという間に広まっていった。

皆、登下校は通用口を使うようになり、下駄箱に靴を置かなくなった。

先生たちも生徒たちが下駄箱を避けるのを知ることになった。

そうして、昼間の先生がいる時間帯に生徒を下駄箱から遠ざけた上で、

あの生徒たちは小男の話を先生に打ち明けた。

「先生、下駄箱の近くの地下倉庫に、よくないものがいます。」

話を聞いた先生たちはすぐに職員会議を開き、

これを侵入者によるものと判断し、制圧用具を用意。

勇敢にも下駄箱の近くの地下倉庫への入口を包囲することにした。

先生たちが突入してしばらくして、小男は先生たちに拘束されて出てきた。

遠巻きに見ている生徒たちに、小男が吠える。

「お前たち、約束を破ったな!

 覚えていろ!いつかお礼に行ってやるからな!」

すると生徒たちは涼しい顔で答えた。

「あら、何のこと?」

「僕たちは先生に、あんたがいるなんて言ってないよ。」

「ただ一言、よくないもの、つまり幽霊がいるって言っただけさ。」

「泥棒がいるだなんて、誰も言ってないよ。」

「靴なんか盗むから、足がついたんだね。」

「幽霊なのに足があるなんて、おかしいや。」

「くそっ!」

小男は言い返すことが出来ず、やがてやってきた警察に引き渡された。


 こうして、この学校には再び平和が戻ってきた。

ところが生徒たちの間で、靴を食べる幽霊の怪談は今も広まっていた。

その原因は、生徒たちを無用に不安にさせまいと、

先生と警察が相談し、あの小男が学校内にいた事実が伏せられていたから。

もちろん、計画した数人の生徒たちも口止めされ、真相を話すことができない。

だから、靴を食べる幽霊の怪談は、決着がつくことなく、

事情を知らない生徒たちの間で語られ続けている。

そうして、いたずらや何かの事情で靴が失くなった時は、

靴を食べる幽霊が現れたと大騒ぎになるのだった。

思いがけず怪談を作る切っ掛けになった生徒たちは苦笑するしかない。

こうして怪談が存在しなかったこの学校にも、怪談ができあがった。

それは決して人を傷つけたり怖がらせる内容ではなく。

人を守るために作られた幽霊の怪談なのだから害はないだろう。

ちょっとしたいたずら心を胸に、事情を知る生徒たちは口をつぐんでいた。



終わり。


 学校の怪談は数あれど、怪談を人為的に作る場合を考えました。


怪談で人払いができるのは何歳頃までか、

あるいは逆に怪談で好奇心旺盛な人を呼び寄せてしまう結果になるかも。


この学校の怪談の元になる人物は、

幽霊ではないけれど、実際に靴を食べる人間でした。

本皮製品って昔話のように本当に食べられるのでしょうか?

食べられるのであれば、鶏皮みたいで美味しいかも?


お読み頂きありがとうございました。


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