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雑記(仮題)  作者: soo
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でも、それはおそらく私が周りに比べて文学に疎いせいなんだろうな~と思ったら何だかすごく情けなくてさ。

 松浦弥太郎著「即答力」を読み進めているんだけど、この人の文章が好きなんじゃないだろうかという予感にソワソワしてしまう。松浦さんは雑誌「暮しの手帖」に携わってきた方で、他にも色々なエッセイ本?(自己啓発っぽい要素も多分に含むんだけどジャンル的にはエッセイに思えるんだよなあ。ちなみに丸善では「暮らし・ライフスタイル」の棚に著書が並んでいる)を書かれているんだけど、まだ他には「ほんとうの味方のつくりかた」しか読了していないので、他にもう少し、あと何冊か読んでみようと思っている。次に読むとしたら「センス入門」かな。でも「松浦弥太郎のハロー、ボンジュール、ニーハオ」も気になるんだよな。とりあえず、気になる作家の著書が沢山あるのはラッキーだよね。読みたくても作品数が少ない作家、いるからなあ。服部まゆみとか。


 最近「お前はアホみたいにいつも本ばかり読んで、それで人として何か成長できたのか?」と罵倒されてから、自分は何のために本を読んでいるんだろうってちょっと考えてみた。単純に、本が好きというか、活字の情報が好きというか、それを読んで頭の中にしまっていくのが好きというのが大きいから、本を読む意味とか、読んで成長云々とか、考えたこと全然なかったな~とか思ったり。あえていうなら、物の見方や考え方のヒントが欲しいっていうのはある。

 ガルシア=マルケスの全集を読破したときは、そのときツイッターで私の周りの人たちが「凄い作品だ」って絶賛していた小説の作者が、その作品を書くためにガルシア=マルケスを読んだっていうような発言をしていて、でも私はその作品がすごく難解というか、私には良さが分からないというか、何が言いたいのかどう読めばいいのがあんまり分からなくてさ。でも、それはおそらく私が周りに比べて文学に疎いせいなんだろうな~と思ったら何だかすごく情けなくてさ。それで、半年くらいかけて新潮社が出していた「ガルシア=マルケス全集」を全て読んでみた。結局、読破したあとも件の作品の内容はやっぱり意味が分からなかったんだけど、ただガルシア=マルケスの良さは知ったから結果、ラッキーだったな。


 本を読む意味ってそんな感じでいいと思っていたし、もっというと私は本を読むことが何よりも好きだから読んでいるだけで、それは私を罵ってきた人が年中テレビの刑事ドラマを見ていることと同じような、単なる娯楽だったから、そんな風に思われていたというか、私の読書=アホみたいとか、それで何か成長できたのかとか(そう訊いてくるってことは、その人から見て私は=何の成長もしていないって見なされてるんだろうな)、そんな風に言われるというのは予想外だったよ。好きだから読んでるだけなんだけどな、本当に。


 そんな感じだから、自分が本を作るときも読む人に楽しんで欲しいなって思って書いてるところはある。ここでいう楽しむ=ノーストレスでひたすらハッピーを享受する、というよりは、心の旅というのかな、読んだ人に、まだ見ぬ世界を見せたいっていう気持ちが強いかもしれない。子どもの頃、私が大好きだった本はバーネット著「小公女」だったり、かいけつゾロリだったり、ふーことユーレイシリーズだったり、あるいは大草原の小さな家とか、南総里見八犬伝とか、ブギーポップは笑わないとか、キノの旅とか、六番目の小夜子とか、夏と花火と私の死体とか、スラムフィッシュとか、冥界武侠典シリーズとか、勾玉シリーズとか、長野まゆみ作品とか、そういう、ハラハラして、心の中の今まであんまり動いていなかった部分にパチパチと電気が流れるような、そういう本だった。自分の作品で、啓蒙活動をしたいわけじゃないんだ。ただ、ハッとしたり、ハラハラしたり、一喜一憂することで、読んだ人の心に波風を立てたい。そしてその波が去った後、読む前には存在に気づかなかった自分の心のまだ見ぬ一部分にふっと気づくきっかけになれたらいいなあって思う。私の大好きな作品たちは、私に色んな「好き」を教えてくれたし、恐怖も、怒りも、理不尽さも教えてくれた。そういうきっかけに、私の作品もなりたい。


「鉄のカナリヤ」は自分を生きるっていうことの過酷さと自由さの両方を書きたかったの。読んだ人たちのうち一人でも、自分を生きるってどういうことかなって考えてくれたら嬉しいな。もちろん、キャラクターたちの心の旅に同行してくれただけでも感謝しかないです。ありがとうございました。

 いつか、またどっかのタイミングでミンタカやアルナイル、ガブリエルやミラの掌編を書けたらいいな。ちなみに作中ではミラだけ本名が明かされなかったけど、ミラの本名は「アレクサンドル・サナ」でした。でも、多分ミラは一生ミラを名乗って生きていきそうだなあ……。

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