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第2話『変形』のゴーレム 4

 俺が村に入ると警戒しているのか村人達はみんな家の中に隠れてしまった。別に仲良くするつもりはないが、ちょっと悲しい。


 おかげで道は誰もいないから、村長の家までは快適ではあったけどね。


 空から眺めた時は何とも思わなかったけど、村という割には広いし住人も結構いるな。 


 村長の家は貴族でも住んでいるのかと思うくらい立派だった。玄関先に門や庭があり、その奥に本邸がある。王子の先生をしてたくらいだから、実は偉い貴族だったりするのかな。


 門をくぐり抜け、玄関まで入ると少年が大きな声で「だだいまー」と扉をドンドンと叩く。メイドさんでも出迎えてくれるのかなと思ったが、すぐに村長が出てきてくれた。


「ちょうど良いところへ戻られました。お迎えに行こうと思っておりました」


 あれ? なんか村長怒ってる?


『敵性反応あり、転移してきます。索敵レーダー起動』


 庭に魔法陣が現れると、次々と武装した騎士が出てきて俺を囲むと槍を構える。


 レーダーによると、家の中にも10人程いて、窓から弓や魔法を放とうとしているのがわかった。


 この騎士達は村人じゃないよね? こんなに大勢、何処から出てきたの? それに俺なんかした? 


「昨夜、王子の訪村をお城へ連絡させて頂きました。王子は行方知れず、国宝の腕輪は盗まれるで城内は大混乱だったそうで、王子の無事を報告すると大変喜ばれておりました」


 少年もそんな事言ってたな。やっぱり大事になってたか。


「さらに今朝、デウス教の神殿より御神象を破壊した三人組を探していると通信が届きましてな。三人組は見たこともない鳥型ゴーレムを操り、王子に似た子供を攫って行ったそうじゃ」


 村長は少年の前に庇うように立つと、俺を睨みながら杖を構えた。大きな火の玉が杖の先端に浮かび上がる。


「ゴーレムに自我があるなどと可笑しな話だと思っていた。デウス神像を破壊しただけでなく、王子まで攫って何をやらせようと企んでおった!」


 別に何も企んでないよ!


「だが、転移魔法陣がある我が家に来たのが運の尽き。王子よご安心ください。私達が御守りしますゆえ嘘など付かなくても大丈夫ですぞ。さぁ、本当の事をお話しくだされ!」

 




「だから村長の勘違いだよ。近衛騎士団もギンタを解放して」


「なる程、ギンタ殿に攫われたのではなくむしろ助けて頂いたと」


 少年は正直に自分にあった出来事を話す。あれは助けたというよりは、操ってた男が勝手に少年を解放したんだけどね。


 それと俺の事は自我のある自然発生のゴーレムで、たまたま神殿の近くにいた事にして、ゼウス神像だった事や転生したことは内緒にして貰った。


「城を勝手に抜け出した事や、腕輪持ち出したこと本当にごめんなさい。ここまで大事件になるとは思わなくって」


「では、三人組にもギンタにも脅されててたのではなかったのですか」


 村長は、はぁーと大きな溜め息をつく。


「王子の処罰は王に任せるとして、ギンタ殿は疑ってしまい申し訳ないことをしてしまった」


(少年はどんな罰受けるんだ?)


「前に抜け出した時は王位継承権を一つ下げられて第三位に、あとは1ヶ月の城内掃除を命じられたよ」


(重いの軽いのか良くわからないけど、王位継承権が下がるなんて事あるの?)


「僕は下げられたけど。王様にならなくても良いなんて、むしろ褒美かな」


(アクティブなうえにポジティブで羨ましいよ)


「王子、転移魔法陣でお送りいたしますので御準備を。それと、この使役したこのゴーレムはどうなさいますか?」


 騎士団長らしき人が言うと、少年は俺の方をちらっと見た。


「僕の友達を使役したゴーレムなんて呼ばないでよ」


 なんて良い子だ。おじさんは涙腺弱いんだからやめてよ。


「かしこまりました。では何と呼べば?」


「みんなもギンタって呼んであげて。彼の名前なんだ」


「では、ギンタ様は後ほどお連れいたしますので先に魔法陣へ」


「じゃあギンタ、先に帰ってるね」


少年は魔法陣の上に乗ると、静かに消えていった。

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