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本屋の針谷さん  作者: 孤独タロー
4/5

藤の町お悩み相談室

 

 藤の町高校にて。


「ギャハ!」

 隣の山田が奇声をあげる。

「どうした山田。頭打ったか?」

「いやさ。この町でだしてる雑誌のお悩み相談室のコーナー見てたら笑ったわ」

「面白いのか?」

「加藤も見るか? ほらよ」

 山田に渡される雑誌。タイトルは藤の町。花の絵と簡素なタイトルの表紙だ。

 目次を見てパラパラとめくり、お悩み相談室のコーナーへ。


 質問、、人間関係よく整理しちゃうんですよね笑。なんというか観察眼が悪いのかなって笑。どうしたらそういう眼を養えますか? 笑。


 答え。貴方は整理されてる側です。今まで深い関係に一度でも他人となった事がありますか? そもそも仲が良くなるまでその人達の事を考えていますか? 貴方の人間としての底の浅さがでてるので観察眼とかそういう段階ではないです。生まれ変わりましょう。



 バッサリじゃねーか! こわっ! 次を見る。


 質問、、好きだったのにいざ付き合ってみると恋人を嫌いになってしまいます。


 答え。それは最初から好きではないです。その相手のもってる何かしらで貴方が誰かにマウントを取りたかったという気持ちや、自己の欲求だけを満たすために行動して達成したら満足したという結果などです。本当の愛を見つけましょう。本当に好きだったらそんな事起こり得ません。その前に貴方は付き合った相手を傷つけたので反省してください。愛などではなくただ強欲なだけの自分を見つめ直して生まれ変わりましょう。



 え、大丈夫これ? 炎上しないこの雑誌? 地方だから許されるってレベルじゃねーぞ。次を見る。


 質問、、ちょっと前にポテサラ作ってだせと言った人で議論になりましたがどう思います?


 答え。ポテトサラダのレシピを見ましょう。かなり面倒で根気のいるレシピです。作って貰ったら愛してると作った方にいいましょう。きっと作ってくれる人は食べる相手を愛しています。毎日ポテトサラダを作って貰えるような人間になりましょう。作ってだせと命令する奴は明日を生きる資格がないです。生まれ変わりましょう。



 読むのをやめた。答えの最後に小さく回答者針谷と書かれていたので。

 いや。あのおっさんなにしてんの?

「な、面白いだろ?」

「…シンプルにやべえなと思った」

 雑誌に載せてるのが。

「あー。針谷って人が回答してるみたいだな。会いてえわ」

 俺は火曜と木曜の放課後と土曜日に会ってるけどな。

「僕は……テロリストが来たら……こうしてこうする」

 後ろの田中の独り言が聞こえる。

 そうか。もうすぐ朝のホームルームか。

「まあ、会わないほうがいいんじゃねーかな。思想強めだし」

 やんわりとやべえぞこのおっさんと釘を刺す。

「暇だからなあ。後ろの田中みたいに妄想するようになったら終わりだしよ」

 こいつもたいがい人格が終わってるな。

 クラスメイトも全員揃い、前の扉が開く。

 金髪の外国人が入ってくる。

 もちろん担任ではない。

「どうもテロリストです。動かないでください」

 ……よし。田中。こうしてこうしろ。






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