第三話 開戦
第三話 開戦
俺達は勝たなければならない。俺の手持ち25000円。これを2週間以内に280000以上にしなければならない。それなのに、何故目の前のコイツはプカプカタバコなんざ吸っている!?
「なんか言いたそうだな?」
「当たり前だ! 何が体を慣らすために交代しろだ!? オメエただタバコ吸いてえだけじゃねえか!? 俺の大事な体でゲホゲホしやがってよ! 肺ガンになっちまったらどうすんだよ!? 大事な種銭から1800円もタバコ買いやがって!」
「勝つためだ。俺はタバコ吸わねえと調子でねんだよ。ゲホゲホ」
「もういい。それ吸ったらいくぞ! ところで俺として店に行くわけだけど会話とか大丈夫だろうな?」
「クククッ何年お前見てると思ってんだ? 小野寺薫の立ち振る舞いしてやるよ」
「信用してるからな。頼むよ」
程なくして新世界に着いて階段を登り自動ドアが開いた。なんだか新鮮な気分だ。心なしか霊体である自分にも慣れてきた気がする。従業員の石塚がいらっしゃいと声をかけて来る。
「いらっしゃい薫くん。大変だったね。困ったことがあったら何でも言ってね」
「いや悪いね石塚さん。部屋追い出されてまいっちゃったよー ついでに30万くらい貸してくんないかなー?」
クック 守一の奴やるな。まんま俺の立ち振る舞いじゃねえか。さりげなく目標達成しようとしてやがる。
「いくら薫くんでもそれは無理だよー 早速だけどお客さん2人待ちだったから卓立てようか」
「ツイてるね。ところで石塚さん俺と1万円サシウマやらない? バイトまで7時間だから8回戦ってことで」
馬鹿かコイツ!? 手持ち25000円でピンの2-4面祝500円でサシウマ1万なんてやったら半荘一回ラスでパンクまであるじゃねえか!? 気が狂ってる。「よせ! やめろ!!」くそ、無視しやがって。よし、今夜負けたらお祓いに行こう。消えてくれるか分かんないけど封印でも何でもされちまえばいいんだ!」
「藪蛇だねー 本当は従業員としてサシウマなんて受けちゃいけないんだけど......いいよ、受けてあげる。他の人にはナイショだよ?」
狸が! 石塚の野郎ニヤニヤしやがって!!もういい。どうせ勝たなきゃもたねえんだ。何もできない自分が情けないが、自分の分身を見届けるとしよう。
「星野さーん 紺野さーん お待たせしました。ご案内でーす」
石塚のドラ◯もんのような声が店内に鳴り響く。体型もドラ◯もんそっくりだ。
「掴み取りでお願いします。 紺野さんが西で星野さんが東、薫くんが南で僕が北」
着卓し、おしぼりで顔を吹く守一。星野さんが声をかけてくる。
「君も好きよのーう」
「クククッお手柔らかに頼みますよ」
守一の余裕がなんかムカつく。
「あれ? 君タバコ吸ってたっけ?」
やはり紺野さんは目端が効く。
「やだなぁ60年前から吸ってますよ。ゲホゲホ」
ハハハッと場が和んだとこでアルティマの親決め機能で起親となる。
ゲームスタート!