第八話 吹っ切れ
…………
ハッ!
ここは…
四方八方に広がる壁
上からの光がひとつ。
横たわる友達
…そうだ、穴を作る不思議な人間、丸葉香に穴に落とされて…
俺は…うん、名前も覚えてるな、斎月ユラだ。
横たわってるのは…御手洗真。
大体こんなところか。
穴から上がるのは簡単だ
空を飛べば良い。
だが上は人まみれ。
バレてめんどくさい事にはなりたくない…
どーするか…
真「んっ…ん…」
俺「起きたか」
真「あれ…ここは…」
俺は簡単に話して、思い出させてやった。
真「そっか…どうしよう、このままじゃ…穴が塞がったら死んじゃうんじゃ…」
俺「それは多分…ない」
真「どうして?」
俺「多分…だけどあの穴を作る奴は【穴を作る】だけしかできないと思うんだ、閉じてる所をさっき見なかった」
真「なるほど…でも出れない事には変わりないね」
俺「そうだな…」
出れない訳じゃないんだが…
その時、ふと隣を見ると
真が泣いていた
周りにバレる…………何を言ってるんだ俺は。
俺が助けなきゃ…
俺にしかできないんだから。
俺「真、舌噛むなよ」
真「え?」
ーーーーー
丸葉 香「はぁ…遊び飽きたな…そろそろ学校ごとそこに落としてやるか」
穴を避けるため下を見ていた生徒達は
この言葉で精神的にも下を向いた。
その瞬間
ドン!!
丸葉 香「なんだ?」
その場の全員がその音の方を見た
俺「2人で飛ぶのがこんなに疲れるとは…真が重いのか」
真「はぁ…はぁ…一体何が…ん?重いっつったなテメェ」
怖い怖い、寒気で火が消えそうだ
丸葉 香「は?は?…クッソ…お前もって事か」
俺「騒ぎを止める気はないんだな?」
丸葉 香「当たり前だろ?」
俺「なら、仕方ない」
灰になってもらおうか