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第2話『変形』のゴーレム 5

 少年を見送った後、俺も魔法陣に入ろうとしたら騎士団長らしき人に呼び止められてしまった。


「ギンタ様とお呼びしてもよろしいですか?」


 俺が頷くのを確認すると、騎士達がざわめく。


「名を与えたのは王子ですか?」


 前世で父親から貰った名前だし。王子じゃないな。首を横に振ると、またしても騎士達はざわめく。何なんだよ。


「質問に答えたぞ! 言葉を理解してるのか?」


「名持ちの魔物は知性が高いと聞いてはいたが」


「だがゴーレムが自我を持つとはやはり考えにくい。どっかの錬金術師が作ったのが逃げたんじゃないのか」


「王子は会話も出来るとおしゃってたぞ」


「魔法でゴーレムを遠隔操作していた方が現実的だと思うのだが」


「鳥型鎧で、中に人が入ってるんじゃないか。誰か確かめてこいよ」


「王子が悪戯してるわけでもなかったのか」


 王子が消えたタイミングで声を掛けたのは、王子がいないと俺がどう反応するかを見たかったのね。


「ゴードン卿、どう思いになりますか?」


 騎士団長らしき人が村長さんに訊ねる。ゴードン卿って誰か思ったら村長さんの名前か。卿なんて呼ばれるくらいだから、やっぱ貴族だったのか。 


「なんだ、お主等はまだ疑っているのか。私は王子もギンタ殿も信じる。それに熱心なデウス教徒みたいだしの」


 村長さんの言葉に皆が大声で笑い出す。今の何が面白いんだ。デウス教徒に笑う要素ある? ふと自分がデウス神像を咥えたままだったのを思いだした。すいません。忘れてました。


 デウス神像を壊さないように、ゆっくり丁寧に村長さんに返すと「えー、村長いらないんですけどぉ」と呟くのが聞こえた。俺はもっといらない。


「ギンタ殿にお願いがあるのだけど宜しいかな? 聞いて頂けるのなら、私から王子の減刑やギンタ殿の安全性を王へ具申してみるが?」


 村長さんのお願いの内容にもよるけど、安全性を保証してくれるのは悪くないかも。俺、魔物だからみんな警戒心高いし、城なんかに行ったら何されてもおかしくないしな。


 俺が頷くと村長さんも満足そうに頷く。


「この村からちょっと離れた所に湖があって、そこに魔物が住み着いてしまってな。村の若者達で追い払う予定なのだが、その同行をお願いしたい」


 魔物を追い払うなら、そっちの強そうな騎士に頼めばいいのに。翼で騎士達を指すと村長さんは首を横に振った。


「その者達は近衛騎士団といってな。今回は王子救出の為に王から直接派遣されただけで、基本的に王や城に関わる事以外は介入しない。魔物を追い払うのは兵士や冒険者の仕事なんじゃよ」


 なるほどね。


「兵士に依頼すると時間がかかる。冒険者に依頼すると金がかかる。そんなに強い魔物でもないし自分達で追い払う事にしたのだが、ギンタ殿も付いてきてくれるなら心強い」

 

 喧嘩は苦手なんだけど、この体って兵器だったんだよな。そんなに強くない魔物ならやってみようかな。


「おお、やって下さるか。なら早い方がいい。ギンタ殿は後から城へにお連れするから、お主等は先に帰ってもよかろう」 


「我々の任務は王子の救出。故にゴーレム……ギンタ様の処遇に付いてはゴードン郷にお任せいたします。ですが調査もありますのでギンタ様を必ず城へお連れするようにお願いいたします」


 騎士団長さんがそう言うと、騎士団は魔法陣で帰っていった。 


(少年よ、俺は今から湖に行ってくる)


 心配するといけないので、心で少年に語りかける。

 

(えー、ギン、タだけ、ズルい。………。………聞こえる?)


(少年の声、なんか声が変なんだけど)


(腕輪がないと通信魔法が使えないのか。この腕輪は国宝だから返さないといけないんだよ。でも外すとギンタの声聞こえないし、そっち、も、僕の声、届、か、なく……、なるよね?)


 どうやら少年は腕輪は外したり付けたりしてるみたいだ。だから俺の声は少年しか聞こえないのか。俺の能力だと思ってたけど腕輪の力なのね。


(王家の秘密に関係することだし、腕輪を下賜して貰いたいから、父上にギンタの事を話すけど良い?)


(それしかないかな。それに王様が味方の方が頼もしい)


(暫く通信出来なくなるけど、心配しないで)


(おう。少年も俺の事は心配ないぜ)


 よし。少年に報告も済んだし頑張るか。




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