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雑記(仮題)  作者: soo
8/28

正しく、間違いなく自分のことを見て欲しいとも思わない。誤解上等、決めつけ上等、殴ってこなきゃ好きにしろ(殴ってきたらさすがに通報するけどな)。

 七日連続で小説じゃない文章を毎日書くのって中々辛いもんだなあと早くも実感し始めてる。小説だったら全然苦じゃないことが、エッセイもどきだとこんなに大変なんだなあ。ブロガーにはとてもなれそうにないや。考えたこともないけどさ。

 雑記とはいえ小説以外の読み物を書くとなると、どうしてもネタに乏しいせいか気づくと自分の中身を掘ってる。少しはキラキラしたものが出てきてもよさそうなのに、あいにくめぼしいお宝はない。ただ過去の苦しみの残骸みたいなものがときどきポロッと出てくるくらい。そんなもん見つめていたって仕方がないからさっさと遠くにぶん投げるんだけどね。


 最近ようやく笑い話にできたことのひとつに、ある体験があってさ。正直なんとも言い難い体験で、あえていうなら「奇妙な体験」だったな。創作活動における体験って、思えばヘンテコなものが多いかも。これはその中でもとびっきりヘンテコな体験だったりする。一緒に笑ってくれ。

 前のペンネームだったとき、ある作家さんとちょっとだけ関わりを持ったのね。その人が崇拝していた人と私がその頃は親しくしていて(今は特に関わりがない人です)、その人を挟んで関わっていた、みたいな。今思うと最初から相手は私があんまり好きじゃなかったんだろうけど、その人の大好きな人が私と付き合っていたから、関わりを持っていたんだろうな~って感じ。ちなみに私の作った本を買ってくれたりもしたんだけど、「感想を送りたいから奥付の住所に郵送していいか」と言われてワクワク待ってたらなぜかその人の書いた小説が入ってたりとかした。「作品の感想を伝えるより自分の書いた作品を読んでもらった方が良いと思った」と手紙には書いてあって、ビックリしたけど到着報告と共にお礼を伝え、読んで感想を送った。今思うと馬鹿にされてたのかもね。鈍いから気づかなかったんだけどさ。困惑はしたけど。

 で、まあそんな感じで意味分かんない人だったし、普段の発言とかもテンションが合わない感じがあったから積極的に関わらなかったんだけど、ある日いきなりDMで絶縁宣言がきた。しかもその理由がまた意味分かんなくてさ。「作品から察するに、恵まれた何不自由ない人生を送って、善良に生きている感じに嫉妬してしまって辛いから縁を切ります」だとか何とか、そんな感じ。「?????」って感じだったけど、そこから毒親の話とか、犯罪を犯したことがあるとか、何かそういう話をされた。私は基本、相手が言いたい放題いってくるときはひとしきり喋らせるのが常なので、連続で送りつけられてくるDMをひたすら読んで、時々相槌みたいなことを返してたんだけど、内心はビックリというか、ちょっと変な気持ちになってた。恵まれた何不自由ない人生。善良に生きている感じ。それって誰の人生の話よってな。


 私ってそんな風に見えるんだなーって。そう思ったら何かすごい笑っちゃったよね。いや、それなら良かったよ。本当に。もう私は過去からだいぶ遠いところに来たんだなーって。ちなみに一応誤解は解かないといけない気がしたから、その人には私がどういう環境で育ったかをざっくりと説明した。辛い目に遭ったからって、勝手に人のことを「苦労知らずの甘ったれ野郎」みたいに決めつけてくるのは失礼だし、ましてそれをぶつけてこられたらさすがにカチンときたのもあったし。勿論、その人の過去の苦しみを軽く見るわけじゃないよ。ただ、自分だけが重いものを背負っていて、楽しそうにしてる人は何も背負っていない、みたいに決めつけてくるのは違うじゃんって。結果「そんなの言われなきゃ分かんない」みたいな反応をされたんだけど、自分の過去の暗闇なんて、関係ない人にわざわざ話すようなことじゃないよね。


 このことがきっかけってわけじゃないけど、ただ、やっぱりどこかでちゃんと、傷つけられた自分から抜け出さないといけないんだなーってこのやり取りをしたときに思ったのは確か。そしてちょっと嬉しかった。何不自由なく育っていなくても、善良に生きていなくても、見る人によってはそんな風に見えるんだなって。そんな自分をどうにか作り上げたんだなって。いつも、自分はどこかおかしいんじゃないか、ちゃんとできてないんじゃないかって思ってる期間が長かったから、普通のハッピーな人に見えたなら良かった! って感じ。うえ、何だ今日ちょっと重い話っぽいな。ヘモグロビン足りてないから深刻さがバグってしまった。失敗失敗。


 正直、今はその頃に比べて他人から自分がどう見えるかって、真面目にどうでもいいので好きにしてくれって思う。今もし同じようなことを言われたら「あ、そう見えるんだね」で終了かも。だって人間って多面体だから。色んな面があっていいし、色んな見え方があっていい。正しく、間違いなく自分のことを見て欲しいとも思わない。誤解上等、決めつけ上等、殴ってこなきゃ好きにしろ(殴ってきたらさすがに通報するけどな)。ただ、もし気に入ったら存分に愛してくれ。そこは私の一面かもしれないし、存在しない幻かもしれないけど、でも何かを好きでいるっていうのはそれだけで滅茶苦茶ハッピーだから。好き勝手に愛して、各々で幸せになろうぜ。私は、私に好きでいさせてくれる人たちの、幻かもしれない一面が好きだよ。それが、その人のどの部分かなんてどうでもいい。ただ、その人がいてくれるだけでいいやって思う。

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