第三十二話 バグ
メクル「頼む!ユラ!起きてくれ!」
チームの隊長としてこんなことをするのはおかしいのかもしれないが今はコイツに頼むしかない。
プライドよりチームを、混乱を起こさないことが魔警の一隊長としての役目だ。
ケルト「だめだな…もう一時間以上たっているはずなんだが…」
マゴ「この人ただでさえ寝てなかったですからその反動があるのかもしれません…」
メクル「そんなに寝てなかったのか?」
確かに最近ユラを魔警で見たとき疲れてる感じがしたな…
まだあの二体は動き出していない…。多分最初の一体のように起動に時間がかかるのかもしれない
ライはもう動けない…僕が行くか…?だが雪の能力じゃせいぜい数分足止めするぐらいしかむりだ
メクル「ケルト…この状況助けを呼ばなきゃ無理だと思うんだが…」
ケルト「まぁ…そうだろう。不甲斐ないが俺たちの能力・実力じゃ勝てない…。下手に攻撃してうまくいってもライとの闘いの時のように強化されてはもうどうしようもないだろうしな。ここは素直に撤退したほうがいいだろう。多分あの機械も…能力消滅装置を守ることが役目と言っていたしこの森からそう遠くはいかないはずだ。」
ケルトの言う通りだ。ここはそうするしか…
仕方なくこの場から離れようと動き出そうとしたが、それよりも早く最悪な運命が動き出した。
機械「ピピピ…起動;アガルパム」
メクル「ぐっ!」
とっさに雪の壁を出しその攻撃を防ごうとしたが目くらまし程度にしかならなかった。
それでもないよりマシか
ケルト「メクル!どうする!」
…どうする…このままじゃ全滅だ。ユラとライを運びながらあの化け物と戦うなんて馬鹿げてる。
何か…!何かないか…
…そうだ!あれができれば…いやどうやる?!
マグマの能力があれば…
マゴ「ライ先輩とユラ先輩は私が風で運びます!」
そう言ってマゴは2人をうまく運ぶ
メクル「…あ」
マゴをみて思いついた。このまま僕とケルトで戦ってもじり貧だ。よけるのもきつい
だったら賭けるしかないか!
メクル「マゴ!君がこの戦いのカギだ!」
ケルト「は!?何言ってる!?」
避けつつも…今はこれを伝えなければ…
マゴ「なんでわたし何ですか!!??」
メクル「少し前ユラが言っていたことを思い出した!あれならコイツらを倒せるかもしれないんだが…いかんせんそれができるのがマゴしかいない!」
まずい…こうして話してるのは難しすぎる
時間があれば…
ケルト「何をしようとしているかわからないが…時間があればいけるか?!」
メクル「できるか!?」
ケルト「少しならな!」
そういってケルトは機械二体に向き合う
ケルト「ウィンド・レベル5」
風の一般魔法を使い吹き飛ばし、ケルトは吹き飛ばした方向に行った
マゴ「そ、それで…私がどうすれば…?」
メクル「よく聞け、ユラと話してた時の話を思い出したんだが…」
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ある日、ユラに昔の、初期のころの話を聞いていた。ユラはあまり昔話をしてくれなかったのだが
なんでもいいから聞きたいといったら話してくれたことがある
ユラ「昔…昔の話かぁ…。そんな面白い話じゃないぞ?」
メクル「いいじゃないか、僕だって昔の話をしたんだし。初期の話に興味があるんだ。」
ユラ「まぁいいけどよ…。うーん…。俺の仲間に重力を使うやつがいたんだ。最初はあまり強くなかったんだがある時なにかコツをつかんだのか知らないが突然能力を劇的に使いこなし始めてな。不思議に思ってどうしたのか聞いたんだ。」
メクル「それは本が関係あるとか?」
ユラ「いや…それがな。そいつはこういったんだ
??「僕の能力でしかできないってわけじゃないと思うんだけど…。なんていうかなぁ…。能力ってそのものがもう世界に矛盾してるじゃん?その矛盾した能力で矛盾を起こす…みたいな。僕だったら一方方向のはずの重力を対にさせるときにできる…バグみたいな。」
ってな」
メクル「…バグ…か。それはたとえば炎と水の力とかか?」
ユラ「そうだなぁ…。多分できるはずだけど同じくらいの力でやらないとだめだから実際やるには難しいと思うぞ?」
メクル「なるほどな…。その重力使いは相当強かったんだな」
ユラ「…あぁ。そりゃ…まぁ…な」
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マゴ「たっっ…しかに…私ならできるのかもしれませんが…」
メクル「頼む…ここはマゴの力が必要なんだ!」
マゴは迷ったようなそぶりをしてきょろきょろとしていたがふとあるところに視点が言った後、
決意したかのように立ち上がった。
マゴ「わかりました…。やってみます!隊長はここを頼みます」
メクル「あぁ」
マゴはライのほうをみていたが…さっきの不甲斐なさがマゴに火をつけたのだろうか。
にしても…僕は隊長失格だな…
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マゴ「ケルト先輩!」
ケルト「ごほっ…」
まずい…怪我のしすぎとかそうゆうレベルじゃない
マゴ「無茶しすぎですよ!」
ケルト「お…俺には…これくらいしか…」
そう言って先輩は目を閉じた。気絶したようだ
マゴ「まったくもう…」
私は風に乗せてケルト先輩を運んだ。ケルト先輩の気持ちもよくわかる…
あのライ先輩をみたら自分の弱さに気づいてしまうだろう…
マゴ「ふぃー…で、思ったより待ってくれるんですね」
機械「ピッピピー…ワタシタチモ…思ッタヨリダメージヲウケタノダ」
マゴ「ケルト先輩…やっぱり強いなぁ」
…本当に私が勝てるのだろうか…
いや、やるしかない
機械「ソレデ…次ハオマエカ?」
マゴ「そうですよ。正直勝てる気はしてませんがね」
機械「確カニ…震エテルナ。震エテルヨウナヤツヲ出ストハオ前ノリーダーハ選択ヲマチガエタンジャナイカ?オ前二構ッテル時間ハナイ」
マゴ「そんなわけないでしょう。隊長は私を信頼して送り出したんです。それなら私もその信頼にこたえなければいけない…!」
隊長…あんな場面でも一切目に光をなくしていなかった。
あんな人になりたい…。
さてと…
私の能力は一般魔法が人より多く使えるだけ…
属性能力には届かない…が
マゴ「メクルチームの一員として!恥じない行動をしなければならないんです…!」
私は手と手を合わせ、それぞれ違う能力を発動する…
一回試しにやったことがあるが反発して無理だった…でも今はそんな事言ってられない…あきらめちゃいけない!無理にでもやるんだ!
機械「…!!マ、マズイ。ナンダ…コノチカラハ…データニナイゾ!!」
マゴ「お前らの敗因は私をなめたことです!」
今まで感じたことのないような力が私の手にたまっている。これが矛盾によって生まれた矛盾!
マゴ「《バグスト》!」
どす黒い禍々しい力が、機械を襲った
もう機械に話させたくない…いちいちカタカナにするのめんどい…
あと今回の話最後のほう強引すぎた…




