第三十七話 仲のいい相手
翌日、俺はウルウ隊長に呼ばれた。別になにかあるわけではなくただ一緒に朝ご飯食べたいだけらしい。 今日はすることはないし一人で食べるのも味気ない。せっかくだからおじゃまさせてもらうことにした。
ユラ「隊長の部屋に来るのは少し久しぶりな気がするな」
そうして俺は隊長室をノックした。ちょうど隊長に聞きたかったこともあるしせっかくだから聞こうと待っていたが…返事がない。なんだ?ただのしかばねか?
もう一回ノックをしようとしたら
間木「何してるんですか?部屋の前で…。入ればいいじゃないですか」
間木ちゃんに声をかけられた。そういえば一緒にすんでるんだっけ
ユラ「返事がないんだよ。もしかして中誰もいない?」
間木「返事がない?そうですか…ただのしかばねなのかもしれないですね…。教会に連れて行かねば」
ユラ「そのネタわかる人いるのか?」
そういうと間木ちゃんは俺を指さした
ユラ「…まぁ茶番はいい。で、中入ってもいいかな」
間木「入りましょう?まだ朝早いですからね、隊長にとっては」
今は朝八時。…はやいか?
間木「多分まだ寝てます。起こす前にご飯作っちゃいたいので手伝ってくれません?」
ユラ「了解」
そうして俺たちは隊長の部屋に入りさらに奥の隊長居住スペースに入った
中には誰もいなかった。まぁ返事がなかったんだからそりゃそうなのだが。
間木「聖花さんは…もういったっぽいですね。生徒会長はたいへんですから。」
ユラ「あんなんで勤まるんだからそんなにレベルたかくないんじゃないか?」
聖花は学校や外では優等生を貫いているが気の抜けるところだとマシュマロみたいになる。
ぐうたら聖花になるのだ
間木「あんなんでもなんだかんだ頑張ってますからね…。そりゃまぁたまに疑問は持ちますが。じゃあまずは…ユラさん、私訓練で汗かいちゃったのでシャワー行ってきます。なので下準備だけお願いできますか?」
ユラ「わかった。下準備だけでいいのか?」
間木「ユラさんは一応隊長が呼んだ客人ですからね。そんなに働かせちゃ失礼かなと。まぁすぐ戻るので。」
そういって間木ちゃんは部屋に行った。間木ちゃんはまじめだって誰かが言っていたが確かにその通りだと思う。そこまで気を使わなくていいんだけどな。李地さんとかには結構フレンドリーなんだろうか。…いやでも前一緒に李地さんのとこに行ったときはそんな感じではなかったな。
間木ちゃんってマゴや安雲と同じくらいだろうか。だとしたら同年代には打ち解けた感じになるのかもしれない。間木ちゃんのため口とか想像つかないな
そんなことを考えながら下準備を進めるとドアが開く音がした
ウルウ「ふゎ~あ…。あれ…ユラがいる。…そうじゃそうじゃ昨日夜に呼んだんじゃった。」
隊長が起きてきた。
ユラ「おはようございます。朝ご飯は間木ちゃんが作ってくれるらしいので仕度でもして待ってください」
ウルウ「二度寝していいって?」
ユラ「違います…。」
すると間木ちゃんが部屋から出てきた。シャワーに入ったからか少し顔が赤い
間木「ふぃ~…。あ、隊長。珍しく一人で起きましたね。」
ウルウ「なに、間木と一緒に男の声が聞こえてきたから何事かと思ったんじゃよ」
すると間木ちゃんは赤い顔をさらに赤くした
間木「な…ななな何言ってるんですか!?私はクロンリーダー一筋ですから!」
ウルウ「はっはっは!冗談じゃ。まぁクロンはかっこいいからのぅ」
間木「まったくもう…。ユラさん、あとは私がやるのでいいですよ」
そう言って俺のところにきた。うーん…このままやらせてもいいが…
ユラ「んや、いいよ。このまま俺がやる。間木ちゃんは隊長のしたく手伝ってやってくれ」
間木「え…。いやいいですよ。さっきも言いましたがユラさんは客人だから…」
ほんとまじめだなぁ…
ユラ「俺には気を使わなくていいからさ。それより隊長の髪見てみろ。ドラゴンみたいになっちまってる。ありゃ一人じゃ無理だ」
そういうと間木ちゃんは隊長のほうを見て笑った
間木「あははは!な、なんですかその髪、ふははは!」
ウルウ「な、なんじゃと!!?」
隊長は自分の髪を触って確認しだした。
…やっと笑ってくれた。間木ちゃんいつも真顔だから感情あるか不思議だったけど…
ちゃんと笑ってくれてよかった。
間木「はー…面白かった…。それじゃあ朝ご飯は頼んじゃいましょうかね。隊長の髪直さないと笑っちゃって料理どころじゃないですし。」
ユラ「ん。まぁパパっと作っちゃうから」
間木「よろしくお願いします。隊長、行きますよ」
ウルウ「頼んだ!!」
そういって二人は隊長の部屋に行った。
部屋からかすかに声が聞こえる
間木「まったく…どう寝たらこんな髪型になるんですか…。ふふふ…」
ウルウ「…間木、笑いすぎじゃ」
間木「すいませ…ふふ」
ウルウ「はぁ…」
仲いいな…。さっき間木ちゃんが心許せる相手って誰だろうと思っていたが根本的に間違いだったな
間木ちゃんは別に相手と自分に壁を作っているわけじゃなく。ただただあれが素なんだ。そしてそれがわかった上で普通に接してくれる人が何よりの仲のいい相手なんだろう
ユラ「さてと、ぱっぱと作るかな」
そうして作ろうとした瞬間、玄関のドアが勢いよく開いた
神崎「隊長!!ユラ殿はいないか!助けてくれ!」




