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アンデット・ターン!  作者: 空色レンズ
第三部:魔神編
39/62

(29) ~ デジャヴしかない

 暑いな、と思って、タイキはぱちりと目を開いた。


「あ、……あれ?」


 見慣れない豪奢な部屋、自分が寝ていたのは天蓋付きのキングサイズベッド。

 おかしい。ほんの二、三秒前まで、自分は殺風景なアンデットの結界におり、力の供給を終わらせてデルフェールたちと家へ帰る途中だったのだ。そこへ、なにやら慌てた様子のリジェラス、ヴォーゴが現れて。

 そこからの記憶が無い。というか、いつの間に気を失っていたのだろうか。


「え、え、えぇええええどういうこと?」


 とりあえず、ナポレオンコートにマントを羽織ったこの姿では暑くてたまらないので、マントを脱いでコートの前ボタンもすべて開けておいた。中に着ているのは薄い灰色のシャツだが、汗を吸い込んでじっとりとしており気分が悪い。

 ベッドの縁に腰掛けながら、ぱたぱたと手うちわで首筋をあおいでいると、控えめなノック音が部屋に響いた。


「ふぇい?」

「失礼いたします」


 タイキの惚けた声を許可ととらえたのか、隅々まで彫り細工を施されたドアが音も無く開かれた。入ってきたのは、どこか冷たい印象を与える真っ白な肌の女性で、黒いワンピースに白いエプロンという典型的な侍女の格好をしていた。そして。


「あれ、目……」


 女性の目は、どこかの誰かさんと同じように白目の部分まで例外なく深紅に染まっていた。


「おはようございます、ネクロマンサー。強引な招待、大変申し訳ありません」

「招待……あ、ひょっとしてまたさらわれたの俺」

「端的に言うとそうなります」


 一切表情を変えずに答える侍女に、タイキはまた「ほえー」と気の抜けた返事を返した。


「えっと、ここどこですか?」

「こちらは、デーモンの結界内に存在する、ディアボロ様の居住区、そのうちの客間の一つでございます」

「げ、結界超えちゃってるんだ。でもどうやって」

「ディアボロ様はそういったことを得意としておりますので」


 唐突に、以前リッパーと話した内容がリフレインする。


『ヤツぁ気まぐれで滅ぼした人間の町から、男女問わず何十人っつぅガキを自分の庇護下に置いて、適当に育ってきたところで乱交しやがるような変態だぜぃ』


「あははははははまっさかなー」


 引きつった笑い声を響かせるタイキ。侍女は、そんな変わった客人をぼんやりとした目で眺めていた。


「あー、それで、俺をここに連れてきたのはディアボロさんでいいんですよね」

「はい。リーダー自らがお出になりました」

「それじゃ、今ディアボロさんってどこに?」

「ただいま取り込み中ですので、わたくしが代わりに話し相手をしろと命じられました」

「自分で連れてきておいて!? フリーダムですねディアボロさんって……」

「申し訳ありません」

「あ、いや、怒ってるわけではないです。ぶっ飛んだリーダーなんてロティだってそうだし」


 はあ、とため息をついて、タイキはほおづえをつく。入り口のそばには、侍女が直立不動の体勢で立ち続けており、なんとなく怖くなったのでいすに座ることをすすめたら、存外あっさり座ってくれた。


「侍女さんの名前は?」

「フィーと申します」

「そっか。じゃあフィーさん」

「わたくし程度の魔族など、呼び捨てで結構、敬語も必要ございません」

「え、う、うん。フィー、あのさ、ディアボロさんの用事が終わるまでに、ちょろっとアンデットの結界に戻るってことは」

「できません」


 すっぱりばっさり言い切られ、ですよねーとタイキはそのままうなだれた。


「み、みんなにまた心配かけまくっちゃう……」

「申し訳ありません」


 すまし顔で謝罪の言葉を発するフィーに、なんだかデコピンを食らわせてみたくなったタイキだった。

この短さ、初期を思い出します……。

でも、あんまり長いよりかはこれくらいの長さでぽつぽつ投下したほうが私としては気楽ですね。


……文章の質が落ちてるって? わかってる、わかっているよ(遠目

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