結局、今までの人生で何となく「そういうものだ」と思い込まされていて、そうじゃない可能性を考えてこなかったんだろうな。
ずっと後まわしにしていたことを一つ、今日済ませた。とはいえアプリをダウンロードしただけなんだけど。ちなみに「人生時計」というアプリです。生年月日と性別を入れると、残りの寿命が可視化されるというもの。それ以外の機能はゼロ。シンプルイズベスト。潔くて好き。
何で行動できたかというと、母親が性懲りもなく見合いの話を持ってきたから。三年の約束で婚活をして、そこで結婚しないときは諦めるという約束を平気で破りまくってくる。しかも話をしてきたのは通勤時の車内（私は母を毎朝自分の車に乗せ、職場に送り届けてから出社している）。こちらはハンドルを握っているから逃げ出せない。「その話はいい」と言っても諦めない。信号で停車するたび、わざとらしくその話を差し込んでくる。イラつくけれど、策士だなと思った。
「自分より母親のほうがどうしようもないと思う瞬間が、どんな女子にも必ずある」という台詞がドラマ「ゴシップ・ガール」の中にあった。「○○（私の本名）を結婚させないとね」と母が言うたび、その台詞が聞こえる。
私は未婚の独身主義で、それを公言してもいる。結婚は、ときかれたときに「まだです」と答えると面倒だけど「独身主義です」と言うと話題は終わる。それにしても、失礼というか不必要な質問だよなあ。親しい間柄なら知っていることなんだから、それを知らない＝お前は知らなくても困らないポジションの人間ですが？（要するに「こっちくんな」）と言いたい。関係ないじゃんね。
大体、独身＝結婚しないと選択したという発想が浸透してなさ過ぎて驚く。いい人がいたらしなよ、とか余計なお世話だよ。一応それなりに生きてきたんだから、いい人にも悪い人にも出会ってきた。ただ、いい人に出会うことと他人と家族になることを望むかどうかはイコールじゃないんだよ。他人と一緒に暮らして、名字を変えて、女性なら色々なリスクを侵して子どもを産むことが自分の人生にとって幸せかどうかって、よく考えた末に「いらない」って思う人が一定数人類の中にいるってだけ。そして、その人たちを色眼鏡で雑にジャッジする人がいるってだけ。
実際、私も何となく独身やってるわけじゃない。何年か婚活をしてみて、「自分は結婚したいのか」を徹底的に考えた。その末に決めた独身主義だ。幸せになりたいから結婚しない。それなのに「結婚しないと大人になれない」とか、「将来孤独死するよ」とか、「少子化が～」とか、いまだに周りは時々うるさい。結婚してもガキみたいな人はいるし、孤独死もするし、少子化は個人じゃなくて政治の問題じゃんね。
結婚に限らず「こうあるべき」っていう話をしがちな人って、実はそれについて自分の意見はないんじゃないかって、私はちょっと疑っている。「結婚して子どもを産まないと」って一方的に言ってくる人は、私が「なんで？」って理由をきくと曖昧な答えしか返してこない。私の母なら「幸せになって欲しいから」とかね。私は結婚するほうが不幸になりそうなんだけどって言うと、今度は「親の責任だから」ときたもんだ。結局、今までの人生で何となく「そういうものだ」と思い込まされていて、そうじゃない可能性を考えてこなかったんだろうな。結婚＝できないと不幸、未婚の子どもがいる＝親失格、みたいな。自分で考えた末の結論ならいいけど、そうじゃないって話せば分かる。私の幸せって何。親の責任って何。そういうことには全然答えられないから。「将来が心配だから」とかもね。結婚ってそういう保険だっけ。結婚したら余計に心配ごとは増えそうだけどね。
私は仕事が好きだし、趣味も大切で、結婚や出産はリスクだと思っている。それでもしたいほど誰かを愛したなら、リスクを侵す価値もある。でも「結婚するための相手」ならいらない。本当に幸せになって欲しいなら、その人が大切にしているものを否定せず、いらないものを押し付けないだけで良いのに。本当に、それだけでいいんだけどなあ。あとは自分でやるからさ。
実際、結婚して幸せなんだろうなって人は、私の知る限り「結婚しないと駄目だ」なんて軽々しく他人には言わない。そして、ちゃんと「結婚したくてした」人が多い。生活の安定のためとか、適齢期だからとか、独身だと色々言われるのが面倒で、とかそういう理由じゃなく、ただ「パートナーと家庭を作り、維持してゆきたい」という気持ちで結婚している感じ。そして、私が独身でいることを絶対に否定しない。目の前にいる人の意志や選択を重んじる。だから幸せになれるんだろうなと思う。
