僕とスライムと時々前田
スライムゼリー
その名の通りゼリー状の物体。用途は、凍っても溶けにくい所や飲んでも安心ということで保冷剤や、熱すると液体になって戻らない為不凍液にも使われている。
という使い道もあるが一番は、職業である錬金術師の錬金材料である
早速、召喚したスライムのステータスを見ていこうと思う。
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スライム(希少種)
名前:空欄
レベル1
HP 26/26 6UP
MP 0/0
攻撃力 13 3UP
守備力 1
攻撃魔力 0
回復魔力 0
力 13
身の守り 1
素早さ 5 1UP
器用さ 17 4UP
《スキル》
【物理攻撃半減】 【魔法攻撃半減】
【土遁】 【軟体】
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普通のスライムよりは、ステータスが高めだがそれでも低いものである。だがこのくらいのモンスターの強さの場所であれば十分通用するし可愛いので許すとしよう。
さて、せっかく召喚したのだから名前を付けてあげよう。 レアモンスターのスライム…レモンスライム…レモンライム…柑橘系…橘…
よし!スライムの名前は、橘さんにしよう
そう思っているとスライムのステータスが変化する。
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スライム(希少種)
名前:橘さん
レベル1
HP 28/28 2UP
MP 0/0
攻撃力 14 1UP
守備力 1
攻撃魔力 0
回復魔力 0
力 15
身の守り 1
素早さ 5
器用さ 17
《スキル》
【物理攻撃半減】 【魔法攻撃半減】
【土遁】 【軟体】
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名前ができスライムも喜んでいるのか身体を上下させている。
『スライム(希少種)がネームドになりました一部ステータスが上昇します。』
名前を付けるとステータスが上昇するらしい。
橘さんの戦闘能力を見ようと探索を再開する。
30分は探索していると15メートル先にスライムを3匹見つける。早速橘さんが土に潜りスライムの一匹に近づき下から頭突きをするが物理軽減の為殆ど効いていない、スライム3匹と橘さんの勝負は、ほぼ互角でありお互いに決定打に欠ける見るに耐えない戦いが展開されている。
そろそろ決着を着けるとしよう。念の為橘さんには、戻ってもらおう。
しかしここで問題が発生する意思疎通のはかり方がわからないのだテレパシーの様に意思を伝えるスキルは、持っていないし、声に出したとしてもスライムは、知能が無いので話が分からないらしい、けどレモンな訳だしもしかしたら通じるかもしれない。
「橘さん、戻ってきて!」
橘さんがまだ戦い足りなそうに渋々と戻って来る。
何だ通じるじゃないか。
そう思いながらスライムに土塊を落として魔結晶に変える、と魔結晶に加えてゼリー状の青く透明な物体、スライムゼリーを手に入れる使い道は、分からないがそこそこの値段で売れるので回収する。
スライムでは余り強さが分からないのでビックバットを探し始める。
しかし、物欲センサーというのは存在するもので30分経ってやっと天井に張り付く四匹のコウモリを見つける。
「橘さん、行ってきてくれる?」
僕の横に居た橘さんがプリンの様に横にプルプル震え今度は、土に潜らず歩いて近づいていく。
スライムは、目が付いておらず未知の方法で周りの状況を把握しているらしい、その影響で余り詳しくは、見えないらしく敵の大まかな位置ぐらいしか分からない。
という事で、僕が指示を出して橘さんに避けて貰おうと思う。
「橘さん!右に避けて!」
橘さんに気づいた1匹が突進を仕掛けるが、橘さんが右に避けてそのまま脚を絡め取り首の骨を折り絶命させる、その間に攻撃しようとしていた3匹には、金属片を飛ばし羽を貫く飛べなくなった所で橘さんと協力してとどめを刺していく。いい感じに連携出来ていたと思う。
とどめを刺しているともう少し力を出せそうな感覚に陥る。これがレベルアップの感覚らしい。
橘さん、一体でコウモリも相手できる様だ。これで戦闘が大分楽になる、喜ばしい限りだ
時計を見るとダンジョンに入ってから1時間20分である、そろそろ戻ろうと橘さんを頭に乗せる。橘さんは、20センチ以上の厚さがあるつまりこれで僕も170センチの大台突破!
誰にも人権が無いとは言わせない!
迷宮を抜けて迷管省の地下に出て来る。
やっと帰ってきた。
帰っている道中も敵に襲われMPがなくなり途中からは、橘さんと、一緒に殴る羽目になってしまった。殴っている時にもレベルアップの感覚があったので、これでレベルは、3になっているはずだ。
「これで試験は、終わりだ。魔結晶の買取りと従魔の登録をするから3号室に戻るぞ」
「はい!」
3号室にて…
「九級の魔結晶が6個で600円、7級の魔結晶が9個で2250円とスライムゼリーが120gで600円締めて3450円だ」
「ありがとうございます」
2時間ちょっと潜ってこれなので、美味しい部類である。
『命をかけてやっているのだから割に合わないのではないか』
と言われるかも知れないが6級の迷宮での死亡件数は、一般人に迷宮が解放された30年前から今までで1000件も無い
絶対に大丈夫と言わないがリスクとリターンは、見合っていると思っている。
「次は、従魔の登録だな、ここに自分の名前と従魔にしたモンスターの種類を書いてくれ」
「はい、分かりました」
登録の紙には、最大5匹の種類が書ける、
一度の探索で3匹以上捕まえることがザラにあるらしいのでとても便利である。
「これで今回の試験は終わりだ。結果は、追って伝えるので今日は、しっかり休む様に」
「はい!ありがとうございました」
地上に戻って来た。
まだ太陽が出ている時間帯の筈だが自分の顔だけが日陰になっている不思議に思って当たりを見渡すが自分の顔だけが隠れる都合のいい建物は何処にもない。
目線を上に上げると帽子の様に日光を遮っている橘さんがいる。
日差しが眩しかったのでとてもありがたい。
『外で従魔を出して大丈夫か?』という声が聞こえて来るが、大丈夫だ、問題ない。
5級以上で2匹以上で無ければ法律的にも無問題である。
従魔は、外に出しているだけでもMPを消費する、詳しくいうと召喚コストの5分の1(橘さんであれば1)
1時間で掛かって仕舞う。
問題は、MPが枯渇した時に従魔の召喚が維持出来ないのでは?と思われるがこれは、大丈夫である。
MPは、自然回復するもので全MPの10の1、1時間で回復する(僕であれば、5)橘さんの消費魔力であれば自然回復で賄われるのだ。
家に帰るまで橘さんに帽子になって貰ったのだがヒンヤリ冷たいし、日差しを遮ってくれるしで橘さん様々である。
「ただいま〜」
「「おかえり〜」」
家に帰ると父と母がいた。桜の姿は、見えないがきっといつも通り友達の家にいるのだろう。
「どうだった?探索者の免許、取れそう?」
「うん、大丈夫だと思うよ」
実技試験は、筆記試験を合格している人でないと受験出来ない。筆記試験を合格している人は、知識がしっかりとあるのでほぼ落ちることは、ない。
「そのスライムは、どうしたの?」
「橘さん、テイムしたんだ」
「そ、そーなのね」
名前を言った瞬間呆れた様な目になったがどうしたのだろうか
あれ、僕何かやっちゃいました?
〜2日後〜
「えっと…1264…1264」
今日は、待ちに待った合格発表の日である
自分の受験番号を探す
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1250 1260 1272 1284 1261 1273 1285 1285
1252 1261 1274 1286
1253 1263 1275 1287
1254 1264 1277 1288
1255 1265 1278 1289
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どうやら合格していた様だ。小躍り気味で親に報告しに行く。
べ、別に喜んだんじゃないんだからね!
免許を取ったので早速明日迷宮を行って見ようと思う。
俺の冒険は、ここからだ!
〜完〜
まだ続きます
筆者「う〜〜ん」
桜「どうかしたの?」
筆者「ヒロインをどうやって出せばいいか迷ってるんだよ」
桜「そんなの簡単じゃない」
筆者「え!いい出し方があるの?!教えて、偉い人」
桜「ふふん!聞いて驚きなさい!食パン持して、お兄ちゃんとぶつからしたらいいのよ」
筆者「……」
桜「……」
桜「なによ」
筆者「気に入っていただけましたらいいね、ブックマーク登録、ポイントよろしくお願いします」
桜「何で勝手に終わらすのよ!?」
「それではここまで読んで下さりありがとうございました」
桜「ちょっとまちなさ…」