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雑記(仮題)  作者: soo
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面白かったのは、長年勤めてきて定年後、再雇用で働いている大先輩のKさんが幽霊のことを知らなかったってこと(今日判明した)。

 ときどき休日出勤をすることがあるんだけど、よっぽどの特急作業じゃなければ実はそんなに嫌いじゃない。時間外手当てはいつもより多めに出るし、職場は静かだし(平日はひっきりなしに電話がかかってくるんだよね)、何となく非日常感があるのも好き。続くと体力が削られすぎて回復が追いついてこなくなるから、ほどほどにしないと後に響くんだけどさ。

 今日はまさにその休日出勤で、先週あまり進められなかったレギュラー案件を少し片付けてきた。休日出勤=忙しいって思われることも多いんだけど、私の場合、忙しくならないように休日出勤することのほうが多い。どうも、切羽詰まったり見通しが立たない状況が苦手で、そういう状態になるとメンタルが荒れるし、周りにもピリピリしながら接することになるから、それを避けるために忙しくならないようにしている。余裕をもって作業にあたるの、仕事ならできるんだけど、何でか同人活動では上手くやれない不思議。次の本こそは、もう少し余裕をもって入稿したいなあ。


 ずっと前、アンソロジーに寄稿したエッセイで社屋に出る幽霊のことを書いたんだけど、今日休日出勤組でその話をしてたら、最近入った子も見たらしくてちょっと盛り上がってしまった。やっぱりスーツの男性で、昼間仕事してたらフロアの中をウロウロしてたらしい。休日にしか出てこなかったはずなのに、どうしたんだろうって皆で不思議がってしまったよ。最近、社屋引っ越しの話が出てるから、もしかしたら「行かないでって言いたいのかなあ」とか笑い合っちゃった。「引っ越した後はどうなるんですかね」って私が言ったら、先輩はあっさり「着いてくるんじゃない?」とのこと。いいのか、それで。新しい社屋も古いビルだから、先住者いないとはいえないんだけど、そういうときってどうなるんだろう。バトルになるのか、仲間になるのか。考えると楽しいな。


 面白かったのは、長年勤めてきて定年後、再雇用で働いている大先輩のKさんが幽霊のことを知らなかったってこと(今日判明した)。最初は「えー!」ってなったけど、大先輩過ぎて「当然知っているだろう」って思って誰も話さなかったのかな~とか何とか、そんな結論になってた。そういうことって、多分世の中にもいっぱいあるんだろうな。考え出すとちょっと面白い。「当然知っているはず」と思い込んでいること。そういえば、妹に「茶托」が通じないことがあって、そのときも同じことを考えたな(茶托=日本茶を出すときに湯飲みの下に敷く木のコースターみたいな奴です)。

 幽霊自体はなんとなく怖いときもあるけど(夕方以降に一人でトイレに入るときとか、一瞬「目の前に立っていたらどうしようとか、そんなことを考えてドキドキする)、私は会社の人たちが幽霊に対して何となく受け入れている感じがとても好き。その感じは優しさって表現すると、ちょっと雑に思える。今日もKさんが「お祓いとかすればいいのに」って言ったとき、他の人たちが「えー」ッテ反応をして、私はそれが「良いなあ」ってホッコリした。「別に悪さするわけじゃないし」って先輩が言っていて、私もそれは同じ気持ちだった。

 ちょっと出るくらい良いよ。迷惑かけられてるわけじゃないし。幽霊に、そんな風に思ってる人たちと一緒だから私、仕事が楽しいのかもしれないな。


 怖いって思ったら怖くなっちゃうし、憎いって思ったら憎くなっちゃうし、弊社の幽霊のことを考えると物の見方について考えさせられるときがある。最近も、ちょっと嫌なことがあって相手を嫌だなあとか気持ち悪いなあとか思っちゃったんだけど、すぐに「いやいや」って考え直した。私のことが嫌いな人に引きずられて、私も相手を憎まなくて良いよな、とかね。引きずられると、ちょっと嫌くらいだったのが、ものすごく嫌、くらいに進化したりするし。それが「好き」の方向なら最高なんだけどね。気をつけようって思うよ。

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